Seiryu Voice
投稿日:2023.12.06
フェンシング日本ランキング1位(U-17)、オリンピック出場を目指す!村瀬あかりさん
フェンシング人口が多く、好成績を収めている岐阜県には、全国や世界で活躍している選手が大勢います。2023年11月時点でカデ・女子フルーレで国内ランキング1位となったのは、岐阜県立岐阜総合学園高等学校1年生の村瀬あかり選手もその一人。村瀬選手に、練習環境や目標、フェンシングへの想いについて、12月のフランス遠征前にインタビューをしました。
海外選手との違いから学び、自分の得意な戦術を磨いていきたい
――今までの海外遠征について教えてください。
村瀬選手 小学5年生でドイツへ、中学3年生でブルガリアに行きました。小学生の時は無知なまま行ったので緊張しなかったのですが、中学生の時は大きい大会だったこともあり、緊張して何もできなかったことを反省しています。海外選手は力が強くて思いきりが良く、プレイスタイルが日本人とは全然違っていたので、それからは速さの強弱をはっきりさせるなど戦術を考えることで成績も良くなりました。
――フランス遠征での目標はありますか、また、どのように海外選手と試合をしようと思われていますか。
村瀬選手 フランスでは各国の選手との交流会をはじめ、個人戦と団体戦を行います。私は2個目の接近戦と自分から攻めていく戦術が得意なので相手に仕掛けていくのですが、失敗してもすぐ接近戦に繋げて、自分の得意技を出せるようにしています。フランスの試合では自分の今の力を出し切り、相手を揺さぶることができるようにしたいと思っています。
前回のブルガリアではベスト64という悔しい思いをしたので、今回はメダルを取りたいと思います。
小さな頃から慣れ親しんでいたフェンシング
――村瀬選手のフェンシング歴を教えてください。
村瀬選手 母がフェンシングをやっていた影響が大きく、母が代表指導者となって2008年に発足した「はしまモアフェンシングクラブ」に、私は生まれた時から一緒に連れられてきていたそうです。小さい頃からおもちゃの剣を握っていたようで、小学3、4年生頃に防具を身につけての本格的なフェンシングを始めました。試合に出始めたのもその頃です。
――目標としている選手はいますか。
村瀬選手 私のいとこの辻すみれ選手です。小さい頃は家で練習している姿を見て、私も真似て遊びのようにフェンシングをしていました。辻選手は女子フルーレ団体戦で東京オリンピックに出場しているので、私も2028年のロサンゼルスオリンピックを目指しています。
――普段はどのような練習をされていますか。
村瀬選手 岐阜総合(岐阜県立岐阜総合学園高等学校)では生徒諸活動支援部として、モアにも所属している6人で筋トレなどを自由に練習をしています。帰りはそのまま練習場へ来て、モア(はしまモアフェンシングクラブ)のみんなと一緒に練習をしています。モアには先輩がいるので、自分なりにどうしたら勝てるのかを考えながら練習をしています。小学生や中学生と練習をする時も、みんな考えながら相手をしてくれるので、どう仕掛けて入れば良いのかなど、やっぱり考えながら動いています。年代の違う人と練習ができるのは刺激になります。
――フェンシング以外の趣味や好きなことはありますか。
村瀬選手 運動が好きなので、最近は兄とバドミントンをしたり、急に走りたくなった時は、帰宅途中の車から降ろしてもらって家まで走って帰ります(笑)。音楽を聴くのも好きで、いろいろなアーティストやジャンルを聞きます。試合前の緊張を音楽でほぐすこともあります。特に「サウシードック」が好きで、ライブにも行きたい!最近はギターを弾くこともあります。
前向きに「絶対勝つ」を胸に、試合に挑む
――村瀬選手の種目を教えてください。
村瀬選手 私個人としての種目はフルーレ(胴体部分が有効面)です。高校団体で出場する時はフルーレとエペ(全身が有効面)もやっています。フルーレは攻撃権の入れ替わりが激しく、剣のやり取りを考えるのが大変ですが、私には向いている種目だと思っています。
――試合に出る時の心構えなどはありますか。
村瀬選手 中学3年のブルガリア大会に行くまではマイナスの気持ちがあってスタートが遅れるなど、点数が負けている状態からのスタートが多くありました。ブルガリアでも緊張して何もできずに終わったので、それからはプラス思考にして試合に出る前は「絶対優勝するぞ」という気持ちを前面に出して頑張っています。メンタルが大事なスポーツだと思います。
――フェンシングをやっていて楽しいと思える瞬間を教えてください。
村瀬選手 私はスタート前に戦略を決めて試合を始めるのですが、狙い通りのプレイで相手に決めることができた時はやっぱり、フェンシングをやっていて良かったと思います。試合中に流れが変わることが多いスポーツなので、やりたいことをうまく決められる時が1番楽しいです。
「はしまモアフェンシングクラブ」出身の先輩と仲間、たくさんの応援によってつくられる最良の環境
――「はしまモアフェンシングクラブ」について教えてください。
村瀬選手 モアはみんな仲が良くて、先輩もいれば、元選手の保護者さんもいて、小さい子はほんとうにかわいらしくて、私にとっては癒しです。中高生が一緒になる大会ではも仲間に癒されながら試合をしています。
岐阜はフェンシング人口が多く、全国レベルのモア出身の先輩も多数います。辻選手もモアの出身ですし、鈴村健太選手は世界大会の団体戦で金メダルを取っています。高3の先輩、長瀬凛乃選手は海外のシニアに呼ばれています。活躍している先輩たちの背中を見ているので、私も頑張ろうという気持ちになりますし、道が見えるので、目標設定がしやすく、とても良い環境で練習させてもらっています。
――先輩に相談をしたり、アドバイスを求めたりすることもされるのでしょうか。
村瀬選手 辻選手には、自分の試合中の動画を見せてアドバイスをもらっています。海外経験も豊富なので、何を持っていけば良いのか聞くこともあります。あと、村瀬先生(母)からは練習時間以外にもアドバイスをいただくことができますし、試合時にはベンチにいてくれるので安心感があります。(喧嘩もしますが)期待に応えたるために頑張っています。
――先ほどもおっしゃっていましたが、オリンピックを目指しているそうですね。
村瀬選手 これからはシニアの遠征にも参加して、世界ランキングの上位を目指してどんどんオリンピックに近づけたらと思っています。
――応援してくださる方も多いのでしょうか?
村瀬選手 専用練習場を貸してくださっている不二精工株式会社さんをはじめ、奥長良川名水株式会社さんが高賀の森水を提供してくださったり、岐阜総合も応援してくれています。皆さんのたくさんの支えと応援があって、フェンシングで活躍できるのはとても心強いです。
――最後に、みなさんへメッセージをお願いします。
村瀬選手 フェンシングは繊細なスポーツで、たくさん考えることがあります。でも、思うように決めることができると気持ちいいスポーツです。見て、かっこいいと思ったり、これからフェンシングをやってみたいなと思ったり、何か運動を始めたいなという方いたらぜひ、モアに来て見学、体験をしてください。そして、見るだけでも楽しいスポーツなので、ぜひ、興味をもっていただけたらと思います。
【村瀬あかり 成績(2023年11月7日時点)】
女子フルーレ(カデU-17)ランキング 総合1位
JOCカップ 2位
東京都選手権 3位
島原ランキングマッチ 2位
全国カデ選手権 1位
女子フルーレ(シニア)ランキング 総合11位
東京都選手権 6位
【はしまMOAフェンシングクラブ】
「強く!やさしく!元気よく!」をスローガンに、一流の指導員が情熱を持って子どもたちと向き合いながら活動するクラブ。フェンシングを通して子どもの「人間性・人間味を育てる」ことを大切にしています。
主な練習場/岐阜県羽島市福寿町本郷1215 不二羽島講堂
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