『岐阜県の観光振興のお役に立ちたい』

 “魔法のタオル”「エアーかおる」の累計販売枚数が2007年の発売開始からすでに900万枚を超える大ヒット。テレビ東京のトーク・ドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」でも、大ヒット商品の開発劇が紹介された浅野撚糸株式会社。201910月には本社西隣に初の直営販売店「エアーかおる本丸ショップ」をオープンしました。「今後は観光面にも力を入れていきたい」と語る浅野雅己社長に、その思いを伺ってみました。

浅野撚糸株式会社 代表取締役社長 浅野雅己さん
町や県、国に育ててもらった私たちの使命です

ふわふわで吸水性に優れたタオルは、特許を取得した糸の隙間を作る浅野撚糸の優れた技術力から生み出されています。その高い技術力を背景にした「エアーかおる」は爆発的なヒット商品になり、業績を順調に伸ばしています。しかし、発売当初から販売が順調に伸びたわけではありません。「町や県、国がバックアップしてくれたおかげで、今の会社があります。町や県、国に育ててもらったという思いが、私の中には強くあります。たくさんの応援をいただいた私たちにとって、観光面で力になることは1つの使命だと考えています」と浅野社長は語ります。

人気のタオル商品がずらりと並ぶ直営ショップ

201910月にオープンした「エアーかおる本丸ショップ」は初の直営販売店。1階は常設の販売スペースで、様々な種類、色サイズをそろえた人気のタオル商品が並ぶほか、イタリアの高級スニーカーブランド「アトランティックスターズ」の正規販売店として靴も販売。2階には20人ほどが座れるカフェテリアがあるほか、アウトレット品を扱うコーナーも常設しています。

 安八町の自慢の種

発売開始当初のなかなかタオルが売れない時代、近隣の約170軒にタオル引換券を配りました。訪れたお客さんは引換券でタオルをもらって、そのよさを実感すると「購入したい」という声が寄せられるようになりました。「せっかく来ていただいたのだから少しでもお値打ちなものを」ということで、アウトレット品を販売するようになりました。フェアは年々規模が大きくなり、年に2回のセールには2日間で6000人の人が訪れるようになりました。地元・安八町の町民には「浅野撚糸は私たちが育てたみたいなもの。そして今は町の自慢の種です」と語るファンがたくさんいます。そんな思いに応えたいと考えたのが、「エアーかおる本丸ショップ」オープンのきっかけになっています。

 古民家を改修し、日本の建築美を表現

20203月には本社に隣接する古民家を改修し、「本社の工場見学」「エアーかおる本丸ショップ」と合わせた観光スポットとしての完成します。岐阜を拠点に活躍する設計士の吉田さん、庭師の末竹さん、空間デザイナーの和田さんの新進気鋭3名によるプロデュースにより、伝統的でダイナミックな日本の建築美が表現され、日本庭園も整備されます。

安八町に新しい観光名所が誕生

「私は会社を日本一の撚糸屋にしたいと思っています。同時にふるさとである岐阜も日本一の県を目指すべきだと考えています。日本の真ん中に位置し、リニア新幹線が通りますし、幹線道路も走っています。川と山の素晴らしいロケーションがあり、無形文化の宝庫でもあります。条件は整っていると思います。当社へは幸いにも、安八スマートICから3分という好アクセスにあります。町内には『安八百梅園』や『結神社』という観光資源もありますので、合わせて巡ってもらうといいと思います」と浅野社長。安八町の新しい名所として全国に発信し、岐阜の観光振興に強い決意をもって臨んでいます。

 

【問い合わせ】

 浅野撚糸株式会社
岐阜県安八郡安八町中875-1
Tel 0584-64-2279
HPhttp://asanen.co.jp/