おいしいもの、ものづくり、自然をいかした観光に期待

便利になる交通網の発展が岐阜の活力につながる

――　今、岐阜県の動きで期待されていることがあれば教えてください。

渡辺議員　岐阜県にとって最も大きなインパクトになるのは、 令和8年の東海環状自動車道全線開通です。国土交通副大臣を務めていた時に、四日市港を現在のキャパの2倍にする国際物流ターミナル整備事業に携わりましたが、ちょうど令和8年に一部共用が開始されます。これにより、海なし県の岐阜県が四日市港という港を持つイメージができます。そうすると、世界に向けて岐阜のものを発信できますので、大きなチャンスがやってくることになります。

リニア新幹線の開通も見越して、東海環状自動車道、濃飛横断自動車道、中部縦貫自動車道といった自動車道路と幹線道路の整備を進めていくことで、岐阜県の発展につながります。港も空港もない県のため、やはり道路ネットワークの整備は物流、観光、そして、救急車による搬送時間を短縮するための命の道として、全てにおいて非常に重要です。 国土交通副大臣時代から、建設関係、国会議員の皆さんと力を合わせて取り組んできた東海北陸自動車の4車線化も1つ1つ前に進んでいますし、岐阜県の大きな活力になるのではないかと期待をしています。

――　岐阜県のものづくりを発信できるチャンスが増えるということでしょうか。

渡辺議員　各務原や西濃地域がそうであるように、元々、岐阜県はものづくり産業が中心になっています。そこをしっかりと支えていかなければいけませんし、各企業がもっている技術力を考えると、まだまだ伸びしろがあると思いますので、応援していきたいなと考えています。

――　企業誘致についてはいかがでしょうか。

渡辺議員　可能性としてはあります。工場だけではなく、本社機能も移転していただく努力をするとともに、まず考えるべきは、岐阜の企業さんがどんどん大きくなっていただく施策をすべきだと思います。

――　今後の岐阜県への期待について教えてください。

渡辺議員　観光に期待をしています。これまでに県がしっかり海外戦略を展開されてきたことで、中国、 東南アジア、欧米から、岐阜は大変、人気のある観光地になっています。岐阜県は日本の真ん中に位置するので、観光の観点からも来ていただきやすいと思いますし、農業や産業の物流という点においても、道路ネットワークを整備することで非常にメリットが出てくると思います。「地産地消」というと地元で採れたものを地元の人が食べるイメージがありますが、岐阜で採れたものを観光に訪れた人にも食べていただきたいですね。岐阜にはおいしい食材がたくさんあるので、喜んでいただけるのではないでしょうか。送って食べてもらうのも良いのですが、やはり、現地で食べるとおいしさが違うと思います。こうしたことからも、観光だけとか、農業だけとか、それぞれ単体で動くのではなく、横に繋がることで、それぞれの分野でウィンウィンの関係をつくってといけると思います。

――　渡辺議員は好きな食べ物はありますか？

渡辺議員　基本はお米が好きですね。それと、先日、実家へ帰った時にお袋が裏の畑できゅうりを採って塩漬けにしてくれて。年齢的なこともあるかもしれませんが、それが今更ながら改めておいしいなと感じました。岐阜のこうしたおいしいものをぜひ、新鮮な味で県外の方にも食べてもらいたいなと思いました。

――　ご出身は八百津町ですよね。岐阜に戻られたら趣味の釣りはされるのでしょうか。

渡辺議員　川釣りは小学校5年生のころから始めて、学生時代は鮎釣りシーズンになると、毎日のように川に入っていました。今年は1日だけ川釣りをして、3時間で７匹釣りました。釣りをしていると他のことを全部忘れて没頭できますね。リフレッシュできました。

地の利をいかし、暮らしやすい県をアピールして岐阜県を盛り上げたい

――　人口減少に関する課題がありますが、移住に関してはいかがでしょうか。

渡辺議員　岐阜県に限らずこれから日本全体、特に地方での人口減少は避けて通れない課題になりますので、取り合いをするよりも少子化を解消する視点と、地域のコミュニティを維持していく視点、例えばコンパクトシティなどを考えていかなければいけないと思います。

――　若者の県外流出の課題に関してはいかがでしょうか。

渡辺議員　そこに仕事を作ることが大事なことだと思います。ただ、今の若い方たちは仕事だけでなく、自分のライフスタイルも大切にしていますので、岐阜の暮らしやすさをアピールしていくことも必要だと思います。例えば、ウィンタースポーツが好きな人なら、夏の間に一生懸命働いて冬にまとめて休みをとってもらうとか、自分に合った暮らしを充実させていただくことができるでしょう。 岐阜県で長年、生活をしていると気がつかないかもしれませんが、東京と岐阜を行き来していると、岐阜は改めて恵まれている土地だと感じます。東京との距離感も適度ですし、地の利をいかしながらやっていけば、大きな発展が期待できるのではないでしょうか。

――　岐阜県の方へメッセージをお願いします。

渡辺議員　岐阜はとても魅力的な県で、それを上手に発信していくことが非常に重要です。発信する人が多ければ多いほど、国内だけでなく世界からも「岐阜県はいいところだね」と言ってもらえるだけのポテンシャルがある地域だと思っていますし、自信もあります。これからも岐阜をどんどん盛り上げていきたいと思います。