Seiryu Voice
投稿日:2025.05.13
岐阜軽トラ市と出張輪島朝市

下呂市出身でスズキの元社長故鈴木修氏が普及に力を注いだ、軽トラック、軽自動車を活用したマルシェ・軽トラ市が4月26、27の両日、岐阜市の柳ケ瀬地区で初めて開催されました。能登半島地震で打撃を受けた輪島市の商業者を応援する「出張輪島朝市」も合わせて行われ、大勢の来場者でにぎわいました。
「第1回岐阜軽トラ市・出張輪島朝市 ㏌ 柳ケ瀬」と銘打たれたイベント。県軽トラ市連合会(会長・船坂誠司下呂軽トラ市実行委員会委員長)主催、岐阜柳ケ瀬商店街連合会共催、岐阜市、岐阜商工会議所、県商工会連合会後援で実施されました。
鈴木さんは軽トラ市を核に商店街などの地域活性化に取り組む事業を強力に後押し。鈴木さんの気持ちを汲み取った船坂さんは昨年5月から、鈴木さんの生誕地・下呂市で2カ月に一度、軽トラ市を開催しています。岐阜県内でさらに軽トラ市の輪を広げようと岐阜市での開催を模索、鈴木さんの希望を受けて柳ケ瀬での開催を決めました。
日程は、スズキの社外役員を務める高橋尚子さんが旗振り役の「ぎふ清流ハーフマラソン」に合わせました。全国軽トラ市でまちづくり団体連絡協議会(軽団連)は能登半島復興に尽力しており、今回、船坂さんが中心になって初めてクラウドファンディングで開催資金を募って出張輪島朝市も同時開催に漕ぎつけました。
岐阜軽トラ市には岐阜市、可児市、美濃加茂市などから34店舗が出店。洋菓子、カレーライス、焼肉丼から野菜販売や手作りアクセサリーをはじめ、占い、整体など幅広い業種のお店が並び、訪れた家族連れらは品定めに余念がありませんでした。
出張輪島朝市には10店舗がテントを連ね、魚の干物や、塩辛、一夜干し、輪島塗りの漆器などを来場者は積極的に買い求めていました。「少しでも復興の後押しになれば」と干物を購入した男性は動機を話し、「復興に道筋が見えるまでこのような催しは継続してほしい」と期待を込めました。
地域活性化策を研究する、愛知大戸田敏行教授のゼミ生、南山大石川良文教授のゼミ生約30人も応援に駆け付け、売り場の手伝いや来場者アンケートの実施などに汗を流しました。戸田教授は「軽トラ市は継続が重要で、柳ケ瀬に行けば何か面白そうなことをやっている、とのイメージを押し出すことが必要」と柳ケ瀬地区の今後の方向性について助言しました。初日に訪れた柴橋正直岐阜市長も中心市街地でのこのような催しを今後も支援していきたいとの意向を示しました。
主催者発表では2日間の来場者約12,000人。朝市では品物を売りつくした出店者もいたということで、輪島朝市組合の幹部も「岐阜の方々の温かさを感じました。ぜひとも次の機会をお願いしたい」と期待に胸を膨らませていました。
船坂会長は「課題はいろいろ見つかったが、船出とすれば上々。皆さんの尽力を得て軽トラ市、輪島朝市ともに継続させたい」と意欲をにじませ、「共催団体、後援団体には感謝しています」と頭を下げ、「行政など各所とつないでくれたグローバル・メディアネットワークには助けられました」と話していました。
船坂会長は、来場者アンケートを基に分析した大学生による研究成果の場を関係機関と連携して設けられれば、との考えも示しました。関係機関の協力を得て、軽トラ市は今夏、出張輪島朝市との合同事業は今秋にも実施したい、としています。