INTERVIEW
Leader's Voice

Interview
野田 聖子 衆議院議員
自由民主党
野田議員 岐阜生まれ、岐阜育ちというと、どうしても皆さん内向的になって自ら壁を作ってしまいがちですが、先輩たちは世界で大活躍しています。今までどのような方達が、どのように活躍しているか知る機会があまりなかったのですが、国内外の世界で活躍している岐阜にルーツをもつ人と、岐阜の子どもたちがオンラインで交流できることになりました。
この活動に取り組んでいるのが、一般社団法人 岐阜iネクスト(GiNX)です。ギンクスさんからお話しをいただいた時、私はもう大賛成で、名誉会長を務めさせていただいています。

今、心配しているのは、国民のパスポート取得率がすごく下がっていることです。日本人、とりわけ若い人が若い時に海外へ行く機会が減っています。海外での経験を積まないと、目の前にあることでしか判断ができなくなってしまうので、経済と外交の面からも日本は厳しくなるだろうと感じています。
そのため、海外へ行けなくてもまずはオンラインを活用し、海外で活躍する岐阜出身の先輩方との交流を積極的に進めていきたいと考えています。優先的に岐阜で、このような交流を週1回の授業に取り入れて欲しいとも思います。田舎に生まれて育ったとしても、自信をもって世界で活躍できることを実感できる教育環境をつくっていかなければならないと思います。
同じ岐阜出身の人たちが世界中で活躍している印象が残ると、夢をもてるのではないでしょうか。大人のネットワークも大切ですが、これからはぜひ、岐阜にいる小中高校生と大人がつながって欲しいですね。
岐阜出身の先輩には、素晴らしい方がたくさんいます。私も国会議員になってから優れた方たちとたくさん出会ってきました。海外だけではなく、日本各地で活躍している方もいます。地方制度調査会を務めている総務省自治行政局の局長は岐阜市出身の小川康則さんや、世界的な企業の社長さんと対話ができると、子どもたちの自己肯定感も上がると思います。
野田議員 私たち国会議員は東京と岐阜の二拠点生活で、どちらのいいところも悪いところもコントラストが分かります。気の毒なのは東京並みの子育て支援を地方に押し付けてしまう風潮があることです。今はSNSで情報が広がりやすいので、東京都で子どもに補助が出ていることが分かると、地方でもできると思われてしまいます。東京は国家に近いところがあるので、いろんなことができるのですが、なかなか地方は財政的に苦労されています。
そこで、私は教育制度を地方から国に戻すべきだと考えています。私が一生懸命、弱い子どもたちのために法律を作っても、地方主権のため、それを実行するかどうかの判断は首長さん次第です。福祉を必要とする子どもや弱い子どもたちへの対応は道路を作ることより票にならないので。
例えば、私は医療的ケア児に関する法律を作って施行しましたが、岐阜県で積極的に受けてくれたのが岐阜市と飛騨市です。地方自治体の一般財源の使途は、料理をメニューから選ぶようなもので、医療的ケア児を学校へ通わせるメニューを選んでいただけないと、その地域の医療的ケア児は学校に行けないことになるのです。
子どもの法律を作れば作るほど、実行できる地方とできない地方の差で、子どもたちの学びや育ちに差別ができてしまっていることが今、最も辛いことです。
子どもにはどこにいても同じ教育を受けてもらいたく、障がいがあっても学ぶ権利を行使できる国にしないといけません。だからこそ、教育は国で一律にやれたらいいなと思います。
野田議員 子育て世代の方が首長になると、当事者として考えてくれるので、だいぶ子どものことで動いてくれている感覚はあります。若い方たちがどんどん発言できる議会を作らないといけません。
私は若い人にどんどん自分の好きなようにやりなさいと言っています。今、私も年齢を重ねていますが、幸い、子どもがまだ15歳のため、若い方達と繋がることができています。若い方から子育て支援に対するリクエストがしづらいので、私のような、長老だけれど小さい子どもがいるポジションを最大限使って、子ども家庭庁を創設したり、いろいろな法律をつくったりしています。
年齢の高い方は若い人のバックについて好きにやりなさい、と言えるようになると、随分、変わるのですが。若い人の頭を押さえるだけではダメですよ。
野田議員 私が子ども家庭庁を創設した目的の一つでもありますが、幼児教育の義務化が大事だと考えています。少子化している子どもたちを一日も早く、社会が見守れる体制を整えたいと考えているからです。
また、保育園は働いてないと預けられません。失業して職を得るために動きたい保護者が、子どもを預けられないことになるトンチンカンな制度です。
私が考えた「こども誰でも通園制度」が今年度から始まりました。誰もが保育園に預けられる制度です。それに、児童虐待は幼稚園や保育園などの園に行かせない家庭での発生率が高いといったデータもあります。科学的な検知からも、小学校入学前には必ずどこかの園に行くことで、子どもは家庭だけでは得られない経験や家族以外の人と関わる機会をつくりながら成長することができます。親のためではなく、本人のためです。子育てと教育を親だけに任せきりにせず、みんなで子どもたちの健やかな育ちを支援しようという想いもあります。
また、保育園と幼稚園を卒園した子では、小学校に入る時に知ってる字の数が違う等があります。今ではこども園があるので、だいぶ差がなくなっていますが、それならば、一律で小学校に入学できるように3歳から幼児教育を義務化したらどうか、ということです。
野田議員 多民族国家ではない日本人は感覚がつかめないかもしれませんが、世界はさまざまです。崇めたて祀ったり、差別したり、外国人に対する評価が極端になっていないでしょうか。みんなまぜこぜなんだ、という教育が必要です。
日本が外国人なかりせば成り立たない国家になってることは事実です。国によっていい悪いではなく、外国人も人によってそれぞれ。それに、外国人に来てもらうことが一番の安全保障になります。多くの同胞がいるところに爆弾を落とそうという気にはならないので。そういう意味での平和外交もあるので、海外のことを知らないといけないのです。
だから、これからの若い人には、ぜひ、自らの目で海外を見て欲しいのです。どこでもいいです。いい人もいる、悪い人もいる、いいところもある、悪いところもある、全て体験して、日本がいいな、ということを実感してください。
野田議員 子どもたちには外国を知って欲しいですし、海外へ行ったチャレンジが自信につながるでしょう。だから、無理してでも、どこでもいいからパスポートを持たせて海外へ行って欲しいと思います。
東京都港区の全ての中学校は、修学旅行先がシンガポールだそうです。自治体のお金の差で子どもの質が変わるのは本当に辛い。東京都はお金を子どもに集中的に使うことができるのですが、全国で差が出てしまうのは国として情けないこと。だから、国に任せた方がいいのでは、ということを切実に感じます。
野田議員 子育ては十人十色です。大変とか大変じゃないとか、辛いとか辛くないとか、二分割の話ではなく、いいこともあれば悪いこともある、一人ひとりの物語です。
だから、肩に力を入れることなく、はすに構えることもなく、子どもがいなければいないで人生がある、いたらいたで人生がある。どちらがいいということではないよ、と伝えたいと思います。
息子が生まれてからたくさん法律を作りました。元気な人には不満がないから、課題が見えません。この国を優しくできる法律を、息子が導いてくれたなと感じています。
障がい児を育てるのは物理的に大変です。でも、仕事につなげることができました。障がいがなければないで塾に行かせないといけない、いい学校に行かせないといけない、といったストレスがかかる人もいるので、子育てはそれぞれの心もちだと思います。でも、子育ては悪くはないよ、とは伝えたいですね。
野田議員 毎日、笑いが絶えません(笑)。いやもうなにがって、毎日がおもしろいんです。障がい児は天使と言われますが嘘ですね(笑)。
知的障害だからそれほど字も読めないし、算数もできないのですが、人間として世渡り上手だなと感じます。本能なのでしょうか、空気をつかむのがうまいのですよ。
私も政治家として見習わなきゃいけないなと思うのは、講演旅行などで一緒に行動していると、息子は大人数の人がいる中で、一番難しそうな人のところへ挨拶に行くんですよ。ととととととって。だからそこは見習わなければと思います。
自分がAIを使っていて感じることは、本当にAIが人の仕事を取っていく、ということ。取材の対談や執筆依頼にも対応してくれるでしょうし、頭の良い人ほど仕事がなくなる社会になりそうです。
そうなると、人間は愛嬌ですね。だからこそ、海外を自分の目で確認して欲しい。SNSを通じた外国を鵜呑みにすると、自分の可能性を縮めてしまうだろうと思います。
今の世界情勢でなかなか行きづらいのですが、いろいろな国があるので、お隣の韓国にも行ってみるべきですし、中国も同然行くべきです。同盟国のアメリカ、さらには資源国家である中東、せめて1カ国は知っている国があると、生きていくうえで自分の自信につながると思います。
また、行けば日本のクオリティの高さを理解できます。例えば「農産物は日本が一番だ」とか「日本の高速道路のトイレは世界一だ」とか。当たり前だと思っていますが、海外と比較して日本を知れば、ふるさとのため、国のため、と思えるようになるでしょう。だからこそ、繰り返しになりますが、教育について財政的なことだけであれば、国がもう一回引き取りたいのです。
野田議員 湊かなえさんの小説「暁星」です。少しグロいのですが、安倍さんの暗殺事件とシンクロするような小説で、一気に読めました。
もう1冊、普段は経済や政治の本は読まないのですが、齋藤ジンさんの経済書「世界秩序が変わるとき」がおもしろくて。合理的に今の世の中のことが分かる本です。私の考え方に近く、外交や経済政策を考える時のデータベースにしています。
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