INTERVIEW
Leader's Voice

Interview
石田 仁 市長
石田市長 市長就任以来、大垣市の活性化、持続可能なまちづくりに取り組んできました。当市がずっと愛されるまちであり続けるためには、大人から子どもまで当市を好きになってもらう必要があります。そのうえで、当市の魅力は何なのか、色々調査をしてきました。「水」「水都」というキーワードが出てくるわけですが、それをこれまで以上に浸透させる為には「水都」を思い起こしていただきたいと思います。
私たちの若い頃は駅南にカメの池があって、水にあふれていました。今でも友達と話すと、当時の思い出が話題になります。しかし、若い人たちに話を聞くと、駅前の金蝶園に行って、水まんじゅうを食べるという連想をします。もう少し、水を感じ、触れることのできる機会をつくりたいという思いが第一にあります。市民の皆様はもちろん、訪れる多くの方々に当市が水都であるというイメージを更に醸成して魅力を高めていきたいと思います。

令和5年には、当市が進めている「かわまちづくり事業」が、「かわまち大賞」に選ばれた他、昨年度は、市の玄関口である大垣駅南口に新たに井戸舟を2基設置し、市民の皆様からの愛称募集により、「水都大垣 出会いの泉」「水都大垣 集いの泉」と命名しました。出会いの泉で待ち合わせをして、駅周辺をぐるっと回り、最後は集いの泉に集まるという流れができました。更に、本年度は、美濃路沿道の新たな湧水スポットとして井戸舟を整備した「清水町緑地」において、四阿(あずまや)を設置いたします。また、大垣駅南口にデジタルサイネージを新設し、既存の案内サインの再整備も行いましたので、水と関連づけて、「歩いてみたい・歩きたいウォーカブルなまちづくり」を充実させていきます。大垣城の外堀である水門川も残っていますので、それも活用しながら、「湧水のまち・水都大垣」を全国に向けて発信していきたいと思います。
この取り組みをスタートさせて3年になりますので、水都大垣再生プロジェクトという事業としては、今年度で一区切りとなりますが、今後も、「水都大垣」の歴史や取り組みを多くの方々に伝える連続講座の開催をはじめ、全国的な 発信を目的としたイベントの開催も計画しており、未来に渡って市民の心に「水都大垣」が根付く様にしたいと考えております。今後も、大垣公園の再整備など、公共空間の整備の際にも、新たな水辺空間の創出を検討し、親しみやすい「水」との触れ合いの場を、更に広げて参りたいと考えております。

水都大垣 出会いの泉

水都大垣 集いの泉

水都大垣清水の井戸
石田市長 拠点として挙げているのは、「大垣公園等再整備事業」「北公園等再整備事業」 「大垣西IC周辺道の駅等推進事業」が大きなものになります。当市全体を見て、東西南北、中心市街地など色々な場所に拠点をつくる必要があります。
先ほど話した「水」が市民の誇りであるように、「大垣城」も市民にとってのシンボルです。昭和20年7月29日の大垣大空襲で、当時国宝であった大垣城は焼失しました。しかし、大垣城は市民にとって心のふるさとだったことから、市民がお金を出し合って昭和34年に再建されました。周辺のお堀は埋められてしまいましたが、大垣公園として生まれ変わりました。中でも「大垣城ホール」は、私たちが子どもの頃はプロレスが来る、相撲が来るということで、当市の拠点的な場所として、大変栄えておりました。ただ、耐震性の問題もありますので、市民の皆様と一緒に検討会を行った結果、大垣城ホールは、場所を現公園の外に移設し、大垣公園を100年後も愛されるものにしようということで計画し、今年、その方向性もしっかりつくっていきます。

大垣公園
北公園につきましては、駅から近い場所に位置し、敷地内には、野球場や陸上競技場、青年の家などがあります。これまで将来構想をあまりたてずに、随時修繕を行ってまいりました。本市には「浅中公園」もありますが、駅の近くに野球場と陸上競技場があることは大きな魅力であり、市民の皆様と話をする中で、今後30年を見据えてしっかり使っていきましょうという方向性になりましたので、本年度は、野球場においては、メインスタンドの改修、陸上競技場では、走路の部分改修、青年の家では、トイレの洋式化等を予定しています。
石田市長 西部地域は国道21号、主要地方道大垣環状線が結節すると共に、大垣西ICがあります。道の駅の話題が先行していますが、道の駅をつくることが目的ではありません。西の玄関口、更には関ケ原、垂井、大垣、岐阜という国道21号沿線市町の連携の中で、大垣西IC周辺を活用していきたいという思いがあります。ですから工場誘致も含めて、土地利用について2年間ほど検討してまいりました。
岐阜市の街中から西へ来た時に、国道21号には車を降りてゆっくりできる場所がありません。その中で、国土交通省の皆さんと話をしていると、道の駅があると良いのではないかという話になったということです。関ケ原では大雪の心配もありますので、その意味でも拠点が必要だと考えています。
本年度は、学識経験者や地域住民などの皆様で構成する「道の駅整備検討委員会」を設置し、道の駅の具体的な整備手法や周辺土地利用のゾーニングを盛り込んだ「道の駅等基本方針」の策定を推進します。
石田市長 大垣市民病院は、毎日約6,000人の方が訪れており、入院患者、通院患者、お見舞いの方、先生、看護師など大変多くの方の出入りがあります。昭和34年に厚生連の病院から大垣市民病院に変わったと聞いていますが、以来、同じ場所で運営しています。六叉路の交差点に位置する為、朝は大渋滞することもあり、議員時代には朝、道路の混雑状況をチェックしていたこともあります。
様々な渋滞対策を試みてきましたが、なかなか解決できませんでした。とりわけ、県道大垣一宮線北側に位置するバス停からは、地下道を利用する必要があり、多くの皆様に、ご不便とご負担をおかけしておりました。こうした課題を解決する為、本年4月から、市民病院正面玄関に乗り入れ可能なワゴン車を利用して新たなバス路線「大垣市民病院線」を運行する運びとなりました。

大垣市民病院
また、時期を同じく、病院内にコンビニエンスストアもオープンしました。これまで売店はありましたが、平日は19時(※休日は17時まで)に閉まってしまいます。24時間営業のコンビニエンスストアができたことで、これまで19時以降、外へ買い物に行っていた方々が、病院内で買い物ができるようになるとともに、コピー機を利用して各種証明書も取得できるようになり、利用者からは、「非常に便利になった」という声をいただいています。大垣市民病院は、当市にとって大切な公共施設です。より一層、便利に利用していただけるよう努めて参ります。

大垣市民病院 コンビニ

大垣市民病院 コンビニ
石田市長 一人でも多くの命を救う、早い治療をしていくという思いの中で、毎月、病院長と議論を行っており、その中で、「待っている」よりも「出向く医療」という提案をいただきました。「それを支える体制はどうなのですか」と聞いたところ、以前は、「先生は2人しかいない」ということでしたから、体制強化のために調整をしていただけるということでした。中濃圏域や東濃圏域にはドクターカーがありますが、西濃圏域にはドクターカーがありません。対応出来る先生の確保見通しができたこともあり、大垣市民病院では、令和7年度事業として、消防からの要請に応じ医師や看護師を乗せて救急現場へ出動するドクターカーの導入を予定しています。
ドクターカー導入により、「医療介入・決定的治療までの時間短縮」、「救急隊では不可能な高度な医療の提供」及び、「治療方針決定の前倒し」が可能となります。これにより、心肺停止や脳卒中、重症外傷といった時間依存性の高い緊急疾患患者に対する救命率の向上や、後遺症の軽減が大いに期待できます。今後は、車両納入後、試験稼働を経て、令和8年以降に本格的な運用を開始したいと思います。
石田市長 私たちが小さい頃は、お寺や駄菓子屋等に子どもたちが自然に集まったり、近所のおじさん、おばさんの所に遊びに行ったりしていました。近年では、そういった場所がなくなり、多様化というだけでなく、安全・安心の部分でも、きちんとした場所を行政として提供していく必要があると思います。
しかし、ただ、「児童館」をつくって、そこに行ってもらえばよいのかというと、子どもたちに聞くと「一番いいのは、家に誰かがいるのがいいし、おじいちゃん、おばあちゃんの家でもいい」という声も多く聞かれます。つまり、安心して、自分のやりたいことができる場所を求めているのであり、用意された遊具で遊ぶだけではないと思います。
当市では墨俣町に児童館がありますが、それ以外の地域では地区センターがありますので、児童館にこだわることなく、スイトピアセンターなどの拠点的な居場所や、地区センターを活用して、そこに子どもが集まれるようにしてはどうか。 加えて、もっと身近な所で、薬局、喫茶店など「子どもの居場所として提供していいよ」と手を挙げていただける所で居場所をつくってはどうかということで、募集を開始致しました。更に、これら身近な居場所が親しみやすいものとなるよう、子ども達の投票により『こどもんち』という愛称となりました。
こどもんちは、歩いていくことができる場所、地区センターは自転車で行くことができる場所、拠点的なところは、保護者の方が車で送る場所です。こうした三層構造で居場所づくりを進めているところです。
一方で、本年4月には、拠点的な居場所の1つとして「大垣市児童館」を開設しました。市民の皆様と意見交換した中で、特に新しく転居してきた方々から「スイトピアセンターは子どもが遊べる場所なのかどうかわからないので、まずは児童館という名前の場所に行きたい」という話がありました。先ずは児童館という名称の場所に行って、そこから「大垣市には、こんなに子どもの居場所があるのね」ということを分かっていただく必要があると分かりました。名称を軽んじてはいけないということです。その経緯の中で、これまで未就学児を対象としていた「南部子育て支援センター」の機能を拡充し、「大垣市児童館」としました。

大垣市児童館

児童館
また、7月17日には、それに続く居場所として、「スイトピアセンターこどもんち」を大垣市立図書館の3階に開設しました。運営は、退職教員の方を中心に、保育士や大学生などの協力をいただきスタートしました。図書館3階が基本的な活動場所となりますが、スイトピアセンターにはこどもサイエンスプラザや水のパビリオン、文化公園など多様な施設や空間がありますので、こうした施設を活用し、より多くの皆様の協力を得ながら、子ども達の声を大切に、子ども達が「居たい」と思えるスイトピアセンターならではの、新たな居場所を模索していきます。

スイトピアセンターこどもんち

スイトピアセンターこどもんち
石田市長 当市には西濃運輸、日本耐酸壜工業、太平洋工業など、素晴らしい企業がたくさんあります。しかし、子どもたちは、西濃運輸は運送業というだけで具体的に何をしているか知りません。子どもたちに地元企業を知ってもらいたいという思いの中で、市制100周年の時、市内の文具店などで結成した「キッズワークエキスポ実行委員会」が地元企業の良さを知ってもらう事業を開催されたことがありましたが、事業は途切れていました。そのような中、企業の方々との議論を通して、新たに子どもたちに地元企業の良さを知ってもらおうということで、昨年11月、「アウトオブキッザニア インおおがき」を開催しました。
キッザニアの方々は、大垣市という一つの市で企業が28社も集まったことに大変驚かれていました。参加した子どもからは、「僕は毎日、この会社の前を通って通学しているけれど、こんなすごいものをつくっているなんて知らなかった。大きくなったら、この会社で働きたい」という声も聞かれました。参加企業の方々からも、「モチベーションアップにつながった」という声を聞きました。「ぜひ、継続して実施してほしい」とのご意見も多くいただきましたので、今年度は、昨年のノウハウを生かしつつ、市制100周年で事業を実施したキッズワークエキスポ実行委員会の協力を得ながら、独自の「キッズワークフェス イン おおがき」として、11月15、16日の2日間で開催を予定しております。

アウトオブキッザニア インおおがき

アウトオブキッザニア インおおがき
大垣城ホールでは「職業体験イベント」、大垣公園芝生広場や商店街、市役所では「ワークショップ」、市役所駐車場では、「働く車の展示」など、周辺一帯において、昨年を上回る事業者などの協力を得て、子どもたちが学び楽しめる多彩なイベントを開催します。このイベントを通じて、「こども まんなか」の気運を高めると共に、子どもの居場所の提供、更には、多くの子どもたちが、ものづくりのまち大垣の魅力に気づき、まちへの誇りと愛着を深められる2日間としてまいりますので、ご期待いただきたいと思います。
石田市長 これだけ暑い日が続きますので、外で体を動かすことが難しい時代になって きました。加えて小中学校の屋内運動場は災害時の避難所にもなります。災害時は、国によるプッシュ型支援でスポットクーラー等が設置されますが、子どもの居場所、教育の場所であることを考えると、まずは屋内運動場に空調機器をしっかり整備することが大切だと考えています。
当市には、小中学校27校と義務教育学校1校、合わせて28校の市立学校がありますが、本年度は小学校10校の整備を完了する予定で、令和9年度までの3か年で、全ての市立学校において整備を完了する計画としています。なお、現在、屋内運動場の改築に向けて設計業務を進めている「西部中学校」については、空調設備を備えた新施設として、令和10年度の供用開始を目指しています。
また、各学校の空調方式につきましては、災害時における機能強化を図る為、校舎の空調設備が電気を動力としていることを踏まえ、リスク分散の観点から、都市ガス又はLPガスを燃料とする自立発電型の空調機を採用し、停電時でも使用可能な設備の導入を進めている所です。
学校施設は地域コミュニティの拠点であることから、子どもの居場所、災害時の避難所はもちろん、地域の敬老会などでの利用もありますので順次、空調機器の整備を進めてまいります。今後も、児童生徒の学習・生活の場である学校施設が安全で快適な居場所となるよう、学校トイレの洋式化改修を はじめ、校舎等の外壁改修や屋内運動場の改築などについても着実に取り組んでいきます。
石田市長 人口減少社会の中で、持続可能なまちをつくっていくということで、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の2013年推計によれば、当市の人口は、2050年には約12万人まで減少するといわれていましたが、そうではなくなんとか15万人をキープしていこうというのが大垣市未来ビジョンで、その構想の中で取り組みを進めています。社人研2023年推計によると、若干上振れをして、13万人ぐらいをキープできるのではないかということですが、人口規模に応じて税収も確保できますし、住民サービスも充実できるわけですから、取り組みをさらに強化していきたいと考えています。
周辺から移り住んでいただくというような、人の取り合いではなく、当市から出ていかないようにすることが大切です。その視点で女性に選ばれるまちづくりを進めている所でございます。
こうした中、大垣市役所では、昨年10月に、孫を持つ職員が父母の代わりに孫の看病が出来る「孫休暇」を導入し、親だけでなく社会全体で子どもを育てる環境を整備してまいりました。大手企業はそうしたことにも敏感ですが、中小企業はそうはいかないので、中小企業とも連携して女性が働きやすい 環境整備と、活躍できる社会づくりに向けた取り組みを進めてまいります。
また、地域活性化起業人制度も活用しており、6月にはNECソリューションイノベータ(株)から派遣をしていただき、DX関連の事業で活躍をしていただいています。さらに、プロバイクレーサーの岡﨑静夏さんにも着任していただき、現在は、上石津でバイクを使ったまちづくりに取り組んでいただいています。有事の際にはバイクの機動性が有効だということで、すでに4月にはライダーだからできる防災への備えという視点で開催された「かみいしづ ライダーズミーティング」に参加していただきました。
そして3人目としては、(株)パソナJOBHUBの社員に着任していただき「女性に選ばれるまち」という視点で取り組みをしていただいているところでございます。
今後とも、女性のコミュニティ形成支援、安心して暮らせる生活環境の整備など、あらゆる側面から女性にとって魅力的なまちづくりを総合的に推進し、「選ばれるまち大垣」への第2ステージとして、今までまいてきた種を形にして参ります。

かみいしづライダーズミーティング
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