INTERVIEW
Leader's Voice
選ばれるまちの地位を確立する――まちの魅力発信はまちづくり戦略
Interview
後藤 友紀 町長
子どもが幸せなまち
―― 岐南町の強みについて、どのように感じておられますか?
後藤町長 結婚して一時的に町外へ出たことがありますが、ずっと岐南町に住んでいます。このまちに住み続けていると、岐南町が当たり前になってしまいます。一度外へ出ると、やっぱり岐南町はいいなあと思います。例えば、岐南町が子育て支援の一環として平成25年度から始めた給食費の無償化、これには私も大変助けられました。当時、こうした取組は東海エリアで初めてのことでした。今では、国で議論されるまでになりましたが。
最近、厚労省が発表した合計特殊出生率では、岐南町は県内市町村ランキング1位でした。これは1人の女性が生涯に産む子どもの数を推定した人数のことですが、まさに「子育てするなら岐南町」です。そしてさらに、多世代間の交流が盛んな「住み続けたいまちナンバーワン」を目指していきたいですね。
役場から、このまちの魅力を町内外にもっと発信していきます。まちの情報発信は、まちづくり戦略の一つです。
―― では、課題については、どうですか?
後藤町長 課題は多くあります。町長になる前、町議会議員を8年務めましたが、議員になるきっかけは、このまちには子どもの居場所が少ない、それを何とかしたいと思ったことです。具体的に言えば児童館がありません。子どもたちが安全に遊べる場所が足りない。8年間、そのことを訴え続けてきましたが、問題は解決していません。 子どもの数が減っても共働きの親が増えれば、子どもの居場所はさらに必要になるでしょう。子どもの幸せと親の幸せはつながっています。だから働く親を支援する施策も必要なのです。
―― 子どもの居場所を確保するため、新しく児童館をつくるということですか?
後藤町長 子どもの居場所づくりとして、それも一つの方法です。しかし、これからは大きな税収の伸びは期待できませんし、社会が縮小していく中での公共施設のあり方も議論していかなければなりません。 子育て世代の要望に、施設整備でこたえるか、既存の事業を拡充・複合してこたえるか。住民の皆さんの声を聞きながらしっかりと検討し、子どもファーストで取り組んでいきます。
職場環境の改善によって強い組織をつくる
―― 児童館が欲しいというのは町民の声だと思いますが、町長選では、ほかにどのような声が届いていましたか?
後藤町長 前町長のセクハラ問題も影響したと思いますが、「女性に頑張ってほしい」「若い人に頑張ってほしい」「時代の価値観に合ったまちづくり」などを求める声がありました。
―― 役場職員のポテンシャルについて、どのように感じておられますか?
後藤町長 ポテンシャルというか、役場職員が持てる力を最大限に発揮できる職場であることが大事です。 ハラスメントに関する分厚い調査報告書を読みました。とても悲しい気持ちになりました。個人も組織も深く傷ついていると感じます。皆がそれぞれの立場で大いに内省し、回復していかなければ、住民のために良い仕事はできません。 職場環境の改善のため、ハラスメント防止条例の制定に向けて、職員によるワーキングチームを設置し、部門別に議論を進めています。ルールには強制力がありますが、すべての職員が自発的な取組を行うことで、組織風土を変えていきたい。いつでも良い方向へ自力で変われる強い組織であってほしい。もちろん、ハラスメントゼロの職場を目指しますが、それでももし起きてしまったときには、相談できる、素早く対応できる優しい組織でもあってほしい。
当事者視点で子育てしやすいまちづくり
―― 町長は今、家庭で子育て真っ最中だとか。
後藤町長 はい。私には高校生と中学生の子がいますが、上の子の入学式と選挙の出陣式が重なり、どちらに出るべきか、どちらをあきらめようか悩みました。そんなとき、「こういうことに悩まなければならない社会を変えましょう。気兼ねせず、両方に出ればいいじゃないですか」と言ってくれる方がいました。勇気づけられた私は、両方に出ることにしました。 町長になって毎日忙しく働いていますが、私の働き方を職員が見ています。私の行動が、子育てしやすい社会を目指そうとする一つのアクションになればと願っています。
共感、そして想いをカタチに
―― 最後に、町長の趣味はフラダンスだとお聞きしましたが。
後藤町長 趣味はちょっとお休みしています。 人生100年時代に向けて、高齢者から若者まで活躍の場があり、元気に活躍し続けられる社会の実現には、趣味を持つことや、ボランティア活動に参加することがとても大切だと思います。楽しく学び続けること。フラダンスにも発表会はありましたが、自分の作品やパフォーマンスが他人の目に触れることで心は満たされ、つながりを求めて人々は交流します。そうした生涯学び続けられる環境をつくるのも、役場の仕事です。 選挙もそうですが、まちで行われていることにもっと関心を持ってもらい、自分にかかわることとして、どんどん参加してほしいですね。人が集まれば共感が生まれ、住民の想いがカタチになっていく。住民主体のまちづくりが始まります。
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岐南町の情報
面積:7.91km2
人口:26,259人(令和6年6月1日)
町の木:モチノキ
町の花:菊
名所・旧跡・観光
松原家長屋門
ふれあい街道・にぎわい街道
岐南町歴史民俗資料館
旧宮川家住宅
伏屋城跡
石作神社
八剣神社
隣接する自治体
岐阜市|各務原市|笠松町
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