神戸町 藤井 弘之 町長

Leader's Voice

脱炭素社会の実現に向けた取り組みをスタート
IC周辺の企業誘致により雇用創出も目指す

神戸町藤井弘之町長
脱炭素社会の実現に向けた取り組みをスタート<br>IC周辺の企業誘致により雇用創出も目指す | 市町村長

Interview

神戸町

藤井 弘之 町長

多様なメニューで家計や企業を支援

―― 令和6年4月、「人口戦略会議」において全国の4割以上にあたる744自治体が、将来的に「消滅する可能性がある」とする報告書が公表されました。今回の調査においてて、神戸町は、10年前に発表された「消滅可能性自治体を脱却した」と位置づけられました。この10年間、どのようなことに取り組んできましたか?

藤井町長 当町は10年前、「消滅可能性都市」に挙げられました。初めての経験ですし、名前が挙がるなどとはまったく思っていませんでした。私は当時、総務部長で、私を会長とする「人口減少対策研究会」を設置しました。30年の間に、20歳から39歳の若年女性人口の50%以上が減少すると、消滅する可能性があるという定義がありましたので、研究会のメンバーは、女性を中心に、課長補佐及び係長級職員で構成しました。人口実態を分析し、人口減少対策の実戦的な対策の検討を進めてきました。結果として、前回の数値より8.6ポイント改善し、減少率が48.7%に回復しました。様々な施策を着実に進めてきたことが、今回の結果につながったのだと思います。

神戸町藤井弘之町長との対談風景

―― 続きまして、神戸町は、脱炭素社会の実現のために、令和6年2月に「ゼロカーボンシティごうど」の宣言をして、脱炭素社会の実現に向けて取り組みを始めました。具体的な取組内容を教えてください。

藤井町長 2月15日に、宣言を記念する式典を開催しました。当日は、小学生や中学生に宣言文を朗読してもらいました。また、東京海洋大学名誉博士・客員教授の「さかなクン」を招いて記念講演会も実施しました。具体的な取り組みとしては、役場本庁舎北側駐車場にEV急速充電器を設置しました。これは庁舎屋上にある太陽光発電設備で発電した電気の一部を活用しています。1回の利用料金は500円ですが、毎日15台ぐらいの利用があります。これに伴って、次世代自動車購入費補助事業も実施しています。補助金は1台につき5万円で、これまでに7件の申し込みがありました。また7月26日には、日産自動車株式会社、岐阜日産自動車株式会社と、脱炭素化及び強靭化の実現に向けて電気自動車を活用していく連携協定を締結しました。これも町民に向けた啓発につながると思います。

ゼロカーボンシティごうど記念式典

ゼロカーボンシティごうど記念式典

EV給食充電器

EV急速充電器


ほかには、住宅用太陽光発電システム設置整備事業として、太陽光発電システムや蓄電池設置の補助も行っています。また、エコプラザごうどが手狭で老朽化していることから、もう少し規模を大きくして新たな場所に建設する方向で計画を進めています。完成は令和8年3月を予定しています。

エコプラザごうど

エコプラザごうど

 
―― 続きまして、暮らしを守るための町の強靭化、災害対策についてお聞きします。今年1月の元日に発生した能登半島地震では甚大な被害が発生しました。町民の生命財産を守るために、令和6年度はどのようなことに取り組みますか?

藤井町長 6年度の予算は1月末ぐらいにはだいたい固まっていたのですが、能登半島地震を見ると、住宅が倒壊してて亡くなられた方が多かったです。当町においては耐震化率が73%ぐらいで、それほど高くありません。昭和56年5月以前に建てられた家は古い耐震基準で建てられていますから、特にその耐震化率を高めることを目的に、急遽、新年度予算に組み入れました。これまでも耐震に対する補助はありました。昨年までは、評点1.0補強では110万円の補助でしたが、町単独で200万円を上限にしました。

―― すでに申し込みはありますか?

藤井町長 あります。反響は大きいです。耐震補強工事をする前段階として、無料の耐震診断があります。これまでは耐震診断を行って、診断結果が低くても、費用がかかるから見送られるケースも多かったのですが、今回、補助金を拡充したことによって、実際に補強工事を依頼するケースがあり、耐震化率の向上には間違いなくプラスに働いていると思います。
当町は南海トラフ地震では震度6弱の想定ですが、養老―桑名―四日市断層帯による地震では6強が想定されています。評点1.0補強の工事をしてもらうことで町民の安心にもつながると思います。

―― 被災地には職員の派遣も行ったようですね。

藤井町長 はい。県が支援を行う石川県へ総勢18人の職員を派遣しました。若手職員を中心に1月11日から第一陣を派遣し、輪島市では避難所運営支援、中能登町では罹災証明書の発行事業などに従事しました。派遣した職員が戻った後は、この貴重な経験を生かすため、研修会や講習会を開きました。万が一、当町が災害に見舞われた際は、経験を生かしてほしいと願っています。

能登半島地震支援風景

能登半島地震支援風景

派遣後におこなった研修会の様子

派遣後の研修会

―― ほかの事業についてはいかがですか?

藤井町長 高齢者等家具固定器具購入の助成があります。地震によって家具が倒れてきて、そのために亡くなられる方もいます。75歳以上の高齢者世帯、障がい者手帳所有者の世帯が対象になりますが、家具転倒を防止する固定器具の一部を助成します。これも能登半島地震を受けて、今年度の予算に組み入れたものです。

―― 続きまして、企業誘致についてお聞きします。東海環状自動車西回りルートの工事が着々と進められています。大野神戸IC付近の進捗状況はいかがですか?

藤井町長 企業誘致の目的は雇用の創出、税収という二つの大きな柱があり、力を入れているところです。大野神戸ICは令和元年に開通したわけですが、令和5年度末現在で、1日平均3,500台を超える利用があります。
IC南の西座倉土地区画整理事業については、令和3年3月に西座倉土地区画整理組合の認可を行い、組合施行による土地区画整理事業が始まりました。7月10日からは企業に向けた募集も始まり、すでにたくさんの引き合いをいただいています。地区面積としては約21haになります。

東海環状自動車道大野神戸IC風景

東海環状自動車道大野神戸IC

―― 1社が入るという感じですか?

藤井町長 企業によりますが、2haから4ha規模の土地が欲しいと言われるケースが多いので、複数の企業になると思います。

―― 最後になりますが、町のリーダーとして活動するため、日頃から健康には留意されていると思います。何か決まった運動などはされていますか?

藤井町長 コロナまではウルトラマラソンなども走っていました。当町の役場をスタートして、1日目は45kmほど走ります。仮眠してから翌日は90km走ります。これまでに3回完走しました。

―― すごいですね!学生時代から、かなりのスポーツマンだったのですか?

藤井町長 そんなことはないです。学生時代は少し水泳をやっていました。マラソンは役場に入ってからです。フルマラソンを走るようになって、ウルトラマラソンは60歳を過ぎてから挑戦しました。フルマラソンは30回以上走ったと思います。4年ほど前にも走りましたが、その時は3時間48分でした。今は、少し膝を痛めてしまったので、大会にはなかなか出られなくなりました。ただ、健康維持も兼ねて、空いた時間を見つけて20kmぐらいをゆっくり走っています。

 

神戸町役場

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神戸町の情報

面積:18.77km2
人口:18,593人(令和4年12月1日)
町の木:もちの木
町の花:バラ

名所・旧跡・観光

日吉山王祭
ごうど朝市
さくらまつり
夜叉ヶ池伝説の里

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