INTERVIEW
Leader's Voice
人口減少が進む中、白川町でしかできない様々な体験の機会を子どもに提供
Interview
佐伯 正貴 町長
複合的な機能も視野に入れた学校統合を進める
―― 白川町の最近の話題について教えてください。
佐伯町長 人口減が進んでいます。この2年間も500人ほど減って、いよいよ6,000人台に入りました。現在、中学校が二つ、小学校が四つありますが、毎年産まれてくる子どもの数は10人ほどです。小学校四つですから、1校当たり2人ぐらいになってしまいます。これでは学校を運営していくことも厳しいので、学校統合を進めているところです。
役場の近くに白川中学校がありますが、築60年ぐらい経過して、最も古い建物です。危険なこともありますし、メンテナンス費用もかかるので、建て直す方針で動いています。最終的には小中一貫校にしていく方向で設計を進めています。
ただ、現在いる子どもの数に合わせて新校舎を作ることになりますが、将来的には空き教室が出ることが予想されます。そこで、近くに図書館がありますが、そちらも老朽化していますので、空き教室を図書館として活用することで、複合的な小中学校図書館にできるような形で設計を進めています。
―― 人口減少に伴って、学校の統合を進めるというわけですね。
佐伯町長 はい。子どもの人数が減る中で、逆に当町に住み続けてくれているからこそできる体験をさせてあげたいという思いを強くしています。当町は沖縄県の宮古島と2003年から交流を続けています。いったん、沖縄へ寄ってから宮古島へ行くので、昔の戦争体験も学習しています。
私の個人的な話になりますが、いろいろなお客様が訪れる中で、外国からのお客様と話す機会があります。その時に、やはり直接会話ができると、もっと意思疎通ができるのにと感じています。そこで、子どもたちには英会話ができる環境を作ってあげたいという思いも強くしています。そんな折に、短い日数ですが、国内に住んでいる外国人の家庭に宿泊して体験する国内留学のようなことを手掛けている事業者と知り合いました。その事業者はちょうど沖縄県を拠点に活動しています。現在も沖縄に立ち寄っているわけですから、一泊でもいいから体験させてあげてから、宮古島へ行くことはできないかと考えています。また、町内にも多くの外国人の方が住んでいて、直接ふれあうことができますので、こちらも何らかの形で進めることができたらと考えています。
もう一つ、当町はイタリアのピストイア市と姉妹都市提携を結んでいます。以前は子どもたちの交流事業も実施していましたが、諸事情で一旦とん挫し、その後コロナになって、渡航ができなくなりました。ただ、保護者からの要望もありますので、再開できるように検討していきたいと思います。
産学官の連携で地域課題を解決
―― ほかにはいかがですか?
佐伯町長 前回も話しましたが、当町は名古屋市立大学とコミュニティネットワークセンターの三者協定を結んでいます。昨年は独居家庭の見守りをどうするかということで、光ファイバーを使った安否確認などの共同研究を行いました。
これについては具体的な成果が出て、「CCnet見守りプランしらかわ」という身近なテレビを活用した見守りサービスがスタートします。月額利用料金は2,000円で、テレビ電源のオン、オフや人感センサーなどで、見守り状況を確認します。ご本人が利用料金を払えば、もちろんサービスは受けられますが、ふるさと納税の返礼品としてもメニューに加えました。それというのも、当町に住んでいるお年寄りのお子さんなどは町外に住んでいる方が多いですから、離れて暮らすご家族がふるさと納税に寄付するという形で、サービスが受けられるようにしています。
今年については交流人口をいかに増やすかを課題にして取り組んでいます。当町には高校がありませんし、大学はもっと遠くにしかありませんので、子どもたちが大学と交流する機会はほとんどありません。そこで、名古屋市立大学は名古屋市の教育委員会と子どもに対する様々な取り組みを行っていますから、その取り組みを当町の子どもたちとも一緒にできることを考えています。先ほども話しましたが、子どもが少なくなる中で、子どもたちが様々な体験ができることを少しでも増やしてあげたいと思っています。
―― 先ほど話がありましたが、新庁舎についてはいかがですか?
佐伯町長 新庁舎については順調に進んでいて、令和8年の開庁を予定しています。それに合わせて課の構成など機構も変更する予定です。また、職員の働きやすさが増すと同時に、住民の利便性も上げる必要があります。そこで、9月にリコージャパン株式会社岐阜支社と包括連携協力に関する協定を締結しました。リコーの人的資源や、様々なノウハウを提供してもらってDXに向けた取り組みを進めます。
地域活性化の期待が膨らむ新たな特産品。栄誉ある賞も受賞。
―― 特産品についてはいかがですか?
佐伯町長 当町で有機農業に取り組んでいた株式会社Sunpoの代表である児島さんが手がけたクラフトビールが、「ジャパン・グレートビア・アワーズ2024」の金賞を受賞しました。もう一つ、一力屋代表の佐藤さんが手がけた「丸ごとトマトのキーマカレー」が、「buyer’s room2023」で経済産業大臣賞を受賞しました。当町に愛着を感じて、地域活性化に取り組んでくれている方々がたくさんおられるのは大変ありがたいことです。
―― 最後になりますが、新しい地域通貨ができるようですね。
佐伯町長 これまで町内の商店で買い物をするとポイントがつくカードを商工会が発行していました。ただ、導入してから、かなりの年数が経過し、読み取り機械が古くなって更新時期を迎えたのですが更新費用が結構かかります。そこで町全体でデジタル通貨を作る方向で進めています。希望する商店が加盟して、全町民にICカードを配布することになります。機能としては、買い物だけでなく、ボランティアに参加したらポイントをつけたり、例えば景気対策や物価高騰対策の際に支援金を給付するのではなくポイントとして付与するという形での使い方もできるのではないかということで、検討しながら進めているところです。
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白川町の情報
面積:237.89km2
人口:6,940人(令和6年11月1日)
町の木:ヒノキ
町の花:岩つつじ
名所・旧跡・観光
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クオーレふれあいの里/大正川原キャンプ場
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