INTERVIEW
Leader's Voice

Interview
山川 弘保 市長
山川市長 令和7年に初めて自分の思う予算編成をして、総点検をしました。合併の前から続いてきた事業の中で、令和の時代にこれまでの事業が適用するのか判断しました。財政調整基金が少ない中で、それを取り崩してやっていくべきなのか判断しなければなりません。行政は激変緩和を求めます。つまり、一度に大きな改革をすると混乱が起きたり、理解が得られないということで、段階的に落としていきます。例えば、3年後までは続けてゼロにする という手法が一般的です。しかし私は元々、外科医です。癌が広がっていく患者さんに対して、毎年 1/3 ずつ切除して3年後になしにしましょうなんてことは言えません。3年後に一度に切除して終わりにしましょうということも通じません。行政も同じだと思います。支出を止めない限りやはり予算規模は大きくなっていくので、関係各位にお話をして、事業を終了にしたものもあります。「命を守る」「郡上をまもる」「若者の未来を守る」という市政運営の基本方針の中で、若者へのシフトを掲げて、予算を回しました。

山川市長 一つは シニアクラブです。75歳以上のお祝い金をカットして、お叱りも受けました。でも「子どもが極めて少なくなっていくこの局面で元気なシニアクラブの皆さんに、子どもたちが帰ってくるまで郡上市を支えてほしい」と何度もお願いしました。すると、 シニアクラブの支部長が集まって、シニアクラブのあり方委員会をつくって、何度も議論を重ねてくれました。全国シニアクラブ連合会が標準的な指針を出していますが、その中から、子どもの見守りや地域の清掃活動など7項目を選んで取り組んでくれることになりました。シニアクラブの皆さん自らの意思で、新しい郡上市づくりに取り組んでくれるようになったことは、大変ありがたかったと思っています。
山川市長 当市は非常に広いですから、それぞれの地域でリーダーをつくることが大切だと考えました。未来を支えるのは、現在、30代、40代の若手です。その方たちが50歳ぐらいになると、一番力を発揮増します。ですから、その世代の育成に力を入れたいと考えました。議会の中で、私はその世代を“新青年団”と呼びました。婦人会が消え、青年団が消え、子ども会も消えていく中で、新青年団というグループを各地区で育成して、その方たちが地域を引っ張っていくものにしなければならないと思いました。
これまで地域のイベントは、村や町の時代から補助金という形で行政が支援をしてきました。そうではなく、地域自らがやるべきものではないかという問いかけをしました。補助金がもらえるからやる、もらえなければやらないではダメだと思っていくつかの事業は終了しました。これも大変ありがたかったです。
山川市長 はい。「若者を認めてくれる」「若者にやらせてくれる」「若者のやったことを褒めてくれる」。この三つを大事にしています。若者は自分たちの取り組みをSNSなどで積極的に発信します。その中で、「ああ、郡上市は若者を認める自治体なんだ」という認知が高まっていけば、その考えに賛同して、当市に来てくれる人も増えるでしょうし、また進学などで外へ出た人は戻ってくれると考えています。予算措置で人を集めることはできませんし、それはやるべきではないと思っています。
山川市長 5人から10人ぐらいが多いです。ただ、まだ組織ができていない地域もあります。それは文化度が高くて、すでにいくつかのグループが形成されている地域もあります。そうした地域に関しては、もう少しミクロな視点で組織していく方向になるかもしれません。
山川市長 はい。昨年9月に開催されました。巨大マルシェのような形で、お子さんの遊び場なども用意したところ、約4,000人の方々に来ていただき、大変賑わいました。今年は第2回目ということで、白鳥合併記念公園で10月に開催されます。

ミチトキテン

ミチトキテン
山川市長 はい。前市長の時代に郡上市住民自治基本条例は制定されました。ただし、アクションが伴っていない部分がありましたので、1年ほど前から、「行政の役割は何ですか」「議会の役割は何ですか」「市民の役割は何ですか」ということで、それぞれ考えていただき、自分事として捉えてもらう働きかけを行いました。「市役所に頼めばなんでも済む」「補助金をください」では、当市は立ち行きません。住民が何をしなければいけないかしっかり理解して、やる気がある地域には予算措置を行います。一律ではありませんという話を、議会はもちろん、私自ら各地域を訪ねて行いました。
山川市長 例えば図書室です。旧町村時代の名残で、各地域に図書室がありました。ただ、各図書室には図書検索システムがあって、リース料がかかります。一方で、1日に本を借りる人が平均 2.8人という図書室もありました。それを維持するべきかどうかという議論を進める中で、二つの図書室は廃止しました。でも、その地域は以前から公民館活動の拠点施設として活用していましたから、図書室ではなく公民館活動の拠点施設の中に図書室があるという形に運営方法が変わりました。財政状況が厳しい中で、どうしても公共施設の適正配置を進める必要があります。多少荒っぽいとみられる部分もあるかもしれませんが、躊躇なく進めていきたいと考えています。
自分たちの地域のことは自分たちでやる。自分事として考えることが大切だと思います。そうすれば、市の負担も減り、結果的に市民の皆さんの負担も減ります。当市に限らず、補助政策で誘導した流れがあると思います。それが当たり前になってしまって、何かあれば市役所に依頼するという流れでした。そうではなく、原点回帰して、自分たちの問題なのだ。自分たちのことは自分たちでやらなければならない。若い世代に帰ってきてもらうためには貯金も作っておかないといけない。自分たちで地域運営できるシステムも残しておかないと地域は消えるというところまでしっかり考えた上で住民自治を進めてほしいと考えています。
山川市長 まず、職員は働き方改革を強く求めていました。その中で、土日を活用すれば1週間ぐらいのまとまった連休がとれるようにしましたし、日直を廃止したり、アウトソーシングしました。開庁時間も朝8時半だったものを9時に、閉庁時間は17時15分だったものを16時30分にしました。意識改革も行いました。市長レクについては、何回校正したかわからないような丁寧な資料ではなく、簡素なものでいいと伝えました。市長室も完全開放して、ランチタイムは若手職員と食事しながら話をする機会をたくさんつくっています。資料作成のような、やらされ仕事が多いと士気も低下します。やらないといけない仕事ももちろんありますが、そういうものは簡潔に済ませて、当市を少しでも前に進めるための仕事に取り組んでほしいと思っています。失敗するかもしれません。でも勝算があればやろうと考える時間を与えないと創造的なことも頭に浮かんでこないと思います。クリエイティブな仕事をするには、やはり住民対話が基本です。1週間に1度は現場に出かけてほしいと思っています。現場の声から得られた課題をヒントにして、次の仕事へつなげていってほしいと思います。
山川市長 市民から「見える形で動いています」という声をいただきました。これはとてもよかったと思っています。「まちが動いていると感じます」という声もかけてくれる方もいました。市民の皆さんはとても賢いです。今が過渡期なのだと市民の皆さんも感じているのだと思います。批判、叱責も含めて、これからもいろいろな声に耳を傾けていきたいと思います。新青年団、シニアクラブ、住民自治という改革が動き始めたことに未来への可能性が出てきたと感じています。
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