INTERVIEW
Leader's Voice
教育、企業誘致に力を入れた、躍進につながるまちづくり
Interview
松井 聡 市長
デジタル推進、子ども応援サポーター、クラブ活動の地域移行など教育の取組を強化
―― 羽島市の教育の取組について教えてください。
松井市長 市長就任当初から「小さくても特色ある行政運営を」をコンセプトにしており、教育を最も大きな課題として取り組んできました。現在、羽島市には小学校8校、中学校4校、義務教育学校の羽島市立桑原学園1校の合計13校、約5400人の小中学生がいます。一般教室のエアコン設置とWi-Fi環境、水回りやトイレ整備が完了し、今はDXを推進しています。2022年(令和4年)8月から学校情報配信アプリ「すぐーる」を導入し、学校と家庭間の連絡を携帯電話やスマートフォンで行えるようにしました。学校アンケートもPDF機能を使って集約できるようになり、また、安否確認や不審者情報のお知らせもできることから保護者に好評をいただいています。このアプリの運用は教職員の省力化にもつながっています。
―― 羽島市教育委員会はデジタル化に熱心に取り組まれていますね。
松井市長 小学校と中学校に、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」を導入しました。画像や映像を取り込んで、児童生徒が課題に沿って先生と相互交流をしたり、自己啓発やスキルアップに繋げたりすることができます。映像、芸術、音楽といった情操教育にも役立っており、知的能力や理解力の向上につながっていると感じます。児童生徒同士の共有もできるので、個別テーマや共通テーマで一緒に勉強することができます。先生も「ロイロノート・スクール」を活用しながら個別指導することができます。
―― そのほか、特徴のある教育を教えてください。
松井市長 市内で考古学を研究する株式会社パレオ・ラボとの縁で、同志社大学文化遺産情報科学調査研究センターと連携協定を結び、寺院や遺跡の内部をVR映像で見学できる学習を取り入れています。
―― 誰一人取り残すことのない教育支援についてはいかがでしょうか。
松井市長 羽島市は市立の幼稚園が1園あり、市内全域のお子さんを受け入れています。職員については、中程度までの発達障がいのお子さんを受け入れられるように増員しているところです。近年は外国人も増えており、支援が必要なお子さんは市内にある発達支援センター「もも」との連携を取りながら、保護者支援も含めて進めています。
また、いわゆる学業で悩んでいる子(学習障がい)、対人関係で悩んでいる子(コミュニティ障がい)など、多様化する児童生徒を支えられるよう、42名の羽島子ども応援サポーターを全校に配置しています。サポーターは教員免許を持っている方やさまざまな形で子育て支援を志している方が多く、活躍していてくださっています。
―― 中学校のクラブ活動指導を地域に移行されているそうですね。
松井市長 羽島には総合型地域スポーツクラブが北部、南部、中央部の3つあり、そのうち中央部の「はしまなごみスポーツクラブ」が竹鼻中学校の休日運動部活動の指導を引き受けてくださっています。教職員の負担を減らすという、全国で先進的な取り組みということで、NHKに特集していただきました。アンケートによる満足度は、教職員が100%、生徒が83%、指導者が71%、 保護者が62%。全ての学校に導入しようと思うと、スポーツクラブと学校間のマネージメントや人員確保、安全性、費用に関することなど課題はありますが、専門的な指導を受けられることはありがたいことです。
企業誘致、新施設のオープンで羽島市の躍進に期待
―― 岐阜羽島インターチェンジ周辺の企業誘致はいかがでしょうか。
松井市長 「コストコ岐阜羽島倉庫店」をはじめとした企業の立地により、「岐阜羽島インターチェンジ」の東側の25ヘクタールの区域については、90%以上の用地が埋まりました。この区域から「岐阜県立看護大学」までの区域を市街化区域に編入したところであり、さらに企業立地が進むことを期待しています。
「岐阜羽島駅」の西に位置する福寿町平方の土地区画整理事業区域内において、令和9年度に稼働予定である次期ごみ処理施設を建設しています。同区域内には、すでに、大型の物流施設2棟の建築が進んでいます。
羽島市は名古屋に近く、新幹線駅や高速道路インターチェンジが利用でき、物流関係をはじめとした企業の進出が期待されることから、デベロッパーにより積極的に事業が進められています。
―― 「岐阜羽島インターチェンジ」周辺や「岐阜羽島駅」周辺は近年、変化していますね。
松井市長 今までは田んぼの中のイメージがあったと思われますが、平成27年に「コストコ岐阜羽島倉庫店」がオープンしてから随分、変化してきました。令和4年には、「岐阜羽島駅」の北西に再開発プロジェクトの区画数から名付けられた「BLOCK47(ぶろっくよんじゅうなな)」という、サイクリングの拠点基地がオープンしました。羽島市から木曽川、長良川、揖斐川の三川の合流地点まで続くサイクリングロードを海津市と一緒に整備していくなど、発展させていくことができます。
一宮市と一緒に取り組む、尾州産地ブランドの強化と新濃尾大橋(仮称)の整備
―― 行政や自治体を越えた取り組みについても教えてください。
松井市長 産業については行政も一緒になり、「競争」ではなく「共創」していきましょうと、さまざまな場面で申し上げています。中でも、隣接する一宮市を中心とした繊維産業である尾州産地ブランドを強化していきたいと考えています。木曽川にかかる濃尾大橋の下流、約3kmの場所に「新濃尾大橋(仮称)」を建設中で、2025年度(令和7年度)の開通を予定しています。この橋が開通すると、羽島市から愛知県、三重県へスムーズにつながるようになり、さらなる交流の活性化が期待されます。
また、道路、防災、消防の分野など他自治体との連携による対応が必要となっていることから、羽島市は「岐阜連携都市圏」へ参加し、岐阜圏域の5市3町(岐阜市、羽島市、山県市、瑞穂市、本巣市、岐南町、笠松町、北方町)による連携・協力を進めています。
優れた事業を応援、羽島市の新たな産業を伸ばしていく
―― 「羽島市ビジネスコンペティション」の開催について教えてください。
松井市長 今年度、初めて「羽島市ビジネスコンペティション」を行い、9月に羽島市ビジネスチャレンジ支援金支援対象者を認定しました。このコンペは優れた事業計画を採択し、その事業の実施を支援するものです。スタートアップの創業部門は上限300万円の支援金を、また、今の事業と異なる事業にチャレンジする第二創業部門は上限500万円の支援金を交付します。専門家も含めた審査が行われ、15名中11名の事業者が認定されました。先ほど申し上げた「BLOCK47」のサイクリングをテーマにした観光交流拠点構築事業をはじめ、畳の海外輸出のためのネット環境整備、フリースクール運営、農業による地域コミュニティ拠点づくりなど、オリジナリティの高い事業が選ばれています。
―― コンペとは別に、羽島市が注目している事業はあるでしょうか。
松井市長 地場産業がない羽島市ですが、デザイン性の高い畳や海外輸出に力を入れている「山田一畳店」、羽島駅近くで日本刀の制作をされながら海外旅行者の体験ワークショップを行う「淺野鍛冶屋」に注目をしています。ほかにも羽島市では、子育て支援企業の表彰を行うなど、頑張っている事業、企業を応援しています。
羽島市役所
〒501-6292 岐阜県羽島市竹鼻町55
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羽島市の情報
面積:53.64km2
人口:67,170人(令和4年11月1日)
市の木:貝塚伊吹
市の花:美濃菊
名所・旧跡・観光
背割堤さくらまつりinはしま(3月・4月)
美濃竹鼻ふじまつり・竹鼻まつり(4月・5月)
美濃菊展(11月)
ぎふ羽島駅前フェス(11月)
中観音堂・羽島円空資料館
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不二竹鼻町屋ギャラリー
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