INTERVIEW
Leader's Voice
WRC、五平フェス、栗フェス…。多彩なイベントを開催し、市内に人を呼び込む
Interview
小坂 喬峰 市長
世界大会の開催で市内の魅力を情報発信
-- ラリーを活かしたまちづくり推進事業の概要と具体的な事業内容について教えてください。
小坂市長 当市は、昨年初めてFIA世界ラリー選手権(WRC)日本選手権の開催地になりました。昨年は民間事業者による主催でしたが、今年からは自治体が主催者に変わりました。ですから、自治体主催によるWRCが日本では初めて開催されることになりました。豊田市では10人以上で構成される専門部署も立ち上がって、当市からも3人の職員を派遣しています。
-- 行政が主催者になる意味合いはどんなところにあるのですか?
小坂市長 WRCは13戦行われるわけですが、世界選手権ですから世界各国で1戦ずつ開催されます。開催国を見ると、例えばクロアチア、フィンランド、エストニア、ギリシャなどは自動車メーカーがありません。では、なぜ開催するかというと、まずは観光です。さらには国の知名度を上げるなど様々な意味合いもあり、国として誘致をしています。日本としては、観光に来てもらうことはもちろんですが、日本のよさをアピールする、あるいは日本の自動車メーカーを含めた日本の力を世界に発信するという目的が一番にあると思います。そのうえで当市としては、当市のよさを世界の人に知ってもらう機会としては非常に意味があると考えています。
現在は全13戦の開催ですが、「日本は力を入れて開催しないと、ほかの国にとられますよ」とよく言われます。それぐらい人気があって、国としての競争になっています。
-- 昨年の民間主体から行政主体になって、やり方で変わった部分はありますか?
小坂市長 やり方自体は大きく変わりません。ただ、運営主体が営利企業から地方公共団体に変わりました。その意味では、よりパブリックになったということで、観光PRや地方からの情報発信などに重きを置いて運営しています。契約は今年から3年ということになっています。なんとか3年の間に成果を出して、その後も引き続き開催できるように頑張っていきたいと思います。
-- 今年からは専属の職員で構成されるラリーまちづくり課も新設したようですが、職員の皆さんは大変でしょうね。
小坂市長 はい、大変です。さすがに世界選手権レベルになると、経験者もほとんどいません。自動車レースの世界選手権は大きく分けると3つあります。F1、ル・マン24時間レースに代表される耐久レース、そしてWRCです。F1と耐久レースはサーキットで開催されますからサーキットの主催になります。運営は基本的にサーキットのスタッフが当たることになります。ただ、WRCは、一般の公道を使いますから自治体の協力や、地元住民の合意も必要になりますし、スタッフも揃えないといけません。その点が最も大変です。
-- 市民の関心も高いでしょうね。
小坂市長 はい。リエゾンと呼ばれるスペシャルステージ(SS)とSSの間の一般公道区間は自由に見ていただけます。昨年も大変な人で賑わいました。チケットを購入された方が優先的に見ることができるSSは市民の皆様に先行発売させていただきました。
-- メディアの注目度も高いですね。
小坂市長 はい。ただ、もっと取り上げてほしいです(笑)。「なんだ、ガソリンばらまいて走るだけじゃないか」と言われることがありますが、WRCはSDGsや脱炭素に積極的に取り組んでいます。使っている燃料は合成燃料ですし、イベントそのものもSDGs、脱炭素に準拠して、様々なことをクリアしないと開催できません。その意味では、環境に対するヨーロッパの先進的な哲学を持って開催しています。
-- 昨年初めて開催したわけですが、手ごたえはありましたか?
小坂市長 はい、ありました。ただ昨年は地元協力自治体という立場でしたが、今年は主催者に立場が変わりました。責任感という意味では明らかに大変ですが、競技運営に関しては慣れたスタッフの皆さんがやってくれます。あとは興行的にお客様にどのように見てもらうか、どういった形で多くの方に知ってもらうかなどという点については、今年が初めての挑戦になります。
「栗フェス」「五平フェス」「全国発酵食品サミット」
秋の3大たべるイベントを開催
-- 続きまして、栗フェス・五平餅フェス、全国発酵食品サミットinえな開催事業の概要と具体的な内容について教えてください。
小坂市長 今年は「五平フェス」「栗フェス」「全国発酵食品サミット」の3本のイベントに力を入れて取り組んでいます。9月に「みのじのみのり祭」という当市では最大規模のイベントがあって、五平フェスは、その中に組み込む形で開催しました。今年は現場で五平餅を買っていただいて、自分で焼いてたれを塗るという五平餅焼き体験を開催して、結果1,012本、五平餅焼き体験人数日本一という記録が認定されました。お祭り自体の来場者は2日間で約10万人といわれていて、市内外から8店舗の五平餅店による出店もあり、大行列ができるなど賑わいを見せました。
栗フェスは10月に開催しました。大々的な開催としては今年が初めてだったのですが、こちらも本当に多くの人で賑わいました。栗きんとんや和菓子、栗ご飯、栗粉餅、栗を使ったスイーツなど様々なお店の出店があり、こちらもたくさんの行列ができました。
11月25、26日には「全国発酵食品サミット」が開催されます。元々、当市には発酵食品が多く残っています。味噌、漬物、しょうゆ、五平餅、日本酒などたくさんあります。そこで、地元の食のよさを改めて見直そうということで、数年前から発酵食品に対する取り組みを進めてきました。その取り組みの一つに発酵ソムリエという資格の取得があります。これまで資格の取得は東京でしかできなかったのですが、昨年から東京とオンラインでつないで恵那会場を作っていただき、発酵ソムリエの資格を市内で取れるようにしました。受講者は44名で、市内から35名、9名は市外、県外の方でした。そうした流れの中で、今年は全国発酵食品サミットを開催することになりました。こちらも多くの方で賑わうのではないかと期待しているところです。
-- 地元の食にふれる、よいきっかけになりそうですね。
小坂市長 地域に伝わってきた食を、次の世代に残していくことは大事ですし、おそらく残るべくして、残ったのだと思います。味噌、しょうゆ、五平餅が残っているのは、この地域の風土に合っており、アイデンティティとして根付いて、「これを食べているから、いつまでも元気でいられるんだ」という最強のパワーフードとして存在しているからだと思います。食を大切にしていくと、ほかの地域から来た方が「恵那市へ行くと、あれがうまいから行ってみよう」ということで当市を訪れるきっかけにもつながると思いますので、食をもう少し大事に育てていきたいという思いの中で、発酵食品に力を入れて取り組んでいます。
SDGs推進協議会を立ち上げ
セミナーやワークショップを開催
-- 最後になりますが、恵那ふうど認証事業の概要と具体的な内容について教えてください。
小坂市長 当市はSDGs未来都市の選定も受けて、SDGsや脱炭素に対する取り組みをスタートして2年目になります。特にSDGsについては「恵那市SDGs推進協議会」を立ち上げました。市内の事業者に参加していただいて、自分たちでSDGsを学んで実践していく取り組みをしています。例えば、「この食品は地産地消しています」「脱炭素のクリーンなエネルギーを使いました」といったことを訴えるだけで商品の価値は上がります。その点がSDGsの本来的な目的だと思いますので、そうしたことを学べる仕組みを作ろうということで取り組んでいます。
具体的な取り組みの一つが、質問にあった恵那ふうど認証事業ですし、シンボルマークを作ったり、セミナーや勉強会、ワークショップも開催しています。12月には先進地の視察も予定しています。中部大学が当市にSDGsの研究施設を作っていますので、大学とも連携しながら実践活動を進めていきます。
恵那ふうど認証事業については、食べ物の“フード”と“風土”を掛け合わせたもので、地域に伝わる食を大切にする、あるいはそうしたことに取り組んで安全・安心な食を提供することを一つの基準にする取り組みです。まだスタートしたばかりで具体的な取り組みとしてはこれからになりますが、地域ブランドを構築し、地域経済の活性化につなげていきたいと考えています。
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