INTERVIEW
Leader's Voice
リニアを生かすまちづくり。周辺地域を俯瞰した、広域の拠点都市へ
Interview
小栗 仁志 市長
安らぎと最先端を共有する、ハイブリッドなまちづくり
―― リニア駅を核とした「安らぎと最先端のハイブリッド 森のまちづくり」計画の策定についてお聞かせください。
小栗市長 当市にはリニア中央新幹線の岐阜県駅ができますので、一大チャンスとして捉えているということが大前提としてある中で、リニア駅をどう生かしていくかが重要になります。リニア駅ができて、駅周辺だけが賑わうという捉え方ではなく、大きく市全体として捉えてまちづくりをしていかなければならないと考えています。
安らぎと最先端というキーワードがありますが、安らぎについては、人は、気持ちや心が落ち着く、心地よい環境に癒しを求めると思います。その意味では当市の財産である自然環境を存分に生かしながら、安らぎを高めていきたいと思っています。
最先端については、一つは、企業誘致においても最先端技術を持っている企業を誘致したいと考えています。もう一つはリニア駅からの二次交通の手段です。道路も整備されますので、それに合わせて自動運転などの最先端技術を取り入れていくことができたらと考えています。市全体として安らぎと最先端を共有する、ハイブリッドなまちづくり計画を作っていきたいという思いです。
―― 癒しが感じられると同時に、新しい技術を取り入れて利便性が向上するというわけですね。
小栗市長 はい。ただ最先端というのは、何も来ていただく観光客向けだけではありません。自動運転については、高齢者の方が免許を返納して、病院や買い物へ行くのに困っている現状があります。現在、付知地域では東京大学と共同研究しながら自動運転の実証実験を行っています。今は実験段階ですが、将来的には中山間地域で走らせることができたらと考えています。最先端技術を持つ企業を誘致することも、雇用の機会を増やすことで少子化に歯止めをかけることにつながると思います。
若者のサポートや空き店舗の利活用も進めながら
賑わいのあるまちづくり
―― 中心市街地活性化 シン・宿場町計画の策定についてお聞かせください。
小栗市長 市としてはJR中津川駅周辺を、中心市街地として捉えています。これまでも駅前を活性化していくということで、様々な取り組みを進めてきました。
私の思いとしては、まず、どのようにして活性化していくべきかと考えています。活性化と一言で言いますが、どういう状況になれば活性化したと捉えることができるのかというと、賑わいだと思っています。では、賑わいとは何かというと、車で行き来するのではなく、人が歩いて回遊することで賑わいが創出される。ですから、人が回遊するエリアを作っていく必要があります。それが、中心市街地を活性化させることにつながると思います。
昨年7月、駅前に「ひと・まちテラス」という図書館機能や子育て支援の機能などを備えた新しい施設ができましたが、そこだけではなく、人が歩いて回る施設や店舗をどんどん増やしていかなければならないという思いがあります。
シン・宿場町計画についていえば、当市には中山道の宿場町が3つあります。中でも「馬籠宿」は、コロナが5類になって以降、インバウンドを含めて大勢の観光客に訪れていただいています。数百年前の街道の宿場町に、いまだに観光客が訪れてくれるということは、市としては大きな財産だと考えています。
ですから、駅前も宿場町のような賑わいを取り戻すような姿にできればと考えています。そのためには、例えば、昔さながらの町並みを作ることも一つだと思います。人が回遊するためには、食べるところがあって、遊ぶところがあって、泊まるところがあって、賑わいが作られる。これは市だけの取り組みではできないので、観光協会、商店街、市民の皆さんを含めて、どうしたら賑わいが戻ってくるかをしっかり話をして、ご意見もいただきながら進めていきたいと考えています。
―― 駅前にある空き店舗もうまく活用できるといいですね。
小栗市長 はい。空き家、空き店舗をしっかり利活用していかなければならないと考えています。若い方の中には、「お店を始めたい」「スタートアップで何かやってみたい」という思いを持っている方も少なからずいます。ただ、資金面のハードルなどがあって、踏み出せないケースがあります。その点についても、当市、観光協会、商店街がしっかり連携を取りながらサポートをしていかなければならないと考えています。みんなが一緒になって、賑わいのあるまちづくりができたらと思います。
リニア岐阜県駅に対する
近隣市町の期待は非常に大きい
―― 恵那市・東濃地域・県・国と連動した地域づくり戦略の強化についてお聞かせください。
小栗市長 たまたまご縁があって、当市にリニアの駅ができるということで、地元にとってみれば本当にありがたい話ですが、これは当市だけが活用するのではなく、隣の恵那市を含めて多治見市までの東濃地域の皆様もそうですし、長野県境ですから、木曽方面の町村や塩尻市などを含めて長野県の方も、当市にできる岐阜県駅に大変期待していただいています。また、岐阜県の中でも東濃地域だけでなく、下呂市、郡上市を含めた濃飛横断自動車道では一部工事も進んでいて、飛騨地域からもリニア駅に対する期待は高いものがあります。さらに愛知県では、三河地域の方は、リニアの利用を考えると名古屋駅へ行くよりも岐阜県駅に行く方が近いケースがありますので、これも高い期待の声が寄せられています。その意味では、全体を俯瞰して見るような地域づくりをしていく必要があると考えています。
―― 近隣地域との連携はすでに始まっているものもあるのですか?
小栗市長 はい。すでに東美濃歴史街道協議会、中津川・塩尻・木曽・下伊那広域連携SDGs推進協議会などが発足しています。こうした協議会や検討会、プロジェクトチームがいろいろありますので、今後は、どういう取り組みをすることでお互いの地域がより活性化していくかについて、どんどん話し合いを進めていきたいと考えています。
―― すでに各地域との連携も始まっているとのことで、多くの期待が寄せられていることが感じられますね。
小栗市長 はい。私も市長に就任して、それほど時間がたっていませんが、お会いして、お話を伺う中で、改めて近隣の方たちのリニア駅に対する期待の大きさをひしひしと感じました。それだけにリニア駅ができる当市としては、しっかり取り組んでいく必要があると考えています。
例えば、三河の一部地域ではリニアが開通すると、岐阜県駅を利用することで東京や名古屋へ最短で行くことができる交通手段になるかもしれません。それなら「もっと、こういう道があるといいですね」「一緒に何かできそうですね」といった話もすでに出てきています。今後は、そうした面がさらに具体化して進んでいくのではないかと考えています。
―― リニア駅ができることで、これまで以上に各地域との連携も強まりそうですから、楽しみも大きいですね。
小栗市長 はい。せっかく、いろいろな地域から当市を利用していただくチャンスができるわけですから、地元としては「中津川を楽しんでもらう」ようなまちを作っていかなければならないと思います。リニア駅ができることは、ビッグチャンスだと思っています。住み続けている市民の皆さんに喜んでいただけるまちにすることは大前提として、来ていただく方に、「中津川にまた行ってみたいね」と思っていただけるようなまちを作る必要があると思います。市民の皆さんと一緒になって、「どんなまちになるのだろうか」と夢が語れるような、まちづくりを進めてまいります。
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人口:75,483人(令和4年11月30日)
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