INTERVIEW
Leader's Voice
地歌舞伎やモータースポーツなどの文化を大切にすることと高い専門知識をもつ方が集まる岐阜にすることを目指す
Interview
古屋 圭司 衆議院議員
岩村藩出身の佐藤一斎、地歌舞伎、リニア
豊富にある東濃の魅力
— 古屋議員が思い浮かべる岐阜の印象を教えてください。
古屋議員 私の地元は恵那市です。岐阜市と言えば岐阜城や織田信長をイメージしますが、私達、東濃出身者は幕末の儒学者、佐藤一斎を思い浮かべます。数々の名言を残した人物で、私は色紙に佐藤一斎の言葉を書かせていただいています。
全国的に最も有名になった名言は小泉純一郎元首相が発言した
- 少にして学べば、即ち壮にして為すことあり。
- 壮にして学べば、即ち老いて衰えず。
- 老いて学べば、則ち死して朽ちず。
これは、著書「言志四録」の中で生涯学習のことを書いた言葉「三学戒」からの引用です。私が最も好きな言葉は
- 着眼高ければ、即ち理を見て岐せず。
これは、常に高い位置から広い視野で見ると、何をすべきか見えて迷うことがない、という言葉です。恵那市の教育委員会は佐藤一斎の言葉を特集した学習読本にして、小中学生に配布しており、子どもたちにとっても佐藤一斎は最も身近な歴史上の人物になります。
— 東濃は地歌舞伎の文化も続いていますね。
古屋議員 「東濃地方の地歌舞伎と芝居小屋」は岐阜の宝ものに認定されています。全国で盛んだと言われている地域が四国と東濃と言われており、東濃は狭い地域に芝居小屋が5軒も残り、しかも、手動式の回り舞台もある素晴らしいところです。中津川市には明治時代に創建された「かしも明治座」、「常盤座」、「蛭子座」が、恵那市には「五毛座」、瑞浪市には「相生座」があります。もう1つ、中津川市に600席ある歌舞伎ホールがあり、大きな伝統芸能の舞台も公演できます。ハード面が整っているうえに、ソフト面でも特に子ども達による稽古が熱心で、小学6年生が3幕全てやりきるほどです。それもかなりの腕前。私の妻も同級生と地歌舞伎に取り組んでおり、家で練習をしています。その姿を見て、できれば私も出演もしてみたいなとも思っています。
— リニア中央新幹線駅の開設についてはいかがでしょうか。
古屋議員 リニア中央新幹線駅が恵那市との境界線に近い中津川市に開設されます。駅は手段であって、その後の発展を考えなければいけません。地域の定住人口を増やすのであれば、多様な職場を提供することが大切です。地元で生まれ育った子どもたちがどのような専門知識をもっていても、地元に戻ってこられる職場を作っていくことを目指すべき。日本経済団体連合会経団連、市、県が連携をして本社機能や研究開発機能の積極的な誘致に取り組んでいます。いわゆる「頭脳の機能」を置くことで、人材も一緒に来ていただけるような町をつくろうと進めています。
恵那市をモータースポーツのメッカにすることを目指す
— 古屋議員のご趣味を教えてください。
古屋議員 クラリネット演奏です。先日、多治見市にある社会福祉法人陶技学園の「第二陶技学園」の女子棟の竣工式に参加させていただき、私のクラリネット伴奏で、みなさんと「ふるさと」を合唱しました。
— 若い頃からクラリネットを演奏されているのでしょうか。
古屋議員 いえ、50歳手前頃からです。もともとピアノ演奏をしていたので譜面を読むことができますし、楽典も学び音楽に長年、携わっています。今、CDの制作をしているのですよ。オーケストラと一緒にモーツアルトのクラリネット協奏曲や古典派の名曲を入れる予定で、クラシックCD売り上げ週間1位を目指しています(笑)。そのためにもぜひ、皆様には購入していただきたいと思っています。また、学生時代から自動車競技、モータースポーツにも携わっています。
— モータースポーツもですか。恵那市は「WRC世界ラリー選手権」の会場になりましたね。
古屋議員 私は「自民党モータースポーツ振興議連」の会長を務めています。日本の自動車産業は世界一を誇りますが、モータースポーツ文化は定着していません。モータースポーツというと、やんちゃな若者の延長線として見られることもありますが、サーキットや競技に出るような車好きな方は車の怖さも知っているので、街の中では安全運転を心がけられています。そのため、モータースポーツ文化は青少年の健全育成にも繋がります。
(※岐阜県内にはオフロードを含め、8ヶ所の草レース場がありますが、稼働率は高くないのが現実です。)
「WRC世界ラリー選手権」という世界最高峰の競技を10年かけて誘致し、念願叶って2022年(令和4年)11月に恵那市と愛知県で開催することができました。40万人の方に足を運んでいただき、また、レースの様子が世界115カ国にも放映され、世界で8億人の方が観戦されたそうです。ぜひ、この地域がモータースポーツのメッカになること目指していきます。
— レースへの参加もされるのでしょうか。
古屋議員 中学生の頃からカートに乗り始め、今も大会に参加しています。2022年(令和4年)は富士スピードウェイで開催された軽自動車の5時間耐久レース(K4GP)に国会議員連盟チームで参加して、60チーム中総合2位になりました。表彰台にも上がりました。
ヨーロッパでは政府の要人の晩餐会で当たり前のようにモータースポーツの会話がされると聞いているので、羨ましいなと感じています。
若い時の失敗は最高の財産、どんどんチャレンジして欲しい
— 最後に、若者へのメッセージをお願いします。
古屋議員 私たち政治家はスペシャリストではなく、ジェネラリストとして幅広い知識を得ることに努力しています。今はネットを通じて世の中の流れや若者文化の知識も取り入れやすくなりました。そこで私が感じるのは、若者のみなさんはすごく賢くなっていることです。ただ、もっと能動的に動いて欲しいなと思います。若い時にチャレンジをして失敗することは最高の財産です。失敗は成功の母です。私も若い時に何度も失敗しましたが、国会議員になり、11期連続当選させていただいて、国家を動かす仕事をしています。後ろ向きにならず、常に前を向くことで成功に繋げてください。