INTERVIEW
Leader's Voice

Interview
岡田 立 町長
岡田町長 当町は面積的にもコンパクトなまちで、大企業に進出していただいて、これまで発展してきました。それに追従して豊かな財政をもとにインフラを一生懸命整備してきて、ここまで発展してきたと私は思っています。その一方で、文化や芸能などを楽しむ習慣が少し薄いと感じていました。加えて、昔から輪中地帯の中で暮らしてきましたから、水との戦いもあって、歴史的遺産や景勝地もほぼありません。ですから観光産業や文化については、半ばあきらめていたのが正直なところです。町長になってから、「観光はどうしますか?」と聞かれることがありますが、これまでは、そこにスポットを当てる気がなかったのも正直な気持ちです。

ただ、平成15年頃には、「ハートピア安八」という文化施設ができました。図書館、児童館、歴史民俗資料館などがある複合施設ですが、図書館は県内で常に上位3位にランクインする利用率を誇ります。星見会や歴史民俗資料館で企画展を開催すると、多くの人が訪れます。そういう状況を見ると、町民の心のステージも少しずつ切り替わっていると感じています。

ハートピア安八
当町には、ロームカウチさんという世界的に有名なアーティストが在住していて、10数年前から町内のいろいろな施設に絵を描いてくれています。これは素晴らしい資産だと思います。数えてみると、近隣市町も合わせて約20作品あります。そうした背景もあり、先進事例の調査ということで、徳島県神山町に勉強にも行きました。昨年は合併70周年でもありましたので、アートに関連したイベントを企画することにしました。
岡田町長 具体的な取り組みとしては、昨年は作品を3つ新たに増やしてもらいました。その制作過程では、町内の子どもたちにも参加してもらいました。ロームカウチさんの作品は、認知度もどんどん高まっていて、民間企業から「うちにも描いてください」という依頼も増えているようで広がりを見せています。その結果、多くの作品が町内に点在していますので、それを線で結んで観光ルートのような形にしようという取り組みを進めていました。ただ、すでにバイカーやサイクリストの間では人気になっていて、聖地巡礼のような形で、作品の前で写真を撮って発信されています。ただバイカーやサイクリストの皆さんに話を聞くと、「この作品が見つからない」という声を聞きます。ロームカウチさん自身も見つけにくい場所に描くことが好きなようで、ある種、宝探しのような楽しさもあるのかもしれませんが、当町として、作品名がわかるルート図のようなものつくっている段階です。
ウォールアートが楽しめる大阪市も視察に行ってきたのですが、そうした事例をヒントに、アートを楽しみながら、歩くことで健康になるというようなまちづくりができないかと考えているところです。

ロームカウチさんの作品

子どもたちの作品参加風景
岡田町長 はい。すぐに結果が出るものではないと思っています。少しずつ時間をかけながら、方向性も模索して、時には微調整しながら進めていきたいと思います。当町に滞留する時間が増えれば、店舗が新しくできたりという相乗効果も期待できるのではないかと考えています。ロームカウチさんが住んでいてくれるから進めることができる事業なので、アートに特化したまちづくりに力を入れていきたいと思います。
岡田町長 とても楽しくやっていました。星を描くのは、子どもたちが担当したのですが、「私が描いた星はこれだよ」と言って親御さんに話した子もいたようで、参加意識にもつながっていますし、非常に良い機会になったと思います。
岡田町長 はい。いろいろな芸術にふれてもらいたいうという思いで、様々な事業を実施しました。最近は、鯉のぼりを掲揚する家庭も減り、目にする機会が減りました。日本の伝統文化の良さを感じてもらいたいと考えて、鯉のぼりを掲揚しました。また、イタリアのアンサンブル・クラシカル・トリオを招いて、多くの人に音楽に親しんでもらいました。年末には 町民200人に参加してもらい、第九を歌う「あんぱち音楽祭」も開催しました。会場には入りきれないぐらいの方に集まっていただき、盛大に行われました。「来年もぜひやってください」という声も聞かれるほどで、芸術文化が町民に少しずつ浸透していっていると思います。

こいのぼりの掲揚
岡田町長 絵本作家である五味太郎さんに関連した事業や、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さん演出のお化け屋敷を開催しようなど様々な企画をしながら、子どもたちにいろいろな経験をさせてあげたいと思っています。
岡田町長 令和6年から第六次総合計画が始まっていて、それに先立って町民に要望調査をしたところ、子育て世代の皆さんから「公園をもっと充実してほしい」という声が多く寄せられました。かつて勤労青少年ホームとして運用していたときは稼働率が低かったことから、令和4年にコワーキングスペースを併設した「むすぶテラス」としてリニューアルオープンしました。それ以降、多くの人が集まるようになりました。併設して公園などがあったのですが、こちらも老朽化して利用者が少なくなっていましたので、さらに人が集まるものにしようということで、昨年度から来年度まで3年かけて再整備します。これまで野球場と公園、空き地だったところを3x3バスケットボールコート、テニスコート、人工芝のサッカー場、多目的公園に切り替えて、多くの方が集える場所にしたいと考えています。

MUSUBUテラス
岡田町長 当町もコロナ禍以降、出生数が減少しています。それによって、保育園、こども園の数が過剰とまではいきませんが、統合できる状況でした。こども園が三つ、小学校が3校、中学校が2校ありましたが、ふたばこども園の子どもの数が将来的に減っていくことが予測できました。地理的状況から、ふたばこども園に通う園児は、結小学校と名森小学校へ進む児童が多いという特色がありました。昨今は、保育園、こども園から小学校へ上がるタイミング、あるいは小学校から中学校へ上がるタイミングはメンタル面に大きく影響して、不登校につながるケースがあります。人間関係で悩んだり、コミュニティの構築が難しいと感じる子どもが増える中で、ふたばこども園を廃止しました ただ、ふたばこども園はアクセスに優れていますので、4月から子育て支援拠点の場として「安八町子育て支援センター」「こども誰でも支援施設」「一時預かり事業」「あすなろの園」の四つの事業を集約した子育て支援施設「よつばの森」としてスタートしました。
岡田町長 多様化が進む社会の中で、こうした施設を利用される子育て世代の方は非常に多いです。課題は保育士不足です。1人の保育士で6人の子どもを見ることができますが、突然来た子が、どういう性格で、どういうことを考えるかはすぐにはわかりません。そのため制限をかけていることもあって、いただいた申し込みをすべて受け付けることができない状況です。
岡田町長 現在、当町のホームページを開いて、それから子育て支援のページに移動して、補助制度のページに移動して、というように目的の情報へたどり着くまでに時間がかかっています。中にはうまくたどり着けない方もいたと思います。せっかく安心して子育てしている環境を整えていても、それが伝わらない仕組みは課題の一つでした。そうした状況の中で、もっと直接的に、目的とする情報にたどり着けるようなシステムの構築を目指して取り組んでいるところです。
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