瑞穂市 森 和之 市長

Leader's Voice

新たなステージは「ウェルビーイング みずほ」
持続的な幸福の実現にシフト

瑞穂市森和之市長
新たなステージは「ウェルビーイング みずほ」<br/>持続的な幸福の実現にシフト | 市町村長

Interview

瑞穂市

森 和之 市長

「人権」「平和」「環境」をテーマに掲げた20周年記念事業

―― 20周年記念事業について教えてください。

森市長 その前に、元旦に起きた能登半島地震について少しふれたいと思います。能登半島地震から9カ月になろうとしていますが、5月で避難所の支援は終了しました。今は水道や電気のインフラ整備など中長期的な派遣になっていますが、復旧が遅れており1日も早い復興を願っています。
市では延べ24名の職員を派遣し、派遣した職員からはいろいろな提案をもらいました。また同じ時期に、防災士の資格を取得する補助事業を実施してきたこともあって、6月には市の防災士会も発足しました。災害は「想定外と考えることではなく、必ず起きてしまうと考えること」や「自分の命は自分で守る」、災害時は「行政はサービスではなくサポート体制になる」など、日常生活や暮らしの中で習得されてきたものが文化として位置づけられると思いますので、当市の文化にできるよう進めています。そのためには、条例や宣言など明文化する必要があると思っていますので、今後検討していきたいと思います。

瑞穂市森和之市長との対談風景

―― では改めて、20周年記念事業について教えてください。

森市長 私が市政を担わせていただき6年目となっています。振り返ると多くの事業ができました。また進捗している事業がそろそろ完了に近づくものもあり、着実に市政が進んでいることを実感しています。しかし、防災の拠点や企業誘致、庁舎の建設など道筋をつけなければならない事業があるので、引き続き進めていきたいと考えています。
とりわけ20周年記念事業については、10周年記念事業のときは企画部長として進め、この20周年記念事業は市長として進めることができたことをとてもうれしく思います。
20周年記念事業については、テーマが必要であることから、次代を担う世代につないでいくため「人権」「平和」「環境」の三つのテーマを掲げました。それぞれのテーマを明文化できないかと考え、それぞれ三つの都市宣言として揃えることができました。
平和については「みずほ平和の祈り2023」を、地元出身のジャズシンガーによるコンサートを行うことができました。また朗読劇「千本松原」も開催しました。平和と関係ないように思われるかもしれませんが、江戸時代に起きた幕府と薩摩藩の対立を描いた「千本松原」という朗読劇を市民の方々が中心となって上演されました。
環境については、郡上市から当市まで約100キロの道のりを、大自然をいっぱいに感じながら夜通し歩き、自分との挑戦ができる「瑞穂市清流長良川100キロウォーク」を開催しました。途中のエイドでは、SDGsに関するスタンプラリーを実施しながら大切な資源を守ることについて学べるイベントとなりました。
人権については、特別講演ということで岐阜県の偉人「決断命のビザ 杉原千畝物語」を行うことができ、大盛況で終えることができました。
また、20周年記念事業実行委員会では、子どもから高齢者まで一緒に楽しめるスポーツとして提案してもらったモルックですが、体験会を通じて多くの市民の方々に親しんでもらうことができ、市の「モルック大会」を開催することができました。また、毎月朝日大学や市文化協会、市老人クラブ連合会主催の記念事業が開催され、とても充実した事業を成功裏に終えることができました。
20周年記念事業のフィナーレとして、3月24日に「NHKのど自慢」の公開番組を開催いたしました。10周年の時も同様にのど自慢を行いましたが、その時は市民の参加が少なく寂しい思いをしました。しかし今回は、予選会で200組を超える方の参加で盛り上がり、予選会を通過した本選出場20組のうち、市民の方が5組も出演されました。その中には審査員特別賞に選ばれた方、合格者も2組ありました。当市を全国的に発信することができ、20周年記念事業を華々しく終えることができました。

「みずほ平和の祈り2023」でのジャズシンガーによるコンサート

「みずほ平和の祈り2023」でのジャズシンガーによるコンサート

100キロウォーク

100キロウォーク

モルック大会

モルック大会

モルック大会

モルック大会

躍進する地方創生三つの拠点

―― 続いて、継続している地方創生の三つの拠点について教えてください。

森市長 地方創生の三つの拠点はさらに躍進し、サンコーパレットパークは完成形に近づいています。JR穂積駅周辺整備事業では、現在手続きを進めています都市計画決定を行い、土地区画整理事業等の具体的な計画策定に着手していきます。今までは、駅前広場周辺の交通対策を目的とした暫定的な整備を行ってきましたが、これからは本格的な基盤整備の実施に向けて事業を進めていきます。
一つ目の拠点であるサンコーパレットパークは、官民がそれぞれの手法で企画して、市内外から多くの人が訪れるなど、集客、関係人口・交流人口を増やす拠点として定着しました。
さらに「美江寺宿」「小簾紅園」、皇女和宮様が渡られた「呂久の渡し」を結ぶ市北西部の賑わいを創出する“中山道まちづくり基本構想”を進めています。運営方法については、市が直接運営するのではなく、民間の活力や発想を生かしたいことから指定管理者制度の導入を進め、イベントの開催回数を増やすことを考えています。隣接する子ども図書館の活用を含め、近隣には特産品の販売で集客、関係人口・交流人口のさらなる拡大を図り完成形とします。

サンコーパレットパーク

サンコーパレットパーク

―― 二つ目の拠点についても教えてください。

森市長 二つ目の拠点はJR穂積駅周辺です。JR穂積駅周辺整備事業は、「瑞穂市JR穂積駅周辺整備基本計画」に基づき、優先的に整備するエリアである穂積駅南地区での土地区画整理事業等の都市計画決定手続きを進めています。9月の都市計画の決定等を予定していますが、その後、土地区画整理事業の事業化に向けた具体的な計画策定等が本格的にスタートします。
また、JR穂積駅南口へのアクセスポイントである主要地方道北方多度線の別府交差点では、交差点へ接続している市道を一部通行規制して新たな道路の整備を進めていますが、10月頃には車道部が完成する見込みですので、車の通行を新たな道路へと切り替えていく予定です。
穂積駅北口駅前広場については、昨年、JR東海から用地を購入し、歩道を拡幅することができました。さらに、穂積駅北口駅前広場周辺における送迎時の課題解決に向けて、今年度は駅前広場や接続道路等の暫定改修の設計を行い、来年度以降の整備へと進めていきたいと思っています。

―― 三つ目の拠点について教えてください。

森市長 三つ目の拠点は犀川遊水地周辺です。昭和56年から開始された犀川遊水地事業が最終形を迎えており、起証田川の牛牧排水機場は今年度完了し、五六川の逆流樋門の整備に伴う河川整備についても先が見通せるようになりました。当市では、令和4年度の住民・事業者アンケートと令和5年度のかわまちづくり社会実験の結果を踏まえ、さい川さくら公園のより一層の活用を念頭に、まずは駐車場などの基盤整備を行う予定です。その後、犀川遊水地グリーンインフラ基本構想を実現するため、かわまちづくり計画の策定に向けて進めていきます。

子どもが最大限に力を発揮できるまちづくり

―― 最後になります。今年は市制施行21年目になります。今年度の新たな取り組みについて教えてください。

森市長 今年は計画を策定する年であることから、1月4日仕事始め式では今年の漢字一文字を「計」にしました。「第3次総合計画」「都市計画マスタープラン」「子ども計画」をはじめ、これらの計画を総称しどんな瑞穂市にしていかなければならないかを考えた「み ずほ未来まちづくり構想2035」を策定する計画の年になります。
今年度は、国の補助金を含め3億5千万円の補助を行い、牛牧第1保育所を公私連携型保育所として整備します。さらに保育所のICT化として、保育所にタブレット端末を導入します。これにより、保護者の欠席連絡も簡単になり、園から子どもたちの様子をわかりやすく写真を使ってお知らせすることもスムーズになります。子育て支援アプリ「みずほ すくすくナビ」の導入も行います。これは子育てのアプリを導入して、検診などの情報をアプリを通じて、子育て世代の方々にダイレクトにお届けできるようになります。また、子ども家庭センター事業、産前産後のご家庭にヘルパーを派遣する事業などが新規事業になります。
子ども家庭庁は、子どもたちが健やかで幸せに成長できる社会「子ども真ん中社会」の構築を目指し、この趣旨に賛同した個人、団体、企業に子ども応援サポーターとして多くの人、幅広い活動をしていただくものですが、当市でも進めていきたいと思い「瑞穂市子どもまんなか応援サポーター宣言」をしました。

子どもまん中宣言

子どもまん中宣言


子どもたちは自分で吸収し成長する力を持っています。その力を最大限引き出して発揮させるために、私たち大人がそれぞれの立場でサポートすることが大切と考え宣言しました。子どもたちにシビックプライドを育み、保護者や親は子育てに喜びを感じ「子育ては楽しい」「子育てと仕事はキャリアにプラスになる」と思い、子育てが終わり気づいたときには「わが子がいてよかった」と思えるようにすることが、子ども真ん中社会の目的になると思います。
子ども計画には、やはり子どもたちの声を聞かないとなりません。5月から夏休み前までの間に、すべての小中学校に出向いてスクールミーティングを行いました。その中で、子どもたちからは「市民病院はどうしてないのですか」「海外の友好都市はどうしてないのですか」「生津校区にはコミュニティセンターがないので、ほかの地域へ行っています」「もっとイベントを開催してほしい」など多くの意見をもらいました。今後は、子ども計画に反映していきたいと思っています。
最後に、私の政策である“健幸都市 みずほ”は、誰もが健康で生きがいを持ち、幸せに暮らせることとしてきました。ただ、生きがいを持ち幸せに暮らせるというと、どちらかというと高齢者をイメージする部分が大きいので、今年からは「ウェルビーイング みずほ」にシフトしています。20周年を終えて新たなステージは「ウェルビーイング みずほ」です。一時的な幸福ではなく、持続的な幸福を実現するために「ウェルビーイングな保育所とは何か」「ウェルビーイングな幼稚園とは何か」「ウェルビーイングな小学校中学校とは何か」といったことを職員とともに考えていきながら、子どもまんなか応援サポータ―宣言のまちとして、子どもたちが最大限に力を発揮できるような瑞穂市にしていきたいと思います。

 

瑞穂市役所

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瑞穂市の情報

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人口:56,305人(令和6年8月30日)
市の木:桜
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