揖斐川町役場
〒501-0692 岐阜県揖斐郡揖斐川町三輪133番地
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岡部 栄一 町長
利用者から好評の声が続々
移動販売事業がスタート
年間利用者は延べ1万人以上
―― 揖斐川町移動販売事業の概要について教えてください。
岡部町長 これは全国的な現象ですが、山間地域で人口減少している地域は、昔は商店があったわけですが、人口が少なくなって商売として成り立たなくなって、お店を閉めていきました。一方で高齢化が進んで、免許返納などで買い物の足といいますか、交通手段が限られてきています。コミュニティバスは運行していますが、1時間に何本も運行しているという状況にはありません。平野部に買い物に来るわけですが、1時間に1本のコミュニティバスでは買い物に来るだけでも半日がかりになってしまいます。日常の食料品などの買い物が難しい、買い物弱者が増えています。そうした背景の中で、地域住民が安心して暮らしを続けられる環境の充実を図るために2月から移動販売事業の実施をスタートしました。
―― 実施してみて、町民からはどのような声が寄せられていますか?
岡部町長 おかげさまで大変ご好評をいただいています。曜日を決めて各地区を回っているのですが、各地区50人ほどの利用があり、7万円ほどの売り上げがあります。日曜日と火曜日は定休日で、月に20日ほど運行しているので、延べにすると月に1,000人ほどの利用になり、年間にすると1万数千人の方が利用することになります。開始早々たくさんの方にご利用いただいてありがたいことですが、裏を返せば、それだけの方々が日常の買い物に不便を感じていたということで、住民の皆さんからも「ありがたい」という言葉をいただいています。
―― それだけ需要があったということですね。
岡部町長 はい。特に高齢化が激しく、商店がない山間地域で重点的に実施したわけですが、平野部の旧揖斐川地域からも事業展開ができないかという要望が出ています。スーパーや商店はあるわけですが、近隣の方はいいのですが、やはり山間地域と変わらない不便さを感じている方も相当数いますので、もう1台増車するかどうか検討に入っているところです。また、コロナ禍ということもあって、外に出る機会が減っているわけですが、移動販売へ買い物に来た時に「1週間ぶりだね」「元気だった?」などと声を掛け合うことで交流の場にもなっていて、副次的な効果も出ています。あるいは「毎週来ているけれど、今日は見ないなあ。どこか具合が悪いのかな」といった具合に見守り活動的な役割にもつながっています。
学ぶ力を地域で支援
―― 続きまして、地域学習支援事業について教えてください。
岡部町長 これも私が町議会議員だった時代から要望していた事業なのですが、5年ほど前に文部科学省が地域未来塾事業をスタートさせました。1つには経済的な理由や家庭の事情などにより塾に行けない子どもがいます。また山間地に住んでいて経済的な事情はないけれど、子どもを通わせることができない家庭もあります。そこで、指導やサポートしてくれる体制を整えようということで、まずは実証実験的に、夏休みに教員のOBや教育学部の学生にお願いして、それぞれの子どもが課題を持ち寄って、わからないことがあれば解決のサポートをするといった形での学習支援をしていきたいと考えています。
―― 場所はどこになるのですか?
岡部町長 まずは各中学校でスタートする予定ですが、住民からの要望が多ければ、小学校区ごとで展開することも考えていく必要があります。また大変ありがたいことに、この事業については㈱イノアック住環境揖斐川事業所から企業版ふるさと納税制度を活用して寄付をいただきました。今後、夏休みに入って、実際にどれだけの参加があるかわかりませんが、一定のニーズはあると思っています。企業からも評価をいただける事業だということで、今後も力を入れていきたいと考えています。
竹明かりで参道が幻想的な雰囲気に
今後も日本遺産を積極的に活用
―― 話題は観光振興に変わりますが、3月下旬から4月にかけて「竹のぬくもりイルミネーション」が行われました。どのような事業でしたか?
岡部町長 これは大変ご好評をいただきました。「谷汲山華厳寺」の参道に、細工を施した竹にLEDが灯って非常に幻想的な風景を作り出しました。インスタ映えするということで若い方に多く来ていただき、SNSでもたくさん取り上げていただきましたし、夕方のニュース番組の中で生中継していただきました。また結婚式の際に前撮りをするわけですが、前撮りの場所として使いたいというお申し出もいただきました。地元の方からも、「夜お参りがあるのは大晦日以来だ」という声が寄せられ、いつも以上に若い方々で賑わいました。LEDを使ったイベントというとクリスマスが多いわけですが、今回の事業は、これまでにない光を使った事業ということで、高山市観光協会や垂井町観光協会などからも問い合わせをいただきました。ほかの市町から問い合わせいただけるような先進的な取り組みができたのはよかったと考えています。「来年もぜひやってほしい」という声も数多く寄せられていますので、継続して実施できればと考えています。
―― 谷汲山華厳寺は「1300年つづく⽇本の終活の旅~⻄国三⼗三所観⾳巡礼~」として日本遺産に認定されているわけですが、認定を受けて以来、観光客は伸びていますか?
岡部町長 実はそこが問題でした。コロナ禍もあって、人と人との交流が減少、あるいは制限されたこともあって十分なPR活動ができていませんでした。せっかくの日本遺産が十分活用できていないという側面もありましたが、今回の「竹のぬくもりイルミネーション」では、これまでにない若い方々の誘客ができました。また、1月から2月にかけては「鬼ドキ!謎とき!ウキウキウォーク!」というイベントも開催されました。このイベントには多くのお子さんが参加されました。「谷汲山にこれだけ多くの子どもが来るのは遠足か社会見学以来だね」という声が聞かれました。こうした試みが町主導ではなく、地元NPOや岐阜大学の学生の協力によってできたこともよかった点だと思います。
―― これを機会に日本遺産を活用した観光振興はどんどん進みそうですね。
岡部町長 はい。谷汲山華厳寺は単体として日本遺産に認定されているわけではありません。33か所の巡礼霊場の一つであり、中には日本遺産と言わなくても広く知られた京都府の清水寺なども入っています。谷汲山華厳寺は満願霊場ということで最後のお寺なのですが、日本遺産というネームバリューにあぐらをかいていては埋没してしまいます。新しい魅力づくりには今後も積極的にチャレンジしていく必要があると考えています。
―― 最後になりますが、揖斐川町の新しい特産品として「ぎふコーラ」が話題になっていますね。
岡部町長 揖斐川町地域おこし協力隊として活動してくれている若い方が中心になって開発してくれました。薬草については、これまでも入浴剤や煎じて飲むという、ストレートな使い方だったのですが、若い方の新しい感性でクラフトコーラとして製品化してくれました。ただ、自生する薬草を収穫する方々も高齢化とともに減少していますので、原材料を安定的に確保するのが難しく出荷数も限られています。今後はいかに安定的に原材料を確保して、生産・販売につなげていくかが課題になると思います。町内にもともとあった資源を新しい視点で商品開発につなげたわけですから、ぜひ大きく育ててほしいと思います。
揖斐川町の情報
面積:803.68km2
人口:19,574人(令和4年12月1日)
町の木:けやき
町の花:はなもも
名所・旧跡・観光
いびがわマラソン
揖斐祭り
谷汲山華厳寺
両界山横蔵寺
谷汲踊り
さざれ石公園
徳山ダム
藤橋城(西美濃プラネタリウム)
伊吹山
夜叉ヶ池
夜叉龍神社
揖斐峡
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