INTERVIEW
Leader's Voice

Interview
則竹 晃司 会頭
則竹運輸株式会社 代表取締役




則竹会頭 今年のテーマは行政と商工会議所の「官民連携」です。行政の産業振興と商工会議所が一体となる仕組みをつくり、日々、コミュニケーションをとりましょう、決定事項はスピード感をもって取り組みましょうと、2025年秋に提言書を藤井市長に提出しました。
今まで政策提言をしてもなかなか進めることができませんでしたが、中小企業の数がどんどん減っている現状がありますから、日々、話し合って進めていきましょうとお伝えしました。市長に同意していただき、さっそく、市役所の職員さんが商工会議所まで出向いていただくこと決まりました。
美濃加茂市の市庁舎は移転が予定されていますので、これをきっかけに、商工会議所と行政の産業振興を担う部署が、同じ場所で仕事をするアイデアがあります。商工会議所は地元事業者の情報や経済の動きを把握している経済の専門団体ですから、行政とは別の知識や情報をもっています。反対に、市の政策に関することは行政が役割を担っています。同じ場所で仕事をすることで、お互いの特徴をいかして素早く実行できるのではないでしょうか。行政と商工会議所が一緒に活動することでコスト削減にもなります。

則竹会頭 高いと思います。特に川辺町や白川町など、美濃加茂周辺地域からの期待が高まっています。市庁舎移転と同時に再開発の話も動いているので、官民連携も含め、一気に取り組んでいくのが良いのではないでしょうか。
再開発をすることで駅前にマンションができて、歩ける範囲の身近な場所で生活が完結できるようになるかもしれません。先の話にはなりますが、人口減少していくのであれば、暮らしに必要なものを街中に集約して、さらに便利にしていくこともできます。

美濃太田駅前商店街
則竹会頭 商工会議所の会員事業者さんの平均年齢が60歳を超えていますので、後継者がいらっしゃらない場合、一気に事業所も減ります。だからこそ、「美濃加茂がいい」と選ばれるまちになる必要があります。「ここで事業をしたい」「ここに住みたい」と思ってもらえるまちを作っていかないと、生き残れません。
例えば、資金面だけではなく、創業しやすい場所の提供をして、新たな事業にトライしたい方を美濃加茂へ誘致し「すぐ事業を起こせる環境」を再開発に取り入れる、インキュベーション施設があってもいいですよね。美濃加茂が目指すまちをはっきりと伝えることが大切です。駅前の再開発が、将来的な美濃加茂市全体の発展につながると思います。
則竹会頭 司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読みました。明治時代の日曜戦争の話ですが、今も世界で戦争をしていますし、昔も今も変わらないなと感じました。この頃の日本は欧米に対しての考え方がはっきりとしていましたね。当時の日本人の精神やものの考え方は必要なのかもしれないなと感じながら、読んでいました。
経営の教科書とされている「失敗の本質」も戦争の話で、戦争は肯定しませんが、戦争中のできごとは今の経済に通じるところがあるかもしれないと感じました。当時の人は世界を相手に、胸を張って立派に行動していたと思います。
私がかつて、仕事でシンガポールに住んでいた頃、散歩途中に、シンガポール建国の父と言われるリー・クアンユー元首相とバッタリお会いしたことがあります。その時、元首相から「観光で来ているのか?」と話しかけられ、「仕事できている」と答えると、「シンガポールはどう?」と聞かれたので「素晴らしい、東京より進んでいるかもしれない」と伝えました。
そうすると「日本は素晴らしい。見習うべきところがいっぱいあった。日本はアジア人としてイギリスと戦い、この地を奪い返した。日本人はすごい。尊敬している」と言われました。おそらく、戦時中日本人は強い精神をもって、堂々としていたのでしょう。過去形で話されていたことが気になりましたが、「坂の上の雲」を読んでシンガポールでのできごとを思い出しました。会社も同じで、人を動かす指示がしっかりしていれば、うまく会社が動くということを感じました。
若い頃に読んだ本を今、読み返すと違う解釈ができて、印象はだいぶ変わりますね。本はおもしろいですね。
則竹会頭 僕らの学生時代はバブル全盛期だったので、遊んでばかりいました(笑)。仕事が終わってから遊んで、帰ろうと思ってもタクシーがつかまらないので、オールナイトで時間をつぶして、そのまま会社に行ったこともありました。「24時間働けますか」の時代でしたから。
ただ、みんな遊びはするけれど、猛烈に働いて仕事も絶好調で、日本に勢いがありました。株価も、地価評価額も世界の上位は日本企業ばかりでしたし、アメリカの資産も購入していた時代です。ちゃんと遊ぶし、仕事もしっかりやる。それが良いのか悪いのかは言えませんが、私としては、そのような時代を経験して良かったと思っています。変化のある時代を乗り切ってきた、というのはおもしろい人生だと感じています。
則竹会頭 イタリアでの経験ですが、道を教えた女性からお礼に飲み物を奢りますと言われてついていったお店で、高額な金額を請求されました。本当はもっと請求されるところでしたが、見るにみかねて、その女性が店から出してくれたのですが、失敗ですよね。人間の幅が広がりますよね(笑)。そう解釈しないとやっていけないですよ。
多民族の中で生活することが当たり前の海外では、日本で目にしない光景がたくさんあります。子どもは甘やかさず大人扱い、子どもも親を頼らない。みんなたくましく生きています。個々の能力が求められていて、すぐ仕事を辞めさせられてしまうプレッシャーの中で、生活をしています。実際、海外企業の1万人解雇というニュースも聞きますから、厳しいですよね。だからこそ、海外にも目を向けて、世界の様子を体験して欲しいと思います。
今、海外留学をされる学生が減っていると聞きますが、日本の教育制度もどんどん変えて、日本人の学生が1、2年休学して海外を経験できる仕組みをつくるぐらいのことをしなければ、海外とのギャップは埋まらないでしょう。
則竹会頭 新卒で入った商社で、私は海外で仕事をしたかったのですが、最初は地方のガソリンスタンドに配属されました。まったくイメージしていなかった職場でしたが、一生懸命、飛び込み営業やいろいろなことをしながら毎年、海外勤務への希望は出していたのです。やっと5年目くらいに希望が通りました。10年、20年経った後、あの時のガソリンスタンドでの仕事で得た経験や精神力が役に立っていると思えました。
則竹会頭 若さという特権をいかして、いろいろチャレンジして欲しいと思います。チャレンジもぜひ、我慢強く。どんな経験も大事で、自分にとって楽しい経験も、辛い経験も全て経験してください。今はどちらかというと、辛いことを敬遠してしまう傾向がありますが、私自身はいろいろな不満、制約、人付き合いなどの辛い経験の方が今の仕事や人生に役立っています。
自分に合ったものばかり求めると、周りが悪いと思いがちです。そうではなく、いろいろな環境の中でどう生き抜いていくかを経験しておかないと、年齢を重ねながらさまざまな方を相手にする時に、どう接すれば良いのかわからなくなってしまうのではないでしょうか。
私が今、何か判断する必要に迫られた時に役立っているのは、自分の過去の経験です。私は何十年ものサラリーマン生活の中で、海外での駐在生活やバブル景気の経験もしてきました。今振り返ると「ああ、いろいろやってきたなー」と思いますよ。
もう一つ、お金がなくてもどんどん海外へ出て活躍すべきだと伝えたいですね。私が若い頃はみんな、海外へ行きたい!という思いだけで飛び出していきました。ですが、言葉は通じないし、不便だし、仕組みが日本と全然違うし、ぼーっとしていたら危険な目に遭いそうになりますし。ただ、そういう経験の方がおもしろいと思います。とにかく行ってしまえば、いろいろ経験せざるを得なくなりますから。
商工会議所の会員事業者のみなさんも人手不足で悩まれているので、美濃加茂の良さをアピールしてなんとか地元で就職して欲しいと思っていますので、難しい点ではありますが、海外でたくさんの経験を得て、美濃加茂に帰ってきていただければ嬉しいです。
経験しなくても、将来、AIが答えてくれるからいいと思われるかもしれませんが、AIがどのような存在になるのかも分かりませんし、経験をしていないと、そのAIの判断も正しいのか、そうでないのか見分けがつかなくなります。もし、AIが学習していない新しいなにかが出てきた時、経験があれば応用ができます。そのためにも、辛抱強くチャレンジして欲しいと思います。
■美濃加茂商工会議所
〒505-0042 岐阜県美濃加茂市太田本町1-1-20
TEL. 0574-24-0123
FAX.0574-24-0120
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