一般社団法人 岐阜県経営者協会 林 敬治 会長

Leader's Voice

住みやすく、働きやすい、豊かな環境の岐阜 県外からの流入人口も増えるように活動中

一般社団法人 岐阜県経営者協会の林敬治会長

Interview

一般社団法人 岐阜県経営者協会

林 敬治 会長

株式会社大垣共立銀行 取締役頭取

経営者の共通課題となる採用、社員の定着率、賃金アップに関する情報を提供

―― 経営者協会さんの活動の取組についてお聞かせください。

林会長 当協会の不易のテーマは「人」です。多様な人材の確保と定着、働き手の能力開発・スキルアップ向上が重要だと考え、次の3項目を重点的に活動しています。1つは、社会経済変化への取組です。SDGs、DX、GXに関する情報発信、行政等と連携し、中小企業の生産性向上や新しい価値を生み出すための変革への支援などを行います。

2つ目は働き方改革への取組です。「就業規則」に関する人事・労務セミナー、女性のキャリアデザインセミナー、離職防止セミナー、副業兼業を考えるセミナー等、多様な人材が活躍できる、多様な働き方についての啓発や情報提供を行います。そして3つ目、多様な人材の雇用・育成への取組をしています。

岐阜県内の企業さんに経営課題を聞くと、いの一番に「人」とおっしゃいます。採用、社員の定着率、賃金の向上の3つがセットになった中小企業経営者の共通課題です。だからこそ、経営者協会は「人」をテーマに活動をしています。私たちが就職活動をした頃と比べて、会社と働く人の雇用関係が変わってきているように、時代の変化に対応していきます。

一般社団法人 岐阜県経営者協会の林敬治会長との対談風景

人事労務セミナーの様子

人事労務セミナー

監督士養成講座の様子

監督士養成講座

女性のためのキャリアデザインセミナーの様子

女性のためのキャリアデザインセミナー

―― 新卒者の採用についてはいかがでしょうか。

林会長 大学生の就職活動が早期化している中で、大学1年生から岐阜県内の企業を知っていただきたいという想いがあり、岐阜県内の企業、団体と岐阜県、産官学が一体となって、積極的にインターンシップを行うことをすすめています。特に、地元の方を積極的に採用していきたいということで活動をしています。

―― 学校の協力も必要になりますね。

林会長 はい、これまでのように一般の会場で開く企業合同説明会ではなく、各大学さんに協力いただき、授業の一環として、企業側が学校へ出向く形で、校内で企業合同説明会を行っています。大変、好評いただいており、1年間に、岐阜県・愛知県の大学で年間10回程度の開催を予定しています。普段から地元企業を身近に感じていただき、本格的な就職活動が始まったら、知っている会社を訪問していただく流れができています。

また、大学のキャリアセンター職員や高校の進路指導担当者と、企業の採用担当者が情報交換会する懇談会の開催もしています。情報交換会を通じて、企業と学校のパイプ作りを支え、採用に繋げていきたいと思います。

―― 愛知県の学校とも連携をしているのでしょうか。

林会長 今は商業高校、工業高校の進学率も高まっていますし、岐阜県内の学生が名古屋や東京、大阪の大学へ進学し、そのままそこで就職する場合が多くあります。県外への流出を抑えるだけではなく、県外からの流入にも力を入れています。

企業合同説明会の様子

企業合同説明会

高校求人懇談会の様子

高校求人懇談会

同じ県内でエリアごとに特徴があり、刺激を受けられる岐阜県

―― 林会長が感じる岐阜県の印象を教えてください。

林会長 人口200万弱という、全国の都道府県の中でも上位の人口数であるにもかかわらず、自然が豊かにあるのが岐阜県です。歴史に基づくコンテンツも多いですよね。仕事柄、県内をあちこち行って実感していることがあるのですが、面積が広いということもあり、岐阜と西濃のエリア、郡上と飛騨・高山のエリア、東濃エリアと、エリアごとに自然と歴史に特徴があるので、県内を移動するだけで刺激を受けることができます。

岐阜・西濃は名古屋という都会に近く、製造業や各種企業さんが多いですし、郡上や飛騨高山は観光が根付いていて、観光関連の企業さんが多い。飛騨高山は江戸時代の幕府直轄の地であることから、飛騨の匠、天領など、雰囲気が違うところもいいですよね。富山の海が近いことから、実はお寿司や魚がおいしいんですよ。高山祭りは地元のみなさんが誇りをもって開催される。だからこそ、魅力があり、海外の方からも注目されているのだと思います。岐阜県内のどのエリアもそれぞれ住み心地が良く、働く場所もある、非常にいいところだと思います。

―― 林会長は池田町ご出身だそうですが、池田町で好きなところはありますか?

林会長 池田山がおすすめです。924mの山頂から見る景色はとても素晴らしく、車で行けるところもいいですね。

―― 岐阜県の経済の動きについてはいかがでしょうか。

林会長 東海地域全体の産業で考えると、中心になっている業種は圧倒的に自動車関連産業です。日本を代表するメーカーだけでなく、自動車部品を製造している中小企業も多く、最終的に自動車の形となって、輸出されている産業が多い印象です。アメリカと上手に付き合いながら、中小企業さんへ発注単価は守られているので、安心しています。各務原市の中心となっている航空機産業もあり、製造業が中心の県だなと感じています。

東濃では陶磁器、関では刃物の輸出が盛んなので、企業さん自身が直接、輸出をしていなくても、最終的な製品が輸出されている、輸出に根差している企業が多いところが特徴です。

座右の銘は「独立独歩」。時間ができたら趣味に、健康維持に有意義に

―― ご趣味やお好きな本を教えてください。

林会長 昔からの趣味は渓流釣りとカメラです。そろそろ仕事も落ち着いていよいよ趣味に没頭できるなと、思っていたところ、頭取に就任し、経営者協会の会長も務めさせていただき、以前よりオフタイムが少なくなっておりまして(笑)。 渓流釣りは地元から近い坂内川で、アマゴやイワナを釣るのが好きです。ただ、最近は熊との遭遇が心配なので、周囲から止められています。

カメラに関しては、富士山を撮りたくてしょうがないのです。春夏秋冬、特に冬の富士山が撮りたくて。湖に映る逆さ富士や日の出のダイヤモンドとか、いろいろな季節、天候の富士山を撮影したいと思っているのですが、これもなかなか撮影に行く時間がなくて。 ただ、私の6歳の孫が飛行機が好きで、セントレアや名古屋空港へ連れて行く機会があり、それなら望遠レンズもあるし、飛行機を撮影してみようとカメラを持って行ったのです。孫は飛行機がすごく詳しいので、私の写真を見て、「こうした方がいい、これがかっこいい」とアドバイスをくれるので、意地になってしまいまして。その後、数回、セントレアのデッキで飛行機を撮って、温泉に入って、帰ってくる、というような休日を過ごしています。

読書に関しては、歴史書が好きなので、若い頃は山岡荘八の本を読みました。

―― 学生時代のご趣味やスポーツはされていましたか?

林会長 大学まではバレーボール、大学に入ってからテニスなど、いろいろなスポーツを少しずつ経験しています。大学3年生の頃、友人に誘われたのがカメラです。当時はSLを撮るのが好きでした。フィルムカメラですから、グググッとブレたような撮り方をするとかいろいろな撮り方で表現していましたが、シャッターのひと押しが無駄にできない時代でしたね。

―― お忙しい中、ご自宅ではどのようにお過ごしでしょうか。

林会長 家にいて時間がある時は、YouTubeを見ています。時事的な動画を見ることが多いのですが、夏は高校野球関連の動画を頻繁に見ていました。寝る前は間違い探しの動画を見て、脳を鍛えています。あとは家の中でできるウォーキング動画やエクササイズ動画を見て、一緒に体を動かすこともあります。

―― 座右の銘を教えてください。

林会長 一番好きな言葉は「独立独歩」です。とにかく何でもいいから自分で切り開いて前へ進んで行くことを大切にしています。外からの影響は受けないでおこう、という気持ちの表れかもしれません。また、「怒ると叱るを間違えるな」ということと、「信頼と信用を取り違えるな」ということを意識しています。四字熟語なら「不撓不屈」。いい言葉だと感じています。

―― 最後に、子どもたち、学生、若者にメッセージをお願いします。

林会長 自然があって元気な企業が多い、住みやすくて働きやすい岐阜でぜひ、活躍してください。都会に行けばいいことがありそうだな、という気持ちも分かりますが、もし、行ったとしても戻って来て欲しいと思います。自然を味わいながら、ゆったりした空気が流れる岐阜で生活するのもいいのではないでしょうか。ぜひ、岐阜県に住んで、人生を謳歌してください。


■一般社団法人 岐阜県経営者協会のホームページはこちら

この記事をシェアする

関連記事