INTERVIEW
Leader's Voice
市制施行70周年。テーマは「ミノカモストーリー」
Interview
藤井 浩人 市長
BEAMS JAPANと連携して記念商品を開発
―― 市制70周年記念事業の取り組み内容と概要について教えてください。
藤井市長 60周年の時もそうでしたが、当市は普段から市民の方々が主体になってイベントなどを開催する機会が非常に多いですから、そうしたイベントに70周年を冠に付けていただいて、行政だけでなく市民自ら70周年を祝うことができる機会を拡大して展開していきたいと思っています。
―― イベントは4月から目白押しですか?
藤井市長 昨年度、市内の事業者の皆さんに商品開発をしていただきました。70周年記念として開発していただいたものをお披露目していただいて、4月25日からポップアップストアで販売する予定になっています。
ロゴマークもすでに決まりました。4つの案の中から、LINEを使って市民の方々に投票していただいて、一番投票が多かったものを採用しましたので、4月から早速、広報などでも紹介しています。
―― 市制70周年ということで、市内の盛り上がりについては、どう感じていますか?
藤井市長 コロナがようやく開けたところに70周年がちょうど重なったので、市民の方からもたくさんの問い合わせをいただいますし、今後さらに盛り上がっていくのではないかと考えています。
―― 続きましてシティプロモーション事業(ポップアップストアを実施)の取り組み内容と概要について教えてください。
藤井市長 先ほど少し話しましたが、70周年に当たってイベントを開催して皆さんに楽しんでもいただくこともよいのですが、記念品のようなものを作って、皆さんが手に取っていただくこともよいと考えています。
当市は、ものづくりについても事業を重ねてきました。その延長線上の一つとして、昨年度70周年にあたっての記念品を作りませんかということで募集をしました。事業者様とタイアップして完成した記念品をポップアップストアでお披露目して、まずは市民の方々に実感してもらう、そして市外の方々にも当市を知ってもらう機会になればと思っています。当市はこれといった伝統産業がないと言われる代わりに、様々な業種の方々が活躍しています。70周年を機に、そうした取り組みを知ってもらうことができたらと考えています。
当市は4年前からBEAMS JAPANと連携して、市の特産品をブラッシュアップしてきました。ある意味、その集大成ともいえると思うのですが、今回もBEAMS JAPANのデザイナーからアドバイスを受けて、ストーリー性のある商品づくりができました。農業関係をはじめ、これまで一般消費者向けの商品を作ってこなかった業者さんも商品づくりに参加してくれて、6つの記念品ができました。
川に親しむことで、ふるさとへの理解を深める
―― 豊かな体験推進事業の取り組み内容と概要について教えてください。
藤井市長 当市では市内の各中学校に約100万円を渡して、学校独自で、その地域に合った取り組みをしてきてもらった経緯があります。例えば太田地区は元々、宿場町だった地域ですが、岐阜県内の中山道の中でも大きな宿場町で、代官所も設けられていましたし、木曽川を渡る渡しもありました。川が増水したときは、太田宿に宿泊することになりますので、夜の街も元気でした。ただ40年前には水害があったりして、この数十年は川と触れ合うことがとても少なくなりました。その意味でも、太田小学校では川の大切さについて学んでくれていて、その一環として6年生はラフティング体験もしています。
ただ、市として川の歴史を振り返ったとき、木曽川と触れ合うことができる機会を太田地区だけではなく、全市的に提供したいという思いがあります。そこで4月からは、市内すべての6年生にラフティング体験をしてもらったり、川の歴史を学ぶ授業などを通して、当市の歴史についてより理解を深めてもらいたいと考えています。
―― 木曽川というと、かつては日本ライン下りが運行されていましたが、現在はラフティングなどが盛んになっているのですね。
藤井市長 はい。ラフティングもそうですし、カヌー、SUPも人気があります。ただ、川下りについては現在休止中ですが、県から応援もいただいて復活させようと動いているところです。一つネックになるのは川の形状が変わってしまったことです。船頭さんが感覚で船を操るのですが、船頭さんに聞くと、近年の増水などによって川の形が変わってしまったそうです。そのため昔通っていたルートが今では通ることができなくなっているところもあるそうですから、慎重に計画していきながら進めていくことができたらと考えています。
―― 川の流れは激しいのですか?
藤井市長 木曽川は歴史があって、ダムも非常に多いです。可児市との境に当たる今渡にもダムがあるので、水量調整は人工的にできます。その意味では、川下りやレジャーといった体験型として活用しやすいと思います。
ただ、当市から坂祝町を通って、各務原市の鵜沼に至る部分は結構急流になっています。一部、急に川幅が絞られている部分もありますが、それが逆に景色の優美さにつながっているところもあると思います。約100年前、毎日新聞が9,500万人を対象に、どこの景観が日本一かを決めるアンケートを実施しました。その中の川の部門で木曽川が選ばれたのですが、それがちょうど日本ライン下りのコースに当たる部分で、木曽川の景観は素晴らしいということで新聞に掲載されました。その記事を書いたのが北原白秋ということで、北原白秋も当市へ足を運んで木曽川の美しさを眺めたようです。ですから川というと、災害の怖さで遠ざけてしまう部分もあるのですが、歴史について理解を深めることで川に親しみを持ち、ふるさとに対する誇りを高めてもらうことにつながればと思います。
新しいチャレンジをしっかり応援していく
―― 最後になりますが、若者と未来をつなぐ事業の取り組み内容と概要について教えてください。
藤井市長 先ほども話しましたが、当市には和紙や刃物といった伝統産業はないわけですが、川の文化を考えると、常に新しいものに挑戦してきた歴史があります。宿場町ができたときはエリアを挙げてもてなそうということで、大規模な宿場町ができて、特産品や食べ物についてもレベルアップしていきました。
宿場町が衰退した後は養蚕業が盛んになって、誘致した企業がグンゼでした。そしてグンゼが撤退した後はソニーの拠点になりました。戦前、戦後は軽工業、その後は機械工業ということで、ソニー、富士通、日立が進出しました。岐阜県の工業製品出荷額はずっと各務原市がトップを堅持していますが、15年ほど前、ソニーが元気だった時に一度だけ当市がトップになりました。
現在はソニーも撤退したわけですが、国外より国内産業に重点を置く企業が安定的に地元を支えてくれるのではないかという考えの下、ヤマザキマザックを中心に、ミツカンやお菓子工場などが非常に元気です。
その意味では、当市は時代に合わせたチャレンジをしていくまちですから、地域に住んでいる若者にも常に新しい取り組みを感じてほしいし、学んでほしいと考えています。それを行政がしっかり後押ししていきたいと考えています。現在は高校生を中心にした施策を実施していますが、今年度は大学生や新卒者など若者が新しいチャレンジできる環境を整えていきたいと思っています。
市という単位だと、中学校までは管轄しますが、高校になると県の管轄になるので、以前は市として高校と関わることは多くありませんでした。ただ地域の未来を考えると、中学校で終わりではなく、高校、大学、さらには大人になっても学びについては応援していきたいと考えています。何を学ぶかについても、行政側からITだ、バイオだといってしまうと、それだけになってしまうので、学ぶ中身についても若い人たちに企画してもらって、それに予算をつけてしっかり応援していきたいと思います。
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