INTERVIEW
Leader's Voice
“水都大垣”の魅力を実感できるまちへ 水都大垣再生プロジェクトスタート!
Interview
石田 仁 市長
「水都」と呼ばれてきた大垣のイメージを改めて醸成
―― 水都大垣再生プロジェクト推進事業の概要と具体的な取り組みについて教えてください。
石田市長 時代が変わればまちも変わりますが、市民に愛されているふるさとのまちは、しっかりとした形の中で残っていくと信じています。そこで、大垣市が市民に愛されるアイデンティテイは何かを考えたとき、まず浮かぶのが「水」です。
私たちが子どもの頃は、市内どこにでも自噴井がございました。学生時代、東京から帰ってきて大垣駅を降りると、駅のホームは湧き水で濡れており、駅前にある「亀池」には多くの亀と、その真ん中で自噴水が吹き上がっている。懐かしい風景だと思い出された方も多いと思います。「ああ、水の都に帰ってきたな」という思いを改めて強く感じたものでした。今でも同窓会で旧友に会うと、そんな懐かしい風景を思い出して、「やっぱり大垣は水だよね」という話題で盛り上がります。
若い方々に「大垣市のイメージは何ですか」というアンケートを取ったところ、ありがたいことに、「水都」という答えが多く返ってきました。一方で、「その源は何ですか」という問いに対しては、「スイトタクシー」であったり、「駅前で販売している水まんじゅう」といった答えが返ってきました。もちろんそれも大事なことですが、改めて子どもの頃から、実際に水を見、水に触れ、「水都」を実感し、水を通して郷土愛を醸成していく必要があると考えました。
そこで、昨年立ち上げました「水都大垣再生プロジェクト」では、「水都を感じるまちづくり」、「水都を楽しむにぎわいづくり」、「水都を生かすものづくり」、「水都を引き継ぐ歴史づくり」の4本柱を中心にし、水に親しめる様なハード整備や、イベント等ソフト事業を実施しております。昨年に続き今年も、7月7日、午後7時7分、水門川の河川敷「四季の広場」で、「水都大垣 水辺で乾杯」を開催しました。お集りいただいた約300人の市民の皆様と一緒に、木桝で乾杯し、水辺を楽しんで頂きました。
全国に「水都」と呼ばれるまちはいくつもございます。では本市にとっての「水」とは何かと改めて考えると、それは「湧水」。ぼこぼこと湧き出る水。そこにスポットを当て、「水都」と呼ばれてきた本市のイメージをさらに醸成して参ります。
プロジェクトの目玉として、今年は、大垣駅南口に井戸舟を2基、さらに、市街地の清水町緑地に1基整備いたします。これにより、市民の方はもとより、本市を訪れる皆さんが、駅を出てすぐに「水のある風景」をご覧いただけるようになり、「水都大垣」の新たなシンボルとして、ブランド力向上と、PRの強化に貢献するものと考えております。その他にも湧き水を活用したまちづくりの専門家を交えたトークイベントや、子ども達が「水都大垣」に興味を持つきっかけとなる、図書館での企画展も開催するなど、ソフト、ハード共に、「水都」を感じていただけるような事業を進めてまいりますので、今後の「水都大垣再生プロジェクト」に、是非ご期待ください。
交通の利便性を生かした土地利用の可能性を探る
―― 大垣西インターチェンジ周辺土地利用可能性調査事業の概要と具体的な取り組みについて教えてください。
石田市長 大垣市は東西交通の要衝と言われ、古くは中山道と、そこから東海道を結ぶ美濃路が通っており、さらに、桑名へ行く水運、船町湊もあって、大いに栄えて参りました。
現在も名神高速道路、国道21号、国道258号、東海道本線に養老鉄道など道路網、鉄道網が発達しております。
さらに、東海環状自動車道の全線開通が2026年に予定されており、東海圏域で考えたとき、大垣西ICの価値は益々高くなってまいります。 私も過去、市議会議員時代に何度も大垣西IC周辺に防災機能を持つ道の駅を作ってはどうかと発言してまいりましたが、当時はお取り上げもなく、その後、大野町に防災機能を持つ道の駅ができました。それでも岐阜から西へ向かう時、国道21号線沿いに道の駅は一つも無く、大きなトラックが休憩できる場所も無い現状です。
そうしたことを踏まえ、大垣西IC周辺をどう活用していくかは、本市にとって大変重要な課題であり、改めて令和4年度から、活用の可能性について調査を行っているところであります。地元を含む関連企業の皆さんへのアンケートや、市民の皆様との意見交換などを実施しています。
引き続き、大垣駅を中心に、多様な交通ネットワークを生かしたまちづくりを進めつつ、地域活性化につながる大垣市の新たな拠点として、大垣西IC周辺の土地利用はどうあるべきかをよく検討してまいります。
―― 場所的には垂井町、関ケ原町と続く、大垣市の西境になりますね。
石田市長 はい、その通りです。垂井、関ヶ原から滋賀県、ひいては関西圏に繋がる大変重要な場所です。
関ヶ原の戦いにおいて、決戦前夜まで、西軍石田三成が大垣城に本拠地を構え、同じく大垣市赤坂町の岡山に布陣する東軍徳川家康と対峙していました。その夜半両日ともに、現国道21号の北側と南側を沿うように西は関ヶ原へ向かった道であり、歴史の宝庫でもあります。
さらに、大垣市は平成の大合併以前から、滋賀県長浜市や米原市とも観光を含み広域で連携してまいりました。滋賀県においては、東海環状自動車道が全線開通することで、利便性を考えた際、関西空港だけではなく、中部国際空港(セントレア)にも着目されていると伺っており、そうしたニーズも含め、大垣西IC周辺は、今後益々需要が伸びていくと考えられます。
現在でも、滋賀県からはイオンモール大垣やアクアウォーク大垣へ多くの方に足を運んでいただいており、新たな拠点施設の整備を通して、今後さらに多くの方がこの大垣市に注目いただけるものと期待しております。
―― 北公園基本構想策定事業の概要と取り組み内容について教えてください。
石田市長 北公園は大垣市の中心市街地に位置する、野球場や陸上競技場などを備えた都市公園でございます。昭和36年に開園して以来、市民に愛されてまいりました。主要施設である野球場は、大垣ミナモソフトボールクラブが所属するJDリーグや高校野球の試合会場としても利用されており、駅から近いスポーツ施設として活用されております。
また、陸上競技場については、大垣市南部に浅中公園陸上競技場もございますが、この北公園陸上競技場は、練習をかねて、大人から子どもまで、市内外から幅広い年代の方にご利用いただいております。
そのような中、施設の老朽化とともに、住宅地という立地から、周辺の交通渋滞や、利用者の駐車場問題等、数々の課題があり、本市では、昨年から利用団体の皆様などからご意見をお伺いするとともに、今後の活用法や施設整備などについて検討しているところでございます。
市民に愛されている北公園を今後どのように活用・整備していくのか、将来を見据えた構想を作ることが急務だと考えています。
松尾芭蕉の生誕380年を記念し多彩なイベントを開催
―― 子どもの職業・社会学習体験機会創出事業の概要と具体的な取り組みについて教えてください。
石田市長 「水都大垣再生プロジェクト」と同様に、子ども達に大垣市を知ってもらう、愛してもらう、そんな機会を創出していく事業です。本市にはイビデン、太平洋工業、西濃運輸、大垣共立銀行、日本耐酸壜工業、サンメッセや大光、セリアなど全国で活躍する企業がたくさんございます。
しかしながら、それらの企業がどんな仕事をしているのかと聞かれると、なかなか答えられない方もいらっしゃいます。ソフトピアジャパンも同様です。情報メディアの発信拠点であり、施設内には素晴らしい企業が多く入っているのですが、実際の仕事の内容というと、知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、高校生や大学生はもちろんですが、もっと早い時期、子どもの頃に市内企業の職業を体験することで、「大垣の企業ではこんなことをしているんだ、こんなものを作っているんだ」と、知ってもらい、それが大垣愛の醸成につながると考えました。
また、合わせて、各企業で働かれている方にも来ていただき、子ども達に「私たちはこんな仕事をしています」と教えてもらえるよう、市内企業様にお願いしているところでございます。社員皆様にとっても自社の仕事を教えることにより、モチベーションの向上にもなるでしょうし、企業皆様には、将来的な人材確保に向けた認知度の向上にもつながると思いますので、皆様のご協力をいただきながら、子どもの居場所の提供、さらには、ものづくりのまち大垣の産業を大きくPRできる機会を作っていきたいと考えています。
今年度からスタートを予定しておりますが、1年で終わるのではなく、これをベースとして、継続して進めていけるよう形作りをしてまいります。
―― 最後になりますが、芭蕉生誕380年記念事業の概要と具体的な取り組みについて教えてください。
石田市長 松尾芭蕉翁が生誕380年を迎えるにあたり、大垣市としましては、今年3回目の開催となる「奥の細道サミット」や、企画展、芭蕉蛤塚忌、芭蕉祭などをバージョンアップして開催いたします。
話は少し飛びますが、今から28年ほど前、「大垣青年クラブ」という青年団体の40周年記念事業として「奥の細道自転車走破」が企画されました。
青年クラブのメンバーでチームを構成し、「出立の地」深川から「むすびの地」である大垣までを自転車で交代しながら巡る事業です。私もメンバーの一人で、当時はサラリーマンでしたが、有休を使って山形県は立石寺から、新庄市、最上川沿いに走り、出羽三山に登り、日本海へ出て、秋田県の象潟までの景勝地を回りました。
そうした経験もあって私自身、松尾芭蕉や奥の細道への思い入れがかなり強く、企画にも力が入っております。
松尾芭蕉は、大垣の人々との別れを惜しむ思いを込めて、「蛤のふたみに別行秋ぞ」という句に詠みました。その真筆を購入する準備も進めております。市長就任直後から交渉を進めていた事業でございますので、多くの方に見ていただきたいと思っています。
―― 30代のときに、芭蕉の足跡をたどったということですが、市長も俳句を詠みましたか?
石田市長 はい、大変お恥ずかしいですが、頑張って詠ませていただきました。しかし、大人は良い俳句を作りたいと思いすぎて、逆に良い俳句は作れないとよく言われます。子ども達が詠んだ俳句を見て、ハッとさせられることが本当に多いですね。
あくまで個人的な感想ですが、俳句は大変勉強になると思っています。俳句を詠むということは凝縮した短い文章をまとめることであり、物事を見る目を養うことにつながります。これまで、「奥の細道むすびの地記念館」の名誉館長である、黛まどかさんや、大垣市の小中学校で句会ライブをお願いしている、夏井いつき先生とお話する中で、こんなことと私なりに考えています。それは、「俳句は引き算の美学であり、五・七・五の十七音で作る、世界一短い文学作品だ。そこには、絵画などと同じく、まず思いや考えをどんどんそぎ落とし、余白を作って1つの句となっていく。その余白をどうとらえるか。描く人、詠む人、そして読み手が常に同じである必要はなく、100人の読み手がいれば、解釈も100通りあっていい」と。
俳句は作れば作るほど、自分の力になるものだと思います。 今回の芭蕉生誕380年を一つの契機に、俳句文化を支えた街であるこの「大垣」市民として、大人はもちろん、たくさんの子ども達に、これまで以上に俳句に親しんでいただけたらと思います。
最後に、市民に愛され続ける「ふるさと大垣」を、大切に育んでいきますので、皆さんのご指導とご協力をお願いします。
まずその一端として、歴史文化の薫る、子育てしやすい水の都大垣を夢見て、一句。
「大垣の 水都わくわく 噴井かな」 石田 仁
こんな楽しい、魅力いっぱいの大垣市に、皆さん是非ともお越しください。
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