美濃市 武藤 鉄弘 市長

Leader's Voice

外部専門人材を軸に、地域住民、行政、民間などが連携し、まちを活性化

美濃市武藤鉄弘市長
外部専門人材を軸に、地域住民、行政、民間などが連携し、まちを活性化 | 市町村長

Interview

美濃市

武藤 鉄弘 市長

活性化事業の構築から人材育成まで手がける

―― 「地域プロジェクトマネージャーによる地域活性化」の概要と具体的な取り組みについて教えてください。

武藤市長 地域プロジェクトマネージャーは、地域の活性化やDXなど、重要プロジェクトを担う人材を地域に呼び込むための支援策として、令和3年に総務省が創設した制度です。本市は、今年からスタートして、令和3年から地域おこし協力隊第1号として来ていただいていた大谷一夫さんに、今度は当市全体のプロジェクトをマネジメントしてほしいという依頼をしました。

美濃市武藤鉄弘市長との対談風景

大谷さんが現在、特に力入れて取組んでいるプロジェクトは、保育園留学です。保育園留学とは、都会に住んでいる子どもが1-2週間、当市に来て生活するというものです。当市は今年度既に88家族からお申込みがあり、全国40以上の拠点がある中で常に上位5位に入るの申込件数となっています。人気地になっている要因としては古い町並みがコンパクトシティで、歩いて買い物も病院も行くことができ、生活圏が徒歩であることが大きな要因になっているようですが、大谷さんには、地元の保育園、宿泊施設、シェアオフィス等との調整、さらには情報発信にもご尽力いただいており、同氏の潤滑油的な働きが成果に繋がっているものと思われます。

また、大谷さんは民間での豊富な事業支援・人材育成のノウハウも持っていますので、美濃市内の教育機関との連携事業に加え、当市の若手職員に向けた政策立案研修を実施しています。今後は地域おこし協力隊の受入支援や、市民とのコレボレーション等、官民両面での人材育成も担っていただきます。

さらに、中心市街地の活性化、町の賑わいづくり、企業誘致にも取り組んでくれています。企業誘致については、在宅医療専門の医院をうだつの上がる町並みの中に誘致するなど、既に実績を残されておりますが、今後の更なる活躍を期待しています。

若者が活躍し、市民が主体的に参加する事業

―― 「市制施行70周年記念事業」の概要と具体的な取り組みについて教えてください。

武藤市長 昭和29年4月に1町6村が合併して当市が誕生しました。当時の人口が約3万3千人で、それ以来、減少し続けているのが実態です。このままいくと、さらに人口は減少していきますので、70年を契機に減少を止めたい思いがあります。私自身、外に住んでいて当市に帰ってきました。なぜかというと、「不便なところもあるけれど、やっぱり美濃市はいいところだ」という思いがあったからです。多くの市民の方に、そうした思いを再度考えてほしいと思い、「美濃市五感遺産」を募集しました。今回、審査や認定は市民の皆さまにお願いしました。自分たちが選んだからにはみんなで守っていこうという思いを市民に持ってもらいたいという思いも込められています。「視」「聴」「香」「味」「触」の五感にまつわる当市の魅力を①中高生、②18歳以上65歳未満の一般、③65歳以上のシニアの年代別にそれぞれ選んでもらいました。

―― 合計で15つの魅力を選ぶわけですから、重なったものもあるのではないですか?

武藤市長 それが意外なことに一つもありませんでした。そもそも、応募自体少ないのではないかと思っていたのですが、市内外から632人、延べ1,221件と大変多くの応募がありました。すべての応募の中から、各年代の代表者に選んでもらいました。今回認定した「美濃市五感遺産」は、新たな地域資源の価値を市民の皆さまと一緒に考え、共有することできました。今後は、ふるさと教育などでも活用し、郷土愛の醸成を図るとともに、豊かな未来の実現に繋げていきたいと思います。

美濃市五感遺産

美濃市五感遺産

美濃市五感遺産

美濃市五感遺産

美濃市五感遺産

美濃市五感遺産

美濃市五感遺産

美濃市五感遺産

―― 市制施行70周年記念式典の際は、運営を子どもたちが行ったそうですね。

武藤市長 その通りです。記念式典の受付、舞台転換、表彰の手伝い、司会に至るまですべてを地元の中学生が担当してくれました。これは、美濃市の未来を担う子どもたちに活躍する機会を与えたいという思いがありましたので、参加を希望した25人の中学生に運営をしてもらいました。当日の運営は、とても素晴らしく、滞りなく式典を終えることができました。さらに私たちがホールから出てきたとき、中学生が「ありがとうございました」とロビーで出席いただいた方たちにお礼をしているのを見たときは驚きました。これは、計画には無かったことでしたので、とても感動しました。

子どもたちには、能力があるにもかかわらず、大人がその能力を引き出していないのではないかという思いを以前から持っていました。今回、記念式典で試みてみましたが、立派にやり遂げてくれました。子どもたちにとっても良い経験になったのではないかと思いますし、私たち大人にも今後に向けての良い機会になったと考えています。今回の市制施行70周年記念事業は、今日まで美濃市の発展に貢献いただいた方々を顕彰するとともに、市民の皆さんに本市の魅力を再認識してもらい、10年、20年後の将来の美濃市を考えてもらえる事業になったと思いますし、未来を担う子どもや若者たちに活躍できる機会を提供することができた事業であったと考えています。

70周年記念式典

70周年記念式典

70周年記念式典

70周年記念式典

子どもたちが活躍した70周年記念式典

70周年記念式典

―― 「金森長近公生誕500年記念事業」の概要と具体的な取り組みについて教えてください。

武藤市長 金森長近公は美濃市のまちの基礎を築いた戦国武将です。長近公が最初に築いたまちは福井県大野市で、その次に高山市のまちを築き、人生の集大成として長近公が最後に築いた城下町が「うだつの上がる町並み」です。特徴としては道幅が広いことです。それまでは道幅が狭いところが多く、諸説ありますが、長近公は火事の類焼を防ぐために道幅を広くしたと言われています。

昔の町並みは、現在のうだつの上がる町並みより低い長良川の近くに位置していました。

うだつの上がる町並み

道幅の広い街並み(うだつの上がる町並み)

道幅の広い街並み(うだつの上がる町並み)

道幅の広い街並み(うだつの上がる町並み)

 

その中心となっていた「八幡神社」は、当時のまま長良川のほとりにあります。洪水による被害を幾度も受けたことにより、町並みは徐々に川から高い場所に移動していきました。しかし、川から高い場所は、火事が起こった時に消火のための水が確保できないという問題から、道幅を広くして類焼を防いだという歴史があります。

長近公は、滋賀県守山市が出生地とされており、また、本市殿町の「清泰寺」は菩提寺です。清泰寺には、たくさんの史実も残っていますし、今回の生誕500年を機に守山市長にも訪れていただきました。

長近公に縁がある守山市、大野市、高山市、美濃市の4市は、金森長近公生誕500年記念事業を開催しています。本市では、長近公が町並みで開いていたとされる「六斎市」を再現しました。六斎市とは、これも諸説ありますが町の繁栄を目的に月の「3」と「8」の付く日の月6回違う場所で開かれていた市です。今回は、二番町通り約230mの間に令和版六斎市を再現し、市内外からの15店舗が江戸風似顔絵、人力車乗車体験、着物で小判ゲットなど、様々な商品の販売やイベントが開催され、多くの来場者で賑わいました。

4市の連携事業としては、4市の市民が大野市の金森長近公関連史跡を巡りながら交流を図る「金森長近公生誕500年市民交流バスツアー」を開催しました。

清泰寺

清泰寺

清泰寺

清泰寺

六斎市

六斎市

六斎市でうだつの上がる町並みを歩く武藤鉄弘市長

六斎市

金森長親バスツアー

金森長親バスツアー

金森長親バスツアー

金森長親バスツアー

まち全体を文化が彩る

―― 「清流の国ぎふ」文化祭2024」による美濃市民文化祭の概要と具体的な取り組みについて教えてください。

武藤市長 こちらも先ほどの市制施行70記念式典と同様に市内の華道、茶道、着物、祭り、太鼓など様々な文化・芸術団体に美濃市民文化祭の企画及び運営を一任しました。

こうした事業を開催する際、行政が企画して運営をすることが多いのですが、今回は、市民が主体的に企画及び運営することで、市民の皆さんに「やりきった」という思いを感じてもらいたいとお願いをしました。実施にあたっては、市役所の担当課職員も携わりましたが、職員を総動員するようことにはありませんでした。市民の皆さんも、主体的に参加したことで満足度も高かったと思います。

具体的な事業内容については、県の事業としては、町並みや市内の古民家を活用して全国の華道の家元が本市に集結し『いけばな「昔と今と」』と題して、生け花の展示が行われました。市では、開幕イベントとして「オープンニング・タイムスリップうだつの上がる町並み」を行いました。花みこしの練り歩き、山車・練り物の展示や着物で町並みを散策するなど、江戸時代の町並みを再現し、市内の伝統文化を発信しました。この他にも市民の方たちによるジャズフェスティバルや、仁輪加や神楽の披露などがあり、町並み全体を文化で彩りました。また、障がいのある方の芸術作品を展示する「ふれあい福祉作品展」、子どもたちが本市の伝統に触れるワークショップや園児たちの作品展示する「子どもアート」などを開催しました。市民文化祭の最後を飾る「大阪交響楽団と創る第九合唱コンサートin美濃」は、多くの市民による「第九」の大合唱は迫力満点で大変素晴らしく、多くの方々の心に残るコンサートになったと感じています。

令和6年は、文化イヤーとして文化・芸術などイベントを開催し、1年を通じて市民の皆さまとともに、美濃市を盛り上げていく1年であったと感じております。

各事業とも大勢の方々に参加いただき、市内が大いに賑わったことに対しまして、実施していただきました実行委員会の皆さまをはじめ、多くの関係各位に感謝を申し上げます。

生け花展

生け花展

花みこし

花みこし

花みこし

花みこし

大阪交響楽団と創る第九合唱コンサート

大阪交響楽団と創る第九合唱コンサート

大阪交響楽団と創る第九合唱コンサート

大阪交響楽団と創る第九合唱コンサート

 

美濃市役所

〒501-3792 岐阜県美濃市1350
TEL.0575-33-1122  FAX.0575-35-2059
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美濃市の情報

面積:117.01km2
人口:19,033人(令和6年10月)
市の木:カエデ
市の花:ウメ

名所・旧跡・観光

小倉公園
美濃祭りの花みこし
美濃橋(国の重要文化財)
うだつのあがる町並み
大矢田もみじ谷
美濃和紙の里会館
美濃和紙あかりアート館
美濃和紙あかりアート展

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