INTERVIEW
Leader's Voice
岐阜と関西を結ぶ「彩都 やまもり」で「岐阜ふるさと祭り」
Interview
中島 紀于 会長
株式会社中島工務店 代表取締役
岐阜県関係の方も、箕面市近隣の方も集まる「岐阜ふるさと祭り」は賑やかな2日間に
―― 毎年、大阪府箕面市で開催されている「岐阜ふるさと祭り」について教えてください。
中島会長 岐阜県下の市町村さんがふるまう地元のおいしいものや特産品販売、美濃焼タイルのワークショップなどのブースが出て、ふるさと岐阜を感じることができるお祭りです。地域の学生さんと企業さんには、ステージイベントやアトラクションで盛り上げていただき、大変、賑やかな2日間になります。コロナ禍が過ぎ、4年ぶりの開催となった2023年は2日間で4千人以上が来場されました。関西岐阜県人会連合会の会員のみなさんをはじめ、地域の子どもたちや学生さん、さらには、私どもの会社の関係者さんも来てくださり、関西でのふるさとの出会い、岐阜県関係者の出会いの場となっています。
―― 会場は中島工務店さんの施設「彩都やまもり」ですよね。このような場所があるからこそ、開催できるイベントですね。
中島会長 大阪府箕面市彩都にある「彩都やまもり」は東濃ひのきを使った家づくりを体感できる施設です。関西と岐阜県を結ぶ「関西岐阜県人連合会」の事務局にもなっており、岐阜県の情報や魅力を発信しています。岐阜の木を感じながら、岐阜県の物産品を購入していただいたり、岐阜弁を聞いたりすることができます。年に数回、産直市「やまもり市」を開催していますので、遊びに来て欲しいと思います。岐阜県の情報や関西岐阜県人連合会、大阪岐阜県人会、京都岐阜県人会、神戸岐阜県人会の活動情報を「やまもり通信」にまとめていますので、こちらも読んでいただきたいと思います。
―― 関西岐阜県人連合会さんではそのほか、どのような活動をされていますか。
中島会長 岐阜を巡る1泊2日のバス旅行「ふるさと紀行」を行っています。毎年、行き先は変わり、郡上八幡や白川郷、高山、下呂などを訪れています。
良質な木も育つ、四季が美しい加子母
―― 中島工務店さんは家づくりのほかに、国内の公共性の高い建築物のお仕事もされていますよね。
中島会長 弊社はもともと土木業から始まり、現在は関東、中部、関西を中心に、個人の家づくりのほか、社寺建築、、歴史的建造物の修復工事にも携わらせていただいています。現在は、織田信長が建立したという名古屋の政秀寺、東京では新宿区の常楽寺、千葉の香取神社などの修復工事を行なっています。岐阜では、登録有形文化財の岐阜公園三重塔の保存修理のほか、金華山山頂にある、「金華山ロープウェー山頂駅東トイレ」も施工しました。この時は金華山にレールを敷いて、トロッコで資材を運ぶこともしました。
また、関西とご縁ができたのは、1995年の阪神・淡路大震災の震災のボランティア活動がきっかけになります。今では兵庫県、大阪府、奈良県、和歌山県、滋賀県での仕事を行っています。こうした経緯もあり、私ができることなら、という思いで「岐阜ふるさと祭り」などを開催しています。
―― 経験と実績、あるいは技術者なり職人さんがいてこそだと思います。
中島会長 岐阜県立岐阜工業高等学校 土木科を卒業後に土木業を始めてから60年近く続けています。東濃の木材を使用し、建前までの材料を切り出すプレカット工場や社寺工場、鉄鋼センターなどの工場は、本社に近い加子母を中心に全て岐阜県内にあり、材料はここから現地へ送る「産地直送の家づくり」を行っています。海外の現場も同じように、ここで加工をして運び出しています。
―― ブラジルにある日本館の修繕も中島工務店さんが手掛けているとお聞きしました。
中島会長 「日本館」は1954年に日伯友好のシンボルとして建設されてから70年が経ちます。以前からブラジルを度々訪れていた私は1986年に日本館と出会いました。翌年、日本移民80周年の記念の年に、宮大工とブラジルに渡り、瓦の一部葺き替えと壁の塗り替え、天井・障子・襖の張り替えの工事を行いました。その後、これまでの40年間の日系社会の節目ごとに日本館の修復工事を行い、また、ブラジルの関係施設の工事も手がけてきました。これで、ブラジル日本移民の歴史を残すお手伝いができたのだと感じています。
―― 岐阜県民のみなさんにメッセージをお願いします。
中島会長 母県である岐阜県と関西が結びつくようにと、年に1回「岐阜ふるさと祭り」を10月に行っていますので、関西で働く方や商売をされている方はぜひ、お越しください。ケイちゃんや飛騨牛、イワナなど、郷土の食べ物が食べられます。
―― 岐阜のことをまとめていらっしゃるブログや冊子についても教えてください。また、中島会長が感じる加子母のイメージも教えてください。
中島会長 「自然に生きる」のタイトルで「note」にてブログを書いています。ブログを一年ごとにまとめて冊子にしていますし、加子母の四季を撮影したカレンダーも作成しています。加子母は山奥の頂上に近いところにある地域なので、四季の移り変わりが非常に綺麗なところです。この辺りの標高は700m〜2,000mで、冬は寒くて雪が少ないため、木は冬目が細かくて強く、雪に押されて変形せず真っ直ぐ素直に育ちます。良質な建材にすることができるため、東濃ひのきのブランドで家づくりをしているのです。また、この辺りの方は人柄もよいので「人も綺麗、水も綺麗、空気も綺麗」が私の加子母のイメージです。
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