INTERVIEW
Leader's Voice
中心市街地に現代版商店街をつくり、スタートアップしたくなるまちへ
Interview
則竹 晃司 会頭
則竹運輸株式会社 代表取締役
取締役会長
センター 代表理事
代表取締役社長
代表取締役社長
【則竹会頭メッセージ】
美濃加茂市の行事が復活、楽しみが戻った1年
– コロナがあけた1年間の美濃加茂市の様子を教えてください。
則竹会頭 この1年間はコロナの制限がなくなったことにより、しばらく中断してきた行事などが一気に動き出しました。例えば、新春の「みのかもハーフマラソン大会」、夏の花火の打ち上げや秋に姫道中を行う「おん祭 MINOKAMO」、市内の商工業者や農業者などが集まり、野菜や果物、特産品や飲食を楽しむ「みのかも市民まつり」などをコロナ前の内容に戻して開催したところ「やっぱり人が集まるのは楽しいね」と、みなさんに大変、喜んでいただきました。1つ、昨年に開催できなかった盆踊り大会については開催の要望が大きいため、今年は安全な場所を用意して、美濃加茂市制70周年と絡めた開催をしたいと思います。
– 復活したイベントの様子からも、市民の皆さんの熱意や結束力があるように見えますが、いかがでしょうか。
則竹会頭 自分のまちに期待できる雰囲気をつくることも商工会議所の役割だと思っています。行事は地域活性化に繋がる部分でもあるので、みなさんの楽しみが増えるよう、行政と一緒に進めていきたいですね。また、経済が動き出したことで、いろんな課題が出ています。商工会議所では、既存事業への取り組みはもちろん、人手不足やインボイス制度の対応、電子帳簿の付け方、デジタル化への対応などをフォローをし、企業を応援していきます。
美濃太田駅前の商店街に、現代版コンパクトシティを
– 会頭の現在のオフタイム時の過ごし方についてお聞かせください。
則竹会頭 最近のテーマはもっぱら健康です。ゴルフは飛距離を伸ばすことよりも、無事にゴルフ場へ行って、ケガなく帰ってくることを大切にしています。あとは、忘れ物気をつけることと、インナーマッスルを鍛えるようにしていることが生活の中心になっています。 また、人と人との繋がりを大切にしようと思い、積極的に昔の友達に会っています。若い頃は長年、東京にいましたので、東京に昔の友達が多くいます。大学時代の友達と40年ぶりぐらい会ってちょっと飲もうかとか、以前の会社でイギリス駐在していた頃に知り合った仲間や高校時代の友達にも会っています。億劫がらずに、しばらくご無沙汰だった人たちと会うことは貴重なことですし、楽しいですね。同世代ならではの共通話題もあり、東京で活躍している友達の話はやっぱりおもしろいです。いろんな視点から物事を考えることができ、とても刺激になります。
– 人と人とのコミュニティを大切にされているのでしょうか。
則竹会頭 地元で自治会活動に積極的に参加していると、地方の自治会活動が崩壊してきているのではないかと感じます。かつては自治会活動で草取りや側溝掃除などできれいなまちを保っていましたが、最近は地域清掃ができていない気がしており、自治会活動の減少も大きな将来課題になるのではないかと懸念しています。中心市街地で若者に参加してもらいたくても、若者が少ないのが現状です。私が子どもの頃はこの辺り(美濃太田駅南口周辺)に小学生が100人ほど住んでいましたが、今は1人。昔は商店街に住めば衣食住が揃う環境が整っていました。家と職場の距離が近いのです。私は家を出て5分で職場に到着できるので、東京と美濃加茂では生活のゆとりが全く違うことを実感していてます。今、コンパクトシティと言われますが、それを実現できるのが美濃加茂市のアピールポイント。現代に合わせた商店街を復活させたいと思っています。
– 会頭の地域に対する想いをお聞かせください。
則竹会頭 日本全体に言えることですが、この先、人口減少や高齢化に加え、中小企業の減少も課題となります。美濃加茂市も地元の働き手や後継者不足を非常に懸念しています。解決するために、美濃加茂市自体が魅力を取り戻さないといけません。経済界と行政が一緒になり、20年、30年、50年先の明確なビジョンを決め、運営方法を考えたまちづくりが必要だと思います。その1つの象徴的な事業が美濃太田駅南口の再開発だと考えています。長年、話し合い、研究されてきましたので、今こそ実行に移すタイミングではないでしょうか。商工会議所からも要望をどんどん発信して、能動的に動いていきたいと思います。
– 具体的な駅前再開発のイメージはありますでしょうか。
則竹会頭 商店街の目の前に美濃太田駅があるため、公共交通が便利に利用できる、とてもポテンシャルが高い場所だと思います。もし、駅から歩いて2、3分の場所にマンションがあれば、美濃太田駅を利用して名古屋で働くこともできます。ただ、それでは美濃加茂市が活性化しないので、近場で働いてもえらえるような工夫が必要になります。駅から10分ほど歩けば木曽川の自然もあります。究極のコンパクトシティではないですが、ここに全てを集約してしまうのも僕はおもしろいと思っています。 海外のまちが魅力的なのは、まち全体のデザインができてるからです。ヨーロッパでは、道路を先に作って、計画的がまちづくりがされてきました。中心市街地には美濃太田駅から木曽川に向かってまっすぐ伸びる道があり、その両側に商店街が続いています。ここに、ビジネスを始めたくなる魅力的な施設を建てれば、なかなかおもしろいまちになりそうです。
– “魅力的な施設”の具体的なイメージがあれば教えてください。
則竹会頭 少人数でもスタートアップしやすいシェアオフィスで、見た目は気持ちが高められる格好良いデザインが良いですね。同じ建物内にブティックや小さな飲食店を並べて、まさに昔の商店街のようにするとか。オフィスは気軽に拡張できる仕組みになっているとビジネスを大きくすることもできます。オフィスがガラス張りになっていれば、ミーティングやお客さんとの打ち合わせ風景を道路側から見ることができ、働いている姿が見えて活気ある雰囲気をつくることができます。見られている方も緊張感をもって動くことができます。 商工会議所では、スタートアップ企業の支援に力を入れています。先日、東美濃エリアの商工会議所と商工会が東濃信用金庫さんと包括提携をしました。信金さんがもっているノウハウとワイドエリアの情報で、創業希望者をマッチングさせていきます。
能力や経験など、自信をもって言える強みをもって欲しい
– 美濃加茂市でのスタートアップや中心市街地への居住に期待を込めて、若い方達へメッセージをいただけないでしょうか。
則竹会頭 僕もまだ若者だと思っているので(笑)自分にも言い聞かせますが、まずは足元をしっかり踏んで実績を積むことが大切です。自分の経験から言っても、経験することが何ごとにも代え難いものだと思っています。経験は人を育てるのです。お説教じみたことを言うと「苦労しろ」です。今、成功している名だたる方たちも、ベースにあるのはいろいろな苦労をしてきた結果なのです。今は苦労することが悪のように感じられていますが、苦労がないと企業経営はできないと思っています。どんなことでもいいから、経験を積むことが絶対に必要だと思います。
そして、今、ジョブ型と言われるように、個人の力量が問われています。何か特技や専門性など、自分の強みを言えると良いでしょう。今でも覚えていますが、私は大学を出て就職活動をしている時に、面接で「君は何ができるの?」と聞かれたことがあります。私は商学部だったのですが、胸を張って堂々と言えるものがなかったので「今は何ができるとは言えませんが、ポテンシャルの男です」と答えたことがあります(笑)。自分の売りとなる強みがないといけませんね。大企業であろうと、中小企業であろうと、能力や経験のセールスポイントはどこでも必要です。
■美濃加茂商工会議所
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