岐阜県をはじめ、地方への潤いが
日本全体の未来につながる

衆議院議員
金子 俊平 さん

観光客には岐阜県の田舎の奥深さも感じてもらいたい

-- 岐阜県の印象を教えてくだだい。

金子議員 岐阜県は日本の縮図みたいなところです。特に私の第4選挙区は白川村のような日本の原風景があるかと思えば、可児市のようなまちもあり、田舎の楽しみ方と都市の楽しみ方、両方が味わえる非常に面白い地域です。

-- 岐阜県内で好きな場所や風景はありますか。

金子議員 高山で生まれたということと、人混みが苦手ということもあり、飛騨の空気が私に合っているようです。そして、高山線に乗ると、どこで降りても「金子さん」とか、「俊平くん」とか、「お帰りなさい」と声をかけていただくことが多く、背が高くて目立つからというのもありますが、何人もの方が声をかけてくださるのはありがたいなと思います。人懐っこい文化が私には合っています。

好きな風景は高山の滝町や飛騨の種蔵の棚田です。何時間でも眺めていられます。稲刈り前の風景はとても素敵ですよ。小坂の滝も1時間でも2時間でもずっと見ていられますし、滝のそばは気持ちいいですよね。最近、再び外国人観光客が増えてきましたが、いわゆる観光地以外の岐阜の風景もぜひ見ていただきたいと思います。私も、今は財務大臣政務官を務めているため東京での時間が圧倒的に多いのですが、役を終えたらまた、地元にいる時間を増やしていきたいと考えています。

-- 金子議員は散策がお好きなのでしょうか。

金子議員 最近は時間がなくて行けないのですが、元々、ハイキングのような山歩きが大好きで、アメリカに行った時にキャンピングカーを借りて国立公園めぐりをしたことがあります。可児市でキャンピングカーの会社「トイファクトリー」を経営している私の友人から話を聞くと、毎年1.5倍ほどの規模で売り上げが伸びていると言っていました。キャンプ人気も高まっていますので、時間を作ることができたらまた、でかけたいと思います。

先を見据えての政策で岐阜県のみならず、日本の発展につなげていく

-- 今後、岐阜県の維持・発展のためにはどのようにすれば良いか、お考えはありますか。

金子議員 私の岐阜第4選挙区は全国でもトップ5に入る大きな選挙区ですが、それだけ人がいない地域とも言えます。可見市で約10万人、高山市で83千人ほど、それ以外の市町村は5万人台以下です。今後、どうやって人に来ていただくか考えることも大事ですが、人が都会に行くことを止めることはできません。自分の夢や就きたい仕事があって都会へ行くことは当たり前の話なのですが、子どもたちは税金を納めていただくタイミングで都会へ出てしまうので、お金が入ってくる仕組みを考えることが必要です。

私が若い議員や地方の議員と一緒に考えてる仕組みは、例えば、都会で頑張って働いていただいて、住民税の5%を出身地元自治体に納めていただく方法です。この制度なら、地方自治体は最低限の財源を確保できます。都会の議員は反対するでしょうが、日本が人口減少社会に入っていく中、地方がお金を維持する方法を考えなければいけないと思います。

-- 観光客の増加も岐阜の発展につなげていくことができるでしょうか。

金子議員 コロナが過ぎて、現在、訪日外国人観光客が一気に戻ってきています。ここに中国の方の入国が増えると、コロナ前以上の賑わいになるでしょう。喜ばしいことですが、急激な観光客増と急激な経済ニーズの変化で人手不足の課題が出てきているので、いろいろな知恵を絞らないといけません。

高山市も観光客が戻ってきましたが、市民のみなさんが外食難民になってしまったり、道路渋滞が起きたりするため、地元の皆さん全員にメリットを感じていただけるような政策、例えば、京都や鎌倉のように宿泊税や車で訪れる人への税金を徴収しても良いのではないかと思います。

また、リニア新幹線駅が中津川に設置されることが決まっていますので、下呂、高山、飛騨、白川、郡上などの観光地がそれぞれ独自色を発揮しながら、点ではなく面で協力することで、岐阜県の観光を強化することができると思います。そのための道路インフラの整備も必要でしょう。

-- インフラ整備は災害対策にもつながりますね。

金子議員 近年、岐阜県も政府から激甚災害指定を受けている地域があり、今後も大きな災害が起きて道路が寸断されたら、通学、通勤もおろか、生活もできなくなってしまいますし、病気や怪我の治療もできません。どのように生活物質を運ぶか、どうやって医師や看護師を送り届けるか。災害が多発する地域だからこそ、対策については日頃から考えておかなければいけません。そのためにも、インフラ整備を私のライフワークの1つにしています。

先ほど、キャンピングカーの話をしましたが、キャンピングカーを有効活用することもできます。災害で市役所、町役場、村役場が稼働しなくなった時、首長が県と連絡をする場所として使うことができると思いますし、各市町村に1台持ってもらって、大きな災害が起きた時に被害のない市町村が災害が起きた場所へキャンピングカーを送り出せば、災害地の方の生活はできるのではないかと思います。

小さい頃は動物に、学生時代はバレーボールに、今は読書に夢中

-- 金子議員はどのようなお子さんだったのでしょうか。

金子議員 出身は高山市ですが、父が銀行員で転勤が多く、国内外問わずあちこち移動していた記憶があります。小さい頃に高山市で過ごしたこともありましたが、中学生からは横浜や東京の学校に通っていました。各土地のさまざまな文化にふれることができ、良い経験をすることができました。中学から大学まではバレーボールに打ち込んでいました。

-- ご自身のお子さんとはどのように関わられていますか。

金子議員 財務大臣政務官に就いてから2人の息子と一緒にいる時間がめっきり減ってしまったので、高山から東京に連れてきました。私自身は父親との思い出があまりないので、自分の子どもとは思い出をたくさん作ろうと決めていたにもかかわらず、日々の業務に追われて、同じことをしているなと反省をしています。夏休みは子どもと思い出を作りたいと考えています。

-- 子どもの頃や学生時代は、どのような本を読まれていましたか。

金子議員 動物が大好きなので、子どもの頃はシートン動物記とファーブル昆虫記を破れても何度も補強してもらいながら読み続けていました。姉からは気持ち悪がられていましたが、動物図鑑や昆虫、両生類の図鑑を食い入るように読んでいました。大型犬を長年飼っていて、動物との距離感は子どもの頃に養われたのではないかと感じています。息子たちも犬にふれあってくれて、多分、動物好きになってくれれば良いと思います。

-- 今も読書は続けられているのでしょうか。

金子議員 今は少し思考が変化して、ライフワークとしている住宅政策の本や経済の本を、疲れた時はミステリーを読んでいます。東京駅から新幹線に乗って、名古屋まで1時間40分。1時間ぐらい仕事の本を読んで、残りの40分でミステリーを読んだりとか、または、新幹線の乗車中に難しい本を読んだら、あとの高山線では趣味の本を読んだりとか、鞄の中には常に23冊の本を入れています。読書量は政治家の中でも圧倒的に多い方ではないかと思います。古本屋巡りが大好きで、頭の中で読みたい本が200冊ほどリスト化されているので、読みたい本をすぐに探すこともあります。

自分の生活に影響を与える政治に
もっと興味をもってもらいたい

-- 若い方にメッセージをお願いします。

金子議員 私が考えていることはいくつもありますが、人口問題に特化すれば、どうしたら適齢期を迎えたカップルが子どもを育てたいと思えるか、ということです。出生率が過去最低を更新し、人口が減る状況で1人当たりの経済活動を増やさなければいけない中、女性のみなさんの社会進出が必要不可欠です。そのような中で、働く女性が出産したくなる環境を整えることが必要で、例えば、海外のナニーのような方を利用できるように国として補助を出すとか、休職中の給料の補償を国や県、企業にも協力していただくとか、また、旦那さんの育児休暇の取得率を今の9%ほどから50%まで引き上げるとか、国でしっかり育児環境を整えていきたいと思っています。だからこそ、政治に興味を持っていただき、自分の意見を伝えて欲しいと思います。

-- 若い方との交流の機会はありますか?

金子議員 後援会で地元の皆さんが企画してくださった活動を一緒に取り組んだり、私の国政報告でご意見をいただいています。

これは持論なのですが、若い人や女性を政治に入れるべきだという風潮に私は半分賛成半分反対で。もちろん、現時点で若い方や女性が増えることは必要ですが、人工構造が逆ピラミッドになっているので、若い方や女性ばかりでいい、というわけではありません。人口に即した議員構成にし、世代によって異なる考えをミックスして90点の答えを出すというのも政治だと考えています。

道路の話で例えると、岐阜県を通る中部縦貫自動車道、東海北陸自動車道、東海環状自動車道の4車線化などは東京の方には関係ないかもしれませんが、私たちの地帯が良くなることによって国全体でみるとプラスに働くため、国の税金で整備をしているのです。どんなことでも、バランスが大事だと思います。