未来を切り拓く先導者となれ
17の夢が織り成す岐阜の創造
公益社団法人日本青年会議所
東海地区 岐阜ブロック協議会
会長 田中雄貴さん
一般社団法人 関青年会議所所属
17の青年会議所が輝くため、全面的にサポート
―― 今年度の活動内容について教えてください
田中 地域をけん引できるリーダーになってもらいたいという思いから、学びを深めて、地域で活躍できる人材を育成していきたいと考えています。もう一つは、独自性のあるまちづくりをそれぞれ行っていくことで、世界から注目される岐阜県を目指していきたいという思いから、本年度のスローガンは“未来を切り拓く先導者となれ 17の夢が織り成す岐阜の創造”にしました。
その中で青少年育成事業という形で、子どもたちが夢に向かって挑戦して、勝ち負けだけでなく相手を称えることができる豊かな心を育むために「JCカップU-11 少年少女サッカー岐阜ブロック大会」を6月に開催します。
9月には「第64回岐阜ブロック大会2023」を開催します。岐阜県内の宝や魅力を一堂に集めて、青年会議所に所属しているメンバーだけではなく、岐阜県中の人に、岐阜県のことをもっと知ってもらうことができる機会とします。
以上の二つが一般の方も参加できる事業なのですが、岐阜ブロック協議会に求められている目的は県内にある17の青年会議所の活動を支援していくことです。17の青年会議所がそれぞれの地域で輝いて、独自性のあるまちづくりを行っていくために、各青年会議所に寄り添って活動を支援していきたいと考えています。
―― 具体的にはどのような支援をしていくのですか?
田中 例えば選挙があって、「公開討論会を開催したいけれど、どのようにやったらいいかわからない」と言われた時は、全国各地で公開討論会は行われていますから、そうした情報を集めて提供します。あるいは、「こういう事業をしたいけれど人材が足りない」「会員拡大をしたいけれどクロージングが上手くできない」と言われた時は、私たちが協力して情報共有を行っていきます。
たくさんの価値観や考え方を知ることができる
―― 個人的な話も伺いたいのですが、JCに入って、ご自身の成長をどのように感じていますか?
田中 JCに入ってたくさんの人と出会う中で、単に人脈というだけでなく、コミュニケーションをとったり、一緒に事業を作っていくと、その人の考え方や価値観などいろいろいなものが吸収できます。多くの人と出会えば、その分たくさんの考え方や価値観を知ることができます。その意味では、私は出向が大好きです。関青年会議所での活動をしながら、岐阜ブロック協議会の一員としても多くの活動させていただきました。2021年度は関青年会議所の理事長をしていたので、理事長として岐阜ブロック協議会に関わっていましたし、2022年度は監査担当役員という役員として携わってきて、出向して岐阜ブロック協議会に関わるのはとても楽しかったです。
―― 出向に大きな楽しみを見出していたということですが、何か大きな出会いがあったということですか?
田中 特定の人との出会いでインパクトがあったというよりは、委員会に出向すると、県内17の青年会議所から一人か二人ぐらい出向してきて、20人から30人ぐらいのチームができあがります。その人たちと新しく知り合いになり、考え方や価値観を知ることができたのは、面白い経験でした。
―― 面白い経験ということですが、具体的なエピソード話があればお聞かせください。
田中 会社の中だと部下から新しい考え方で提案されても、なかなか素直に受け入れられなくて、自分の考え方と違うと「いや、今回はこっちの考え方でやってください」と自分の考え方を押しつけてしまうことが多かったです。でもJCは対等です。対等のメンバー間でコミュニケーションをとって、全員で一つの事業を作ります。そうなると、自分の考えを押しつけるばかりでは難しいです。「そういう考え方もあるんだな」ということを知っていくことができて、多くの選択肢がある中で、「これとこれを組み合わせてやっていこう」という具合に進んでいきます。相乗効果が出て、よりいいものになって、事業自体も大成功に終わって、とても楽しい1年でした。
その結果、JCを通して一番大きく得られたものとしては、聞く力があると思っています。「なるほど、そういう考え方もあるね。じゃあ今回はそれでやってみよう」「その価値観は知らなかったな、任せるからやってみよう」と言えるようになりました。社員それぞれの価値観を拾い上げながら、仕事が進められるようになったと思います。
どん欲に学び、吸収したい
―― そもそもJCにはどのようなきっかけで入ったのですか?
田中 2016年に入会しましたから、8年目になります。26歳で結婚したのですが、婿養子として関に来ました。それまでは名古屋で働いていましたし、仕事もなかなかやめられなかったので、実際は、29歳までは営業職として名古屋で働いていました。30歳をきっかけに関へ来て家業を継ぐことになったのですが、前職とはガラッと変わって、ものづくりですから、上司から厳しく教えられて2年ほどは外に出ることなく工場の中で働いていました。2年が経ち、ある程度仕事も覚え、自分で作ることができるようになったタイミングで、誘われていたこともありJCに入会しました。
入会して2年目に出向というチャンスをいただいて、それにハマってしまった感じです。やっぱりたくさんの人と出会うのは楽しいと感じました。
―― 今年度はブロック協議会の会長ですから、ますますやりがいを感じているのではないですか?
田中 47都道府県それぞれに会長がいます。月に1度は全員が集まって東京で会議が行われます。そこでも、「うまいやり方をしているな」「それは、いい事業だな」といった具合に吸収させてもらっています。今年で40歳になって、最後の年になりますから、どん欲に学ばせてもらおうと思っています。
―― 最後になりますが、JCで、これは鍛えられたなと感じたことはありますか?
田中 仕事が終わってからの時間を利用して、19時か20時頃から集まって事業を作っていきますが、時には深夜1時、2時に終わることもあります。そして、その資料を会議にかけるのですが、先輩方からコテンパンに意見を言われることもありました。中にはゼロベースで資料を作り直すこともありました。でも、時間をかけた分、当日が大成功に終わると感動もひとしおです。精神力も相当鍛えられたと思います。
資料作りに関しては、自分の役にも立っていて、国の補助金などの資料は適当なものを用意できていると感じています。採択率が決して高くはない補助金でも、読み手に分かりやすい骨格づくりを鍛えてもらえたおかげで採択してもらえましたので、JC活動は仕事にも活きています。