INTERVIEW
Leader's Voice

Interview
柳原 幸一 筆頭代表幹事
株式会社鵜飼 取締役会長
柳原筆頭代表幹事 9月に記念式典を開催しまして、会員をはじめ来賓の方々、たくさんの方にお越しいただき、思い出に残るメモリーな年になりました。江崎岐阜県知事、柴橋岐阜市長、村瀬岐阜県商工会議所連合会会長をはじめ、来賓の皆様からご挨拶を賜り、感謝しております。武藤容治経済産業大臣(当時)からはビデオメッセージにて、かつて岐阜県経済同友会に入会されていたことや、経済同友会の重要な活動となる提言活動に関するとても素敵なコメントをいただきました。
記念講演会は、デロイトトーマツグループ執行役、デロイトトーマツインスティテュート(DTI)代表の松江英夫さんに行っていただき、また、40年前に会員になられてから今も現役で活躍していらっしゃる方を表彰させていただき、節目の年を祝うことができました。式典の参加者は260人ほど。皆様に「いい会だったね」と言っていただけまして、本当に良かったなと感じています。


設立40周年記念式典

設立40周年記念式典
柳原筆頭代表幹事 著名な方からのお話を聞く会員例会を毎月行い、会員の皆様の知識にプラスになればという想いで開催しています。経済や経営のお話はもちろん、アスリートなど多彩な講師をお呼びして、今の時代に即した講演をしていただいています。さらに、2ヶ月に1回、会員例会の前に円卓を用意して交流会を開いています。なぜ円卓かというと、同じテーブルの人同士で名刺交換や会話がしやすいからです。自然と会話が弾み、異業種間のつながりのきっかけにしていただいています。
40周年ということもあり、会員数が前年から50名近く増え、400名以上になりました。こうした円卓の交流会では、新しく入られた方にも、とても馴染みやすい雰囲気ではないかと思っています。
また、毎年、2つの提言委員会を立ち上げており、2024年は「ジェンダーギャップを考える委員会」の委員長に株式会社プラドの森田順子さん、2025年は「教育のあり方を考える委員会」の委員長に株式会社ソフィア総合研究所の村瀬尚子さんというように、女性に活躍していただきたく、取り組んでいます。
柳原筆頭代表幹事 「ぎふ立志リーダー養成塾」は中学生を対象に、夏休みの期間を利用して4日間のリーダー養成プログラムを行う岐阜県の事業です。毎回、岐阜県経済同友会の筆頭代表幹事が塾長を務め、目指すべきリーダーの姿について講義を行っています。参加者の多くが生徒会長を務めている生徒さんで、今回は参加者24名のうち、16名が女性でした。昨年の提言活動の一つ「ジェンダーギャップを考える委員会」を立ち上げたことにも通じますが、将来、多くの女性がリーダーとなって活躍して欲しいと思います。女性総理が誕生したことが起爆剤になって、ますます女性が活躍しやすい社会になるといいなと感じます。
柳原筆頭代表幹事 若い方にはぜひ、失敗を繰り返して欲しいと思います。いろいろ失敗して、何でだろうと悩むことに成長があるんだ、ということを感じてもらいたいですね。だから私は「”失敗”と書いて”成長”と読む」と伝えました。今の若い方は失敗したくないという思いや、失敗という概念もない方がいるためか、最初はピンときていない様子でしたが、最後は失敗することが大事なんだということを感じてもらえたと思っています。
10年ほど前に「ぎふ立志リーダー養成塾」に参加した中学生が立派に成長して、活躍している姿も知っています。長くコツコツ続けてきた成果が出ているのではないでしょうか。

ぎふ立志リーダー養成塾

ぎふ立志リーダー養成塾
柳原筆頭代表幹事 本を読みながら、音楽を流しながら、テレビをつけていく、というのが私の至福タイムです。人に話すと「3つ同時にできるのかね?!」と言われますが、テレビは相撲とかゴルフとか、ふっと見ても差し支えない番組を流していますし、本の内容と音楽がマッチすると、本を読むスピードはどんどん早くなるし、記憶に残るんですよ。例えば、推理小説系なら、モーツァルトやシューベルトですね。ワーグナーやブラームスをかけるとちっとも進みません。私の知り合いの医師は右脳と左脳を同時に使うのは理にかなっていると言っていて、リラックスするのにも良いそうです。
柳原筆頭代表幹事 当社の3階に「鵜飼文庫」と名付けた部屋があります。私立図書館のような形で、私が読んだ本を全て会社に寄贈していて、現在、5千冊ほどの蔵書があります。ほかにも、リクエストがあったら入れるようにしています。社員にはとにかく「字」に関わって欲しいと思い、部屋で読書をしたり、貸し出しができるようにしています。
部屋にはソファとステレオを置いて音楽を聴くことができるようになっていまして、毎週水曜日、お昼12時15分から45分までの30分間、音楽を流しながら私が音楽の解説をしたり、自由に時間を過ごしてもらったりできる時間を設けています。昼食後ということもあって、ほとんどの社員は寝ています(笑)。全然、それでいいんです。昼寝のようにして、午後の仕事の英気を養ってくれればと思っていますから。毎週のように来てくれる社員や、外部の方にもお越しいただき、交流の場にもなっています。

株式会社鵜飼内にある鵜飼文庫の部屋
柳原筆頭代表幹事 ジャンルはさまざまです。妻が読んだ、ファンタジー系や後宮小説も読んでいます。「薬屋のひとりごと」や「十二国記」といったアニメ化された原作本もあります。本を読むことに慣れていると、会話の間に書かれている解説や状況など行間を読むことができるので、私は映像よりも文字を読む方が内容は入ってきやすいですね。私が好きな、医師が書かれた医療小説や警察・刑事ものもあるので、幅広いジャンルが揃っています。

読書やくつろぐことができる「鵜飼文庫」
柳原筆頭代表幹事 おもしろいと感じたのは「患者と目を合わせない医者たち」という新書です。最近はコンピューターの画面ばかりを見て、患者さんを見ない医師がいるそうで、私たちの世代とは違う医療現場を知ることができました。反対に、患者さんの話を時間をかけて聞く、ドラマにもなった総合診療科に関する話を聞くと、涙が出ます。
私は穏やかな死を迎えるために、穏やかに生きなければと思っているのですが、それが「エピクロスの処方箋」と「スピノザの診察室」に書かれています。「神様のカルテ」を書かれた夏川草介さんの最新版です。泣きながら読みました。「訪問診療や在宅医療をしてもらって、最期は自宅がいいね。」とか、「ガンと診断されれば余命が分かるし、痛みは薬で取れるから、意識をちゃんともってありがとうねと伝えてから最期を迎えられるね。」と、妻と話しました。
「延命治療はしないでね。」と家族会議で話し合っておいて、「良かったね、いい人生だったよ、ありがとうね。」と挨拶をしてから、穏やかに息を引き取りたいなと考えさせられた本です。
柳原筆頭代表幹事 先ほどの「”失敗”と書いて”成功”と読む」です。いろいろ失敗をて、何でだろうと悩んで成長して欲しいと思います。そして、私のモットーは「明るく、楽しく、元気よく生きようよ」ということと「信じてぶれずに最後まで」ということです。今日一日良かったなと思って、すっと眠るというのが一番良いのです。若い方には失敗しながらも、自分で納得するところまでがんばってやることが大切だよ、と伝えたいと思います。
■一般社団法人 岐阜県経済同友会のホームページはこちら
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