「政治は奉仕の精神」が家訓
今後の日本・地域のために、若者の生の声を聞きたい

衆議院議員
武藤 容治 さん

相手の話を聞くこと、地域の声を聞くことを大切にした政治

--  政界へ入るまではどのような青年でしたでしょうか。

武藤議員 私は岐阜市生まれですが、3歳から東京で暮らしていました。曽祖父 武藤嘉門は、戦前に衆議院議員を、また選挙で選ぶ戦後初の岐阜県知事を77歳から312年務め、祖父も父も衆議院議員でしたが、私は次男で実家が商売をやっていましたので、政界をめざすつもりはありませんでした。大学卒業後は写真が好きだったこともあり、32歳まで富士フイルムに勤めました。

--  富士フイルムではどのようなお仕事をされていましたか。

武藤議員 私の配属はマイクロフイルムを扱う部署でした。当時はニッチなジャンルで、全社の売り上げのうち数パーセントしかないような商品だったので、市場を広げるために、とにかく直接お客さんを足しげく回って営業をしていました。この時の経験がとても良い勉強になりました。

--  政界へ入るきっかけを教えてください。

武藤議員 先に兄が岐阜へ帰って家業の一つ、酒造会社を担っていましたが、もう一つの家業に、肥料や生コンクリートを扱う建材商社があり、こちらの家業を継ぐことになりました。岐阜に戻ってきてから岐阜青年会議所に入会、40歳を過ぎてからは岐阜青年会議所とロータリーの掛け持ちをしました。通商産業大臣秘書を務めるために1年だけ東京に戻りましたが、経済活動を通じて地域振興や活性化、景気対策などの政策に興味をもち、父親の勧めもあり、2005年(平成17年)で出馬し、初当選となりました。

政権交代があった2009年(平成21年)の選挙で落選した際は、次の選挙までの34ヶ月、地元を徹底的に回りました。政治の勉強も必要でしたが、とにかく皆さんの声を聞かなければならないと思ったのです。そして地域の皆さんとの繋がりを強くもつことができ、おかげさまで、その後は連続して当選させていただき、今に至っています。

将来の岐阜を支える分野の一つとして、輸送産業の技術に期待

--  武藤議員から見た、岐阜県の印象を教えてください。

武藤議員 全国さまざまな地域から選出された政治家と話をして気がつきましたが、岐阜県の特性の一つは関ヶ原にあって、日本の東西どちらの良いところも見極めることができる県民性があるように思います。そうした特性によって、県内で大成している方はたくさんいらっしゃいますし、全国で県出身者の多くが活躍され、世界中に素晴らしい方がたくさんいます。

--  岐阜県の発展のためには何が必要だと思われますか。

武藤議員 ロシアのウクライナ侵略やコロナの影響により、これほどまでに物価が高騰し、エネルギー問題が緊迫しているいま、また一方でGXDXの世界的な権益をめぐるイノベーション競争激化の中で、次の世代へどのようにわが国を引き継いでいけば良いのか。わが国最大の課題である人口減少、少子化への対策も踏まえて、国を挙げて議論をする必要がありますが、何といっても、地域の発展のためには経済活動の活性化が不可欠です。

元々資源のない日本は、世界の自由貿易が確保される中で、TPPEPAなどの経済圏を広げて、経済を成長させてきました。日本の素晴らしい「ものづくり」の底力を発揮し、もっと積極的に世界へ打って出ていくことが必要です。

特に岐阜県には航空産業や自動車産業、いわゆる輸送産業分野で最先端の技術があります。また、伝統文化が息づく観光資源も豊富で、世界からインバウンドを呼び込む大きな力をもっています。変化し続ける現代社会の中でも、県内産業各分野の強みを活かすことで将来につなげていくことができます。私たち国会の政治家も力を合わせて頑張ってまいります。わが家では曾祖父の頃から「政治は奉仕の精神」を家訓にしています。また、政治家は自分のことを考えてる暇がないと言われますが、とても実感しています。

--  地域ではどのような活動をされているのでしょうか。

武藤議員 国対(国会対策委員会)の副委員長を務めているため、長い時間岐阜にいることができず、金曜日の夜に岐阜に戻り、日曜日のうちに東京へ帰るスケジュールですが、普段から地域の方々との交流を大切にしています。週末の限られた時間ですが、地域のお祭りや文化サークルなどのイベント、さまざまな団体の会合などにできるだけ伺うようにしています。また、党支部や後援会向けの国政報告会などでお話を聞いていただいています。

-- 国対とは、具体的にどのような役割があるのでしょうか。

武藤議員 2023123日から始まった第211回国会では、内閣提出法案が60本ほどありますが、国体の役割は、こうした法案すべてを円滑に成立させることです。会議は毎朝定期的に開かれ、衆議院内の各委員会での法案審議の進捗状況を共有しながら、法案成立に向けて協議を重ねています。国会中継のテレビでは流れないバックヤード的な取り組みです。

リアルな声を聞くために、若者との対話を大切にしたい

-- 武藤議員のご趣味やスポーツ経験を教えてください。

武藤議員 高校でアイスホッケー部、大学でゴルフの準同好会に入っていました。父がゴルフ好きだったので、若い時からゴルフを経験していました。就職してからしばらくやめていたのですが、岐阜へ戻ってから本格的に始めました。やるからには腕をあげたいと必死に取り組み、プロに教えていただけるご縁にも恵まれ、その方と出会って一年で急激に上達することができました。ところがイップスになってしまって。どうしようもなかったですね。今は楽しみの一つとしてゴルフを嗜んでいます。

-- 若い方との交流はいかがでしょうか。

武藤議員 いま多くの人の声を聞こうと思っても、コロナ下だったこともあり、なかなか実現できないうえに、若者となると私の身内、娘2人と孫5人からの情報を得ている状況です。先日、後援会の会員さんのお子さんで、高校生数名とお会いする機会がありましたが、非常に勉強になりました。学生さんとの接点をもつために、近郊の大学とコラボする仕組みを作ることも考えています。SNSを活用されている議員もいますが、私は生で若者の声を聞きたいと思っています。