白川町 佐伯 正貴 町長

Leader's Voice

来年には新庁舎が開庁。
体験を通じた町独自の交流事業も実施

白川町の佐伯正貴町長
来年には新庁舎が開庁。<br>体験を通じた町独自の交流事業も実施 | 市町村長

Interview

白川町

佐伯 正貴 町長

様々な連携を通じて多文化共生や人材教育を進める

――白川町の最近の話題について教えてください。

佐伯町長 新庁舎が間もなく完成する見込みで、来年1月13日に開庁する予定です。それと合わせて、学校統合も進んでいます。こちらは、令和9年4月に開校する予定です。庁舎に比べると、大きな費用がかかります。大きな事業が二つ続くので、財政的に少し大変ですが、進めているところです。

白川町の佐伯正貴町長との対談風景

新庁舎の上空イメージパース

新庁舎のイメージ

新庁舎内のイメージ

新庁舎のイメージ

――教育の話題が出ましたが、白川町独自のサポートも進めているようですね。

佐伯町長 はい。当町在住ならではの教育を受けさせたいという思いがあります。名古屋市立大学、株式会社中部コミュニティーネットワークセンターの3者協定が3年目を迎えています。当町には大学生の年代の人が、町外へ出ているのであまりいません。中学生と関わる機会がありませんので、現役の大学生と話をする中で、大学の雰囲気などを味わうことができるとよいと思って、地域未来塾を開催しました。経済学部の学生が中心に来てくれたので、中身としては商売の模擬のようなことをやって、交流を深めました。中学生はたくさんの刺激を受けたと思いますし、大学生にとっても新鮮な体験になったのではないかと思います。

地域未来塾の風景

地域未来塾

――多文化共生や英語教育にも力を入れているようですね。

佐伯町長 はい。テストでよい点をとるための勉強というよりは、外国の方とふれあって、少しでもコミュニケーションがとれるようにしてあげたいという思いがあります。今年から東南アジアの国とネットを介して、子ども同士がふれあえる授業をスタートしました。また、沖縄県宮古島市とは、海山交流事業を通じて以前からつながりがありますので、沖縄で外国の方のお宅にホームステイして英語にふれるという事業の展開を検討中です。

当町は、すでに外国の方も多くて、150名ほど働きに来ている方がいます。今後、外国の方を頼らないとできない仕事が増えてくると思っています。多くの場面で、外国の方と一緒になる機会も多くなると思いますので、コミュニケーションが取れる経験をさせてあげたいと考えています。すでに年に1度ぐらいは、イベントを開催して、それぞれの国を紹介するブースを出してもらったり、料理を出してくれました。普段、それほど多くの関わりがあるわけではないですが、皆さんとてもフレンドリーです。中には、地元のお祭りや美化清掃に参加してくれる方もいます。

外国の方々との交流風景

外国の方々との交流風景

地域づくり事業で会長賞を受賞

――通学、通園などの支援にも力を入れていますね。

佐伯町長 はい。これまで保育園は六つありましたが、一つなくなりました。その関係で、保育園まで送迎する距離が長くなった親御さんがいますので、1kmごとに20円という金額で支援を始めました。中学校に関しては、自転車通学の生徒が多いですが、最近の物価高騰で自転車の購入費用も高くなってきていますので、上限5万円、1/2の支援を始めました。また部活動をやっている中学生に関しては、地域交通のバスを出して、親御さんが迎えに来なくてもいいような仕組みをつくりました。部活動をやっている高校生にも、18時、19時、20時に、それぞれ各方面へバスを出す態勢も整えました。

今話したように、当町は公共交通には、かなり充実した体制を整備しています。現在、濃飛バスが定時運行していますが、将来どうなるかわかりません。公共交通は、当町にとって要だと考えています。高齢化も進んでいますので、生活の足を守る意味でも、これからも力を入れていきたいと思います。

濃飛バスとそはらGO

濃飛バスとそはらGO

――ほかにはいかがですか?

佐伯町長 当町では、総務省が進めている特定地域づくり事業協同組合制度を活用しています。夏だけ忙しかったり、冬だけ忙しいなど、この時期だけ人が欲しいという仕事があります。そうした課題がある中で、令和4年に白川ワークドット協同組合を設立しました。当初は登録会社も4社しかありませんでしたが、現在は農業、林業、福祉関係など26社まで増えています。働く人も今は8人に増えて、各事業へ派遣社員として働きに行っています。その取り組みが認められて、今年度は全国過疎地域連盟会長賞をいただくことができました。その組合ではワーキングホリデーも採用していて、毎年、大学生も働きに来ています。その中から、当町のことが好きになって、そのまま組合に入った方もいますし、1人は町職員になりました。移住政策を目的にしているわけではないのですが、思わぬ副産物も生まれています。

デジタル地域通貨の導入で、町内での消費が好循環

――ほかにはいかがですか?

佐伯町長 当町は長寿の方が多いです。10万人あたりの100歳以上の人口比率が、当町は311人、岐阜県の平均が82人です。全国都道府県単位のトップが島根県なのですが160人 ですから、その倍ぐらいになりますので、比率としてはかなり高いと思います。80歳以上の方が人口の2割ぐらいいます。皆さん、元気で長生きされているので、これは大変うれしいことだと思っています。

――最後になりますが、地域通貨について教えてください。

佐伯町長 当町では、町内限定の電子マネー「ShiRaCa(しらか)」を3月から導入しています。9月までの集計になりますが、約半年の期間で4億4千万円のお金が町内で循環しています。思った以上に利用されていて、うれしく思っています。国の経済対策がありましたので、10月に、町民全員に対して1000ポイントを付与したばかりですが、とても便利に運用できていると思います。利用されているお店としては、一番多いのは食料品店で、あとはガソリンスタンドでの利用も多いです。10月にはスタンプラリーも開催しましたが、順調なスタートを切っていますので、今後も地域内での消費を促進し、地域活性化にも役立てていきたいと思います。

白川町内限定の電子マネー「ShiRaCa(しらか)」のチャージ風景

ShiRaCa(しらか)

 

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白川町の情報

面積:237.89km2
人口:6,735人(令和7年11月1日)
町の木:ヒノキ
町の花:岩つつじ

名所・旧跡・観光

飛水峡
美濃白川ふるさと体験村
水戸野のしだれ桜
クオーレふれあいの里/大正川原キャンプ場
上麻生ダム

隣接する自治体

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