INTERVIEW
Leader's Voice
「御嵩町ファンクラブ(仮称)」の立ち上げをきっかけに
町民自身がまちの魅力を再認識する
Interview
渡辺 幸伸 町長
お困りごとを持つ方々を ファンクラブを通じてサポート
―― 「みたけファンクラブ(仮称)の創設・運営事業」の概要と取り組み内容について教えてください。
渡辺町長 「みたけファンクラブ(仮称)の創設・運営事業」については二つの意味があります。一つは、外から人を呼び込む関係人口の創出です。もう一つは、町民の目線で見 たとき、「町の中にこんな魅力がある」「こんな特徴がある」ということを出す過程の中で、町民がそのことに気づく、発掘する、磨き上げていくことも通じて、当町を誇りに思ってもらう施策でもあると思っています。地元の人と交流、連携することによって活性化が生まれると思っていて、その一つの手法になると考えています。
―― 具体的な動きについてはいかがですか?
渡辺町長 立ち上げは今年度中にしたいと思っています。ネットワークの機能などを利用して、わかりやすいプラットホームを作りたいと考えています。例えばLINEを使うなど、町民に馴染みがあるものを利用した形で、ファンクラブの基礎になるものを作ることができたらと考えています。町外からたくさんの方に来てもらいたいですし、事業者が収益を上げることができる仕組みを作る必要がありますので、お得感が出るクーポンなどいろいろな仕掛けを作りたいと思っています。また、そのやりとりだけだと、商工系だけになってしまいますので、例えば、体験をポイントとして捉えるなどの工夫も必要になると思います。イベントに来てもらうことはもちろんですが、個人的に一番やりたいと思っていたことは、山間部だと独居の方や体が不自由な方は、草刈りもできません。それを、ファンクラブを通じてサポートできる体制を作ることができないかと思っていたので、それも形にすることができたらと考えています。
誇るべき伝統文化、歴史街道 7事業で地域文化を発信
―― 「清流の国ぎふ」文化祭2024御嵩町事業の概要と取り組み内容について教えてください。
渡辺町長 当町は伝統文化、歴史街道などがあるまちなので、冠につけて事業を展開します。先ほども話しましたが、町民が、おらがまちの文化についての知識が深まっていなかったり、体験する機会が少ないですから、ちょうどいい機会だと捉えて、町民自身が、まちの文化にふれることと、外から訪れる方をお招きしたいという趣旨で取り組みを進めています。
―― 具体的な事業内容について教えてください。
渡辺町長 県内の町村の中では最も多い7つの事業を行います。10月14日から来年2月8日にかけては特別展「広重・英泉の木曽海道六拾九次を辿って中山道を旅してみた」が開催されます。11月24日には、中山道69次資料館館長の岸本豊さんをお招きして中山道の魅力を語っていただく講演会も開催されます。当町イチオシの戦国武将である可児才蔵の生涯を御嵩町文化協会「御嵩座」が脚本化し上演する演劇「戦国最強の武将・可児才蔵伝説」は10月27日に開催されます。 11月2日には、瑞浪市とタイアップして中山道往来~なかせんどううぉーく~というウォーキングイベントも開催します。御嵩駅前には国指定重要文化財「願興寺本堂」があります。ここは令和8年度にリニューアルオープンしますが、現在は工事中です。工事中ならではの風景は、今しか見ることができませんので、11月17日に解体修理工事現場見学会という形で開催します。ほかには、11月24日に、わいわい館マルシェを開催しますし、10月12日から11月24日にかけては、障がい者支援多機能事業所「あゆみ館」の利用者による芸術作品展を開催します。
―― 多彩な事業が行われますね。
渡辺町長 はい。当町はちーおし(「地域の「推し」)ということで、中山道、可児才蔵、願興寺、舳五山茶(へごやまちゃ)のPRに、特に力を入れています。中でも、舳五山茶は、上之郷中学校が自ら開墾して作り出した茶園で栽培したものです。学校が自主運営して、収益を教材費に充てています。これは戦後間もないころからスタートしているので、60年を超えています。私も卒業生なのですが、卒業すると地域と関わりを持つことになり、茶摘みを手伝ったり、草刈りをしています。元々はお茶を販売して収益を出していましたが、近年はお茶の販売だけでは厳しくなってきたので、パウダー状にしてクッキーにするなど新しい商品として開発しています。
―― 素晴らしい取り組みですね。
渡辺町長 はい。上之郷小学校については、大阪の泉佐野市の小学校ですが、同じ上之郷という名前がついています。泉佐野市の方で、そのことを見つけてくれて、学校間交流がスタートしていました。学校間交流だけではもったいないですから、行政間の交流もできないか打診したところ、特産品をお互いに紹介しましょうということになりました。泉佐野市は来年、万博も控えていますので、当町の特産品も紹介できると思います。
―― 伺っていると、いろいろな特産品がありますから、ふるさと納税でも活用できますね。
渡辺町長 はい。売れ筋は「元祖みたけとんちゃん」です。当町は亜炭のまちです。亜炭産業が盛んだったころは、坑内に入ってしまうと、毎回、坑道から出てくるのは大変だということで、食材を持ち込んで坑内で食べていました。使っていたスコップをきれいに洗って、スコップに食材を置いて焼いて食べたそうです。働いている人の中には朝鮮の方もいて、朝鮮系の味つけになっているようです。炭鉱夫として働いた方の中には、そのまま当町に住み続けてきた方もいて、ある意味では、当町は多文化共生を先頭でやっていたまちと言えるかもしれません。
新商品の開発を積極的に支援する
―― 話題は変わりまして、「副業人材活用事業補助金」事業の概要と取り組み内容について教えてください。
渡辺町長 中小企業だと、人材を派遣してもらって、すべて面倒を見るとなると、コストも大変大きなものになります。そうではなく、「IT部門が弱い」「ホームページを作りたい」「採用が思うようになかなか進まない」といった中小企業が望んでいる部分に特化して、担う人を派遣したり、講師を招いてレクチャーしたりといったピンポイントで使えるようにする制度です。「自分のスキルを生かして地域貢献がしたい」「ちょっとした収入を得たい」という方々が一定数いる中で、そうした副業人材を活用して、まちとして支援するという事業です。
―― 最後になりますが、「特産品振興・商品開発支援補助金」事業の概要と取り組み内容について教えてください。
渡辺町長 当町では、歴史や自然、伝統などへのこだわりや地元への愛がこもった特産品の中から、ええもん部門(食品)として30品、たからもん部門(工芸品など)で5品を認定しています(令和6年8月27日現在)。 目的としては大きく三つあります。一つ目は販売促進です。認定されたのはいいですが、いざ売るとなると、いろいろとハードルは高いです。認定された業者が次の手を打つために、さらなる支援をしていきたいと考えています。二つ目は、磨くことです。例えば、舳五山茶でいえば、ずっと茶葉として販売していました。でも茶葉だけでは飲むしかありません。そこで、パウダーにすることでクッキーなどの新しい商品が生まれました。また、スティックにすることで、手軽に飲めるようになりました。これも改良です。そうしたことに取り組む事業者に対して支援していきます。三つめは商品開発です。当町の資源を活用したものであれば、どんどん新商品を開発してもらい、まちとして支援していきたいと考えています。
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御嵩町の情報
面積:56.61km2
人口:17,741人(令和4年12月1日)
町の木:アカマツ
町の花:キク
名所・旧跡・観光
鬼岩公園
生活環境保全林「みたけの森」
願興寺仏像
愚渓寺石庭
鬼岩福鬼まつり
隣接する自治体
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