INTERVIEW
Leader's Voice

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石田 仁 市長
石田市長 当市は、古くから「水都大垣」と称され、その象徴である「湧水」によって、発展してきました。常に身近にあった水との距離が、少し離れてきたと感じる中、今一度、市民の地域愛を醸成し、さらに、より一層 魅力的な資源として活用するため、市民の皆様と、大垣を訪れるすべての方々に「水を見る機会」、「水に触れる機会」を提供し、「水都を感じられる風景」を創っていくことが重要であると考えています。

そのような中、令和5年度から、「水都大垣 再生プロジェクト」を立ち上げ、各種施策を展開してきました。令和5年度は、水門川の水辺空間を活用した、官民連携によるイベント「かわまちテラス」や、「水都大垣 水辺で乾杯」事業等を実施し、「国土交通大臣」から「かわまち大賞」を受賞しました。令和6年度には、玄関口である大垣駅の南口に、新たに井戸舟を2か所(出会いの泉、集いの泉)設置し、大垣にお越しいただいた方々に、「水に触れる機会」を創出し、湧水のまちの魅力を広くアピールしてきました。湧き出る井戸水は年間を通じて15度ぐらいで安定していて、夏は冷たく冬は少し温かく感じられて、多くの方から「とてもいいですね」という声もいただいています。“水都大垣”を多くの方にPRできていると思っています。また、美濃路沿道の新たな湧水スポットとして整備した「清水町緑地」に東屋を設置するとともに、「歩いてみたい・歩きたいウォーカブルなまちづくり」をテーマに、まちなかの情報案内を充実させました。

清水町緑地
今年度は、これまでの成果を生かし、「水都大垣 再生プロジェクト2.0~水めぐる大垣~」をテーマに、様々な部局の「共創」により、大垣の地域固有の資源である「水」を介して「人・地域・誇り」が循環し、発展するまちを目指し、さらなる事業展開をしているところです。「新世紀 エヴァンゲリオン」のメカニックデザインを手掛けた山下いくとさんは、大垣市出身・在住です。7月には山下さんにデザインしていただいたオリジナルマンホール蓋を製作し、大垣公園内に設置しました。「完成披露セレモニー」には山下さんに参加いただくとともに、大変多くの方にお越しいただき、素晴らしいスタートを切ることができました。大垣城を守るように水門川から機体が顔を出すデザインは、山下さんの思いがこもったもので、当市に対する「ふるさと愛」も感じられる素晴らしい財産です。当市は、歴史・文化資源が豊富にあります。そうしたものを新しい視点で掘り起こすことで、より多くの方に当市の素晴らしさを知っていいただく取り組みを、今後もさらに進めていきたいと思います。

デザインマンホール

デザインマンホールに手を添える山下いくとさんと石田市長
石田市長 大垣駅は、「JR東海」を始め、養老鉄道、樽見鉄道が乗り入れ、1日平均 約16,000人が利用する、大垣の玄関口です。特に、毎日多くの人の往来がある駅南口では、平成29年度の「南街区広場整備」を始め、これまで、水を感じられる、潤いのある空間づくりを進めてきました。これからの暑い時期には、銘菓「水まんじゅう」を求めて駅周辺の菓子店に行列が出来るほか、近年では、南街区広場の「亀の池」で、親子連れが水遊びをしたり、週末の夜になるとビアガーデンで多くの人が食事を楽しんだりと、大変多くの人が集い、賑わうようになってきました。
ただ、整備から40年が経過した駅南口の公衆トイレを、玄関口にふさわしいものにしてほしいという要望もたくさんありましたので、再整備することにしました。外観は、市の中心部を静かに流れる水門川の曲線美を取り入れ、川に架かる橋を屋根で抽象的に表現したデザインとしており、「水都大垣」を訪れる皆様に、トイレの佇まいからも大垣市の個性を感じ取っていただけるよう、イメージしています。
設備としては、すべての個室にベビーチェアを完備するほか、一部の個室には着替えに対応した親子ブースを設ける等、子育て世代の皆様にも安心してご利用いただける、ゆとりあるスペースをつくるとともに、いつでも誰でも身だしなみを整えることができる、パウダーコーナーを設置し、今年度中の供用を予定しています。
石田市長 「大垣西インターチェンジ」周辺地区は、東海環状自動車道を始め、国道21号、主要地方道・大垣環状線が結節するとともに、東海道本線が通り、「JR荒尾駅」が近傍に位置する交通の要衝です。防災を考えるうえで、交通の結節点にある程度の面積を持った拠点施設を整備することで、物資を集めたり避難場所としての機能を持たせたいという思いも以前から持っていました。
こうした中、当市では、民間事業者や地元住民の皆様からの要望等を踏まえ、「道の駅」を核とした施設整備により、「ぎふ西美濃の新たなゲートウェイ」としての役割を最大限に発揮し、「地方創生」、「持続可能」な都市の実現に向けた土地利用を目指す、「大垣西インターチェンジ周辺土地利用構想」を、令和6年度に策定しました。昨年度には、学識経験者や地域住民等の皆様で構成する、「道の駅整備 検討委員会」を設置し、道の駅の具体的な整備手法や周辺土地利用のゾーニングを盛り込んだ「道の駅等整備 基本方針」の検討を重ね、6月、策定に至ったところです。
この方針では、道の駅の整備戦略として「成長する道の駅」を掲げ、大きく2段階で整備を進めます。「フェーズ1」では、「道路事業予定地」である国有地をお借りし、コンテナ等の「移動型モジュール」によるトライアル的な運用により、道の駅の早期供用を目指します。「フェーズ2」では、「フェーズ1」で得た知見を生かしつつ、道の駅単体の整備に留まらず、民間施設と一体的に整備する事により、大垣西インターチェンジ周辺が新たな交流拠点となり、多くの人が集まる場所になることを目指します。特に国道21号については、大型トラックが休憩する場所がほとんどありません。多くの方にとって有益になるような拠点施設の整備ができたらと考えています。

大垣西IC周辺
石田市長 当市では、「大垣市都市計画マスタープラン」「大垣市立地適正化計画」等、各種計画に基づいて、将来を担う子ども達に持続可能な都市を継承していくため、都心居住を促進しながら、コンパクトで賑わいのあるまちづくりに取り組んでいるところです。
平成29年度に当市初となる「法定再開発事業」により南街区の整備を行ったことを契機に、駅周辺では、マンション5棟、ホテル1棟の建設等、民間主導の開発が進み、定住人口の増加や新たな賑わいが生まれてきました。一方で、令和元年8月の百貨店閉店によって空洞化が見られることから、駅南側の再生と活性化を図る事が急務であると認識しています。
こうした中、旧百貨店を含む大垣駅南前地区では、当市で2番目となる「法定再開発事業」の推進に向け、昨年6月に、準備組合により事業計画が作成され、1月に「市街地再開発組合」が設立されました。
公益施設については、「市民ギャラリー」や「地域産業の発信の場」として活用される予定があり、賑わいと交流を生み出す拠点として、期待しています。また先日、国税庁が発表した路線価においては昨年に引き続いて上昇したエリアです。多くの皆さんからの期待も高いと思いますので、しっかりと前に進めていきたいと思います。
石田市長 上石津地域では、少子化に伴う小中学校の統合・再編により、令和6年3月末をもって4小学校が閉校となりました。義務教育学校として開校し、通学バスも円滑に運行されていて、地域の方からも好評をいただいています。閉校になった跡地利用については、全国でも難しいと言われる中、当市では、跡地利用をする事業者もすでに決定しました。
「牧田小学校跡地」については、「一般社団法人 MOF MUSEUM NAGOYA」に対し、補助金を交付し、今年2月、「第1回ル・グラン・コンクール・フロマジェ・MOFセレクション・ジャポン」と題し、「国際チーズコンクール」が同施設で開催されました。このコンクールには、70もの事業者から161の商品がエントリーされ、大会3日間を通じて、延べ3,700人の方に来訪頂く等、新たな職人技術及び国際交流の拠点施設として活用されています。
「一之瀬小学校跡地」については、ドローンの講習施設として活用されており、「多良小学校跡地」については、学校法人平野学園が環境の大学院大学の設置に向けて動いているところです。
「時小学校跡地」につきましては、令和6年10月からJ-MAXが、ウナギの養殖を行い、その水を活用してイチゴの栽培も行うという実証実験に取り組んでいます。また、体育館は「BMXパーク」としてオープンし、将来のオリンピック選手を目指すジュニアライダー等が全国から訪れ、日々トレーニングに励む等、上石津の知名度向上に大きく貢献しています。

MOFセレクション・ジャポン風景

MOFセレクション・ジャポン
石田市長 今年は、昭和51年の「9.12豪雨災害」から50年という節目の年にあたります。幸い50年間にわたって大きな災害はなかったわけですが、その分、職員のノウハウも低下します。この間、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震などに職員を派遣してきましたが、災害から得た教訓と記憶を風化させる事なく次世代へ確実に継承していくことは、災害に強いまちづくりを推進する上で極めて重要であると考えています。
こうした中、令和3年3月に紙媒体の「洪水ハザードマップ」を作成してから、5年が経過したことから、色使いの見直しや土のうステーションの掲載等、新たに取り組んだ内容を反映した「洪水ハザードマップ」に改定し、全戸配布するとともに、「大垣市防災ポータルサイト」や「広報おおがき」等を通じて広く周知してまいります。
また、令和6年8月の台風第10号接近に伴う大雨では、杭瀬川の水位上昇により赤坂地区を中心に浸水被害が発生し、警戒レベル5の「緊急安全確保」を発令しました。この災害では、河川の氾濫だけでなく、市街地に雨水が滞留する内水氾濫の危険性についても改めて認識しました。これを受け、今回の改定に合わせて、大雨の際、排水が追いつかず、市街地が浸水する範囲や深さを示した「内水ハザードマップ」を新たに作成し、「洪水ハザードマップ」に追加することにしました。今後は、昨年度に作成した、浸水リスクを立体的に確認出来る「3D洪水ハザードマップ」と、今回改定する「洪水・内水ハザードマップ」を効果的に活用した防災訓練や啓発活動を通じて、災害対応を自分事として捉えた自主防災活動の活性化を図っていきます。
石田市長 TKB48は「トイレ・キッチン・バス・ベッドを被災から48時間以内に設置する」というものです。
能登半島地震では、本市からも多くの職員を派遣し、現地の避難所運営などに従事しました。派遣した職員は寝袋を持参していましたが、「車の中で寝た」「床の上で寝た」という状況で、休息をとる環境は大変厳しいものでした。こうした現場の経験を踏まえ、本市では避難所の生活環境の整備を進めています。
トイレについては、快適な避難所環境整備の一環として、昨年度導入した圧着式トイレやトイレトレーラーを始め、「テント付き簡易トイレ」や「段ボールトイレ」等を備蓄しており、今年度新たに導入する「トイレカー」も積極的に活用します。
キッチンについては、市内の学校給食センターを「炊き出し拠点」として活用します。また、大垣駅には定期的にキッチンカーが集まり、ビアガーデンなども開催されています。キッチンカー事業者とも連携していますので、有事の際は、キッチンカー事業者による炊き出しが実施される体制を整えています。

大垣駅キッチンカー

大垣駅キッチンカー
バス・ベッドについては、段ボールベッドや発泡スチロールベッドなどを常備し、避難所においても被災された方々が快適に睡眠をとれるスペースを確保できるよう努めていきます。また、市内の温浴施設と入浴支援に関する協定を締結し、有事の際もお風呂を利用していただける準備を整えているほか、自衛隊による野外入浴支援など、関係機関との連携も密にしていきます。こうしたハード面の備えに加え、訓練を通じて市民皆さんと共に防災意識を高め、災害時に大切な命を守れるよう、取り組んでいきます。
石田市長 大垣市総合体育館は、名誉市民である「田口利八」氏から、「西濃運輸創業50周年」を記念し、体育振興に私財を寄附したい旨の申入れを受け、スポーツ活動の拠点として、市費と寄附金によって1980年に完成・供用開始しました。
毎年12月には、「水の都杯9人制バレーボール女子選抜優勝大会」が開催されるほか、今年1月には、バスケットボールBリーグ・3部の「岐阜スゥープス」の試合が、「大垣ホームタウンデー」として開催される等、多くの方にご利用いただいています。
こうした中、近年の記録的な猛暑を踏まえ、スポーツ活動中の熱中症を予防するとともに、災害発生時における避難所としての機能向上を図るため、空調設備を設置します。整備は2か年に渡って計画的に進め、今年度に第2・第3体育館、来年度に第1体育館の整備を完了させる予定です。
石田市長 子どもたちの活動の場であり学校行事の場でもある学校の屋内運動場は、体育の授業で使用するとともに、災害時には地域の避難所としての役割も担っています。近年の記録的な猛暑を踏まえ、児童生徒の熱中症予防を図ると共に、避難所としての機能を一層高める為、小中学校の屋内運動場に空調機を設置しています。
昨年度に10校の小学校で整備を完了しており、引き続き、今年度には、小学校8校、義務教育学校1校で整備を予定しています。これによりすべての小学校と義務教育学校で整備が完了し、来年度に中学校で整備を行うことで、すべての市立学校において整備が完了する計画としています。なお、現在、空調を備えた屋内運動場への改築を進めている中学校1校につきましては、令和10年度の供用開始を目指しています。子どもは当市のみならず日本にとって大切な宝ですから、最優先で取り組んでいきたいと思います。
石田市長 当市では、「共育て」という考え方を大切にしています。学校、子ども、保護者、 さらに各種団体、企業、行政が一緒になって子どもを育て、それによって企業や団体自身も一緒に育っていける環境を作っていきたいと考えています。
その中で、老朽化した施設の改築や設備更新を計画的に推進しています。老朽化が著しい南保育園につきましては、既存施設の活用や施設の集約化を図るとともに、更なる保育環境の向上等のため、南小学校敷地内に移転改築致します。少子化が叫ばれる現在ではありますが、幼保小連携が一層推進できるよう事業を進めて、これを前例としながら今後の進め方についても考えていきたいと思います。
石田市長 私たちが子どもの頃は、居場所は自分たちで見つけて遊んだものですが、現代は人間関係や環境が複雑化し、加えて夏の高温化も顕著です。そんな中で、「拠点的」「地域」「身近」の三層の多様な居場所づくりを進めています。
まず、「拠点的な居場所」につきましては、市民皆様のご意見を踏まえ、昨年4月に、「大垣市児童館」を開設しました。昨年7月には、「大垣市立図書館」の3階を拠点に、「スイトピアセンターこどもんち」を開設し、先生方に、スイトピアセンター全体を活用した 居場所を展開いただいています。開設日は、当初、毎週水曜・木曜・金曜日の14時から17時としていましたが、子どもたちの声を反映し、今年5月からは、新たに月曜日も開設するとともに、夏休み期間の開設時間を13時から17時30分までに拡大しています。

スイトピアセンターこどもんち
「地域の居場所」につきましては、地域が運営する施設の「フリースペース」を活用し、館長等による緩やかな見守りが行われる場として5か所の地区センターに登録いただき、4月に開設しました。
「身近な居場所」につきましては、店舗や事業所の一部スペースを提供いただき、オーナー等の緩やかな見守りの中、子ども達が過ごせる居場所として、子ども達が「こどもんち」と名付けた居場所を令和6年6月から募集を開始し、現在、古民家や薬局、お寺等、令和8年6月時点で11か所にご登録いただいています。以前子どもに「一番行きたいところはどこですか」と聞いたところ、「おじいちゃんの家」という答えが多く返ってきました。子どもたちにとって、本当に居心地がよくて、大人も見守ることによって温かい気持ちになれる。それによって、まち全体がさらによい雰囲気になると思いますので、身近な居場所づくりにも力を入れているところです。
石田市長 働き方改革もありますが、特別な教育的支援へのニーズが高まる中、各学校では、児童生徒の実態に応じた柔軟な支援体制の構築が求められています。こうした状況に対応するため、これまで別々に配置していた「特別支援教育支援員」と「介助員」を統合し、新たに「はぐくみサポーター」として再編しました。
「はぐくみサポーター」は、通常学級・特別支援学級の区別なく、特別な支援を要するすべての児童生徒を対象として、実態に応じた柔軟かつ切れ目ない支援を可能とし、配置人数につきましても、19名の増員を図ることにしました。
また、少人数指導や2人の教師が協力して同一の生徒グループを指導する「ティームティーチング」を進めるために、講師として配置していた「水都っ子」についても、抜本的な見直しを行いました。
引き続き、すべての児童生徒が安心して学ぶことができる環境づくりと、教員の「働き方改革」の推進を同時に実現し、「子育て日本一を実感できるまちづくり」に向け、全力で取り組んでいきます。
石田市長 近年、ひきこもりの問題は全国的に深刻化しており、当市においても社会的孤立の長期化や「8050問題」など、当事者が抱える課題は複合化・多様化しています。令和元年に庁内横断の「ひきこもり支援プロジェクトチーム」を立ち上げ、今年4月には、専従の「ひきこもり支援コーディネーター」を配置した「ひきこもり支援ステーション」を開設し、個別相談会や家族会など支援の充実を図っています。また相談支援を継続する中で、対面での相談に心理的ハードルを感じ「相談したくても相談に行けない」という声も明らかになりました。そこで、対面が苦手な方にも寄り添えるよう、メタバース空間において、アバターを活用した相談や、安心して誰かと繋がることができる「居場所」を設けています。この「メタバース空間」は昨年度に実証実験を行い、今年度からは、「西美濃地域1市8町」にもご賛同いただき、広域での実施へと発展したところです。
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