INTERVIEW
Leader's Voice
中部圏のものづくり産業のさらなる発展やジビエカーの普及に取り組む
Interview
武藤 容治 衆議院議員
自由民主党
中部圏のものづくり産業をさらに強化して経済発展を
―― 最近の活動を教えてください。
武藤議員 国会に提出された法案の成立に向けて協議を重ねる国対(国会対策委員会)の副委員長を引き続き務め、無事、法律61本、条約11本が成立しました。また、もう一つ、政治倫理審査会の幹事も務めています。国会中継のテレビでは流れないバックヤード的な取り組みで、毎日、緊張の連続です。
―― 岐阜県での活動や交流について教えてください。
武藤議員 昨年、コロナが第5類に移行してから、企業さんの総会やイベントが復活し始めているなと感じています。私は自民岐阜県支部連合会長や中小企業・小規模事業者政策調査会副会長も務めていますので、インボイス制度がソフトランディングしているかどうか、また、賃上げ問題についてなどさまざまな意見交換をさせていただいています。岐阜県は中小企業がほとんどのため、下請け企業との取引が適正化されてこそ、経済が発展します。もともとインボイス制度は価格の適正な取引に繋げる主旨だったので、そこに注視しています。また、経営のデジタル化が進んでいく過渡期なので、経営者の皆さんにはご理解いただきながらやっています。
―― 人手不足についてはいかがでしょうか。
武藤議員 今後、アドバイザーや経営コンサルタントは注目されていくと思います。岐阜ではコロナで停滞していた航空産業が戻ってきていますし、日本は防衛産業に力を入れて、国産比率を上げていかなければと思います。このように、そのほかの分野も含め、方向転換している中で、人は足りていないと思います。
―― 各務原をはじめ、岐阜県のものづくり産業はいかがでしょうか。
武藤議員 関市の刃物は海外で人気がありますし、円安の今、美濃の和紙など海外に売り込むチャンスではないでしょうか。先日、中部経済同友会の会合に出席して感じたのは、まだまだ中部圏はがんばらないといけないということです。リニア新幹線が開通したら世の中は大きく変化します。そこで、中部圏の強みであるものづくり産業をさらに強化するために、ネットワークで考えないとな、という気持ちでいます。港や空港、高速道路などの物流とエネルギーを中部圏で確保しないといけないのではないでしょうか。
山奥へ出向き、捕獲後すぐに処理ができるジビエカーが登場
―― 武藤議員は鳥獣被害対策特別委員会の委員長を務めていらっしゃいますね。
武藤議員 はい、先日は鳥獣捕獲緊急対策議員連盟の会長、二階俊博先生や鳥獣食肉利活用推進議員連盟の会長、石破茂衆先生をはじめ、約120名で「ジビエを食べる会」を行い、有害鳥獣であるシカやイノシシの肉を使った料理を楽しみました。日本には昔から動物を愛護、保護する意識がありますが、今はシカやイノシシが増えすぎて農作物を荒らすようになってしまいました。そこで、指定した鳥獣については駆除できるようにし、さらには、駆除した鳥獣を利用していきましょう、ということで鳥獣被害を防止する議員連盟を設立した経緯があります。
―― ジビエの推進をされているのですね。
武藤議員 ところが、捕獲されたシカやイノシシは約1割程度しかジビエとして流通されていません。おいしく、新鮮に食べるためには捕獲したものをいかに早く加工場まで運び、処理するかが大切です。そこで、山奥の捕獲現場まで行って処理ができるコンパクトな「ジビエカー」が開発されました。車内に「剥皮室」、「解体室」、「冷蔵室」が設置され、できるだけコンパクトにした車です。マスコミや国会の先生方にお披露目されましたので、これから全国に普及されていくと良いなと思っています。鳥獣被害対策には、食べることも大切なのです。
―― レストランでこれからどんどん使われていくようになるのでしょうか。
武藤議員 適切に処理されたジビエはおいしいですし、ジビエを扱える料理人も増えています。今後、ジビエを扱うレストランも増えていくでしょう。ただし岐阜県では、豚熱感染が発見されたので、イノシシには制限がありますが。農林水産省は2018年に「国際ジビエ認証制度」を制定し、消費者が安全・安心に食べられる取り組みもしています。駆除の補助金や国際ジビエ認証については市町村単位で対応しているため、広域連携できると、さらなる鳥獣被害対策につながるでしょう。ジビエカーも広域で共有して活用させることができます。
―― 駆除自体は追いついているのでしょうか。
武藤議員 ジビエの関係で言うと、林野庁、農林水産省、環境量、厚生労働省が関わってきます。その中で捕獲の部分は林野庁が担当になりますが、今、伐採跡地へ花粉症対策として花粉が出ないスギの苗を植林しています。それを食べてしまうのがシカで、そういった意味でも増えすぎたシカの駆除が必要です。急傾斜地では柵の設置は困難なため、掘った穴に鹿を入れて溶剤で溶かす新しい方法など、予算をつけて対策していく予定です。