INTERVIEW
Leader's Voice
土岐市全体が一体となり、イベントやメッカづくりに取り組んでいきたい
Interview
石黒 信彦 会頭
石黒商事株式会社 取締役会長
代表取締役社長
代表取締役社長
代表取締役社長
【石黒会頭メッセージ】
土岐市美濃陶磁歴史館のリニューアルを機に、織部の里公園を土岐市のメッカに
— 今、土岐商工会議所で取り組まれている事業について教えてください。
石黒会頭 来年、2025年は土岐市政70周年、土岐商工会議所も創立60周年、両方とも節目の年を迎えます。市民や企業にとって希望、夢、誇りをもてるまちを打ち出せるよう、市長や市と連携しながらさまざまな事業に取り組んでいます。また、先日は市議会の議長、副議長、市会議員6名と正副会頭で会議を設け、これから一緒に頑張っていくために、商工会議所や観光協会の考え方、また、市や市議会で課題になっていることを伝え合いました。商工会議所では昨年に引き続き、まちづくり、人づくり、美濃焼、事業者の4つの支援戦略室にそれぞれ正副会頭がついて取り組みを進めています。私は土岐市観光協会の会長も兼務しており、観光協会もみんな元気よく頑張っています。
— 土岐市の将来像はどのようにお考えでしょうか。
石黒会頭 明るい未来になるよう頑張っています。土岐市は最先端の工場も入っている、広大な工業団地「土岐アクアシルヴァ」があります。工業団地の企業さん10社全てを回り、宿泊施設を増やして欲しいなどの企業さんからの要望もお聞きすると同時に、土岐市の状況などをお伝えしています。時間はかかると思いますが、一つ一つ課題解決に向けて取り組んでいきます。工業団地の企業さんとも一緒に盛り上げていくことできっと、まち全体が変化していきますし、定住人口の増加も期待できるでしょう。また、2027年以降のリニア新幹線開業に向けた受け入れ態勢をつくるためにも、東美濃の6会頭が集まって経済界のビジョンを描いています。
50年ほど前の土岐市は食事をするお店も飲み屋も揃っていて、多治見、瑞浪、可児から遊びに来る人もいたほど栄えていました。現在は「イオンモール土岐」や「土岐プレミアム・アウトレット」に年間1000万人以上の人が集まることで土岐市は有名になりましたが、では、ほかに土岐市のどこへ行けばいいのか、となります。そこで、拠点となるメッカを作ることで、そこからいろんなところへいけるような態勢を作りたいと考えています。賑わいを取り戻そうと官民一体となって取り組んでおり、市制70周年の時に大々的に打ち出すことができれば、土岐市の将来像を示すことができ、市民の皆さんにも期待をもってもらえると思います。
— メッカづくりの構想を教えてください。
石黒会頭 土岐市駅から車で5分、10分ほどの場所にある「織部の里公園」周辺を土岐市のメッカにすることを考えています。園内には「元屋敷窯」をはじめ、洗心苑茶室「暮雪庵」が、また、公園の500m圏内にはいくつもの窯跡、乙塚古墳や段尻巻古墳といった古墳、恐竜のデスモスチルスの仲間のパレオパラドキシアが発掘された隠居山、美濃陶祖の菩提寺にあたる静安寺があります。さらには、令和10年にリニューアルオープンする予定の「土岐市美濃陶磁歴史館」もあり、土岐市の歴史文化遺産が集まっている場所です。ぜひ、「土岐市美濃陶磁歴史館」のリニューアルを機に土岐市さんには子どもたちが遊べる公園や小さな森も整備していただくことで、土岐市のメッカができるのではないでしょうか。
あと、「織部の里公園」に土岐市出身の日本藝術院会員の彫刻家、神戸峰男先生に美濃焼の陶祖、古田織部の像を創っていただきたく、話を進めているところです。土岐市だけにとどまらず、東美濃のメッカにもなりえると思います。
若者の力を合わせながら、土岐市を一つにしてまち全体を盛り上げたい
— 土岐市のイベントはいかがでしょうか。
石黒会頭 土岐市は昭和30年に8か町村が集まって合併した町のため、陶磁器に関する工業協同組合が各地にあって今もそれぞれで活動をしていますが、なんとか1つになって美濃焼の産業を盛り上げていきたい思いがあります。まずは、バラバラに開催していた秋の陶磁器祭りを1つにすることを考えています。今、若手が頑張って音頭を取ってくれていて、「土岐市陶磁器卸商業協同組合」や「美濃焼伝統工芸品協同組合」も一緒に、さらには「イオンモール土岐」、「土岐プレミアム・アウトレット」も引き入れて、2日間かけてまとまったイベントが開催できるように計画を進めています。その2日間は土岐市のどこへ行っても祭りをやっている状態にすれば、土岐市全体がもりあがりますし、市内の飲食店にも足を運んでもらえるでしょう。
— ほかにも新しい取り組みがあれば教えてください。
石黒会頭 昨年から土岐市さんと協働して、日本語学校の誘致を進めています。日本語が話せる優秀な人材を育成する日本語学校が大阪にあり、視察に行ってきました。将来、企業の中でリーダー格になりうるような非常に優秀な生徒さんばかりでした。土岐市だけでなく、人手不足の課題をもっている東美濃全体で考えても、将来的に必要な学校だと思いますので、東美濃6商工会議所の会頭にも賛同いただき、2026年の4月の開校を目指しています。
また、この辺は昔、自然薯が非常に盛んで、お正月2日には各家庭で自然薯をすって食べる習慣があります。そこで、観光客のみなさんにおいしい自然薯を味わっていただこうと、市内の飲食店で自然薯料理が提供できる仕組みを進めています。飲食店さんには気軽に提供していただけるよう、お客様自身がすりおろして食べられる自然薯のパック化が今年の秋に完成する予定です。
挫折しても成功するまで諦めない。大切なのは夢をもつこと
— プライベートのお時間はなかなか取れないと思いますが、お時間があるときはどのように過ごされていますか。
石黒会頭 自分の時間はなかなかとれませんね。ゴルフはやめましたし、時間ができた時は読書や近所へ出かけるくらいで、今は家族を大切にしています。あと、先祖が所有していた五斗蒔にある、弊社の研修センター「きらめきの森」で過ごすこともあります。
大学時代はフェンシングに打ち込んでいたこともありますし、過去にいろいろやってきましたので、今は世の中の役に立つこと、地域貢献を中心に動いています。私は弊社の3代目にあたりますが、社会貢献や地域貢献のDNAは代々、受け継がれてきたのかもしれません。初代のおじいさんは幼稚園に寄付をしたり、私の父も土岐市の教育基金に寄付したり、私と4代目の息子もそれを受け継いで寄付や震災の義援金を送っています。企業というのは社会貢献するためにあるものだと教えられてきました。そうした気持ちをもつからこそ、商売もうまくいくのではないでしょうか。
— 若者のために実行されたいこと、また、若者へのメッセージをお願いします。
石黒会頭 今、市外から来た人がものすごく頑張っていて、こんなにいいまちはないと言ってくれる若い方が多くいます。非常にありがたいことです。その姿を見て、私はなんとかさらに住みよいまち、誇りをもてるまちになるようなまちづくりをしていかなければと考えています。
さまざまな方と交流をしていると「石黒さんはなぜ、情熱をもち続けているのですか」と聞かれることがありますが、それは、これまで挫折の連続でまだ成功してないからだと思います。私は40年ほど前からまちづくりに携わっていて、なんとか成功させたく、頑張ってます。今の市長とは若い頃から一緒にまちづくりに取り組んできた仲間なので、市長とも話し合い、土岐市さんと一緒に取り組んでいます。その熱い思いが自然に、人に伝わってくれるといいですね。今も同じ思いの仲間がどんどん増えて芽が育ちつつあるので、ぜひ、実現させていきたいと思います。そんな大風呂敷を広げて、と言われるかもしれませんが、大きな目標を1つもってそこへ向かっていくことが1番大事。夢は大きく持ちましょう。
■土岐商工会議所
〒509-5121 岐阜県土岐市土岐津町高山4セラトピア土岐4階
TEL.0572-54-1131
FAX.0572-54-1188
土岐商工会議所のホームページはこちら