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柴橋 正直 市長

岐阜城跡の魅力を全国に発信するとともに
本物志向の観光まちづくりに取り組む

未来を担う子どもたちを健やかに育む

―― 教育大綱の具現化(教育DX)について教えてください。

柴橋市長 2019年のいじめ重大事態を受けて、当市は教育大綱の見直しをしました。その中で一つの問題意識として、学校の先生方が子どもたちとしっかり向き合う時間をしっかり確保する、学校業務改革が必要だという指摘をいただき、そのことも教育大綱に入れました。こうしたことを、どう具現化するかということで取り組んできました。

 今、学校現場には大きな流れとしてGIGAスクールがあります。コロナ禍で2020年の春先に学校が一斉休業しましたが、感染症や災害時に、いかに学びを止めずに子どもたちに学ぶ機会を継続して提供していくかは非常に大事です。当市は20209月にはすべての小中学校に一人1台タブレットを配布しましたので、全国的にも自治体としては早いタイミングでタブレットを提供しました。ですから、タブレットをどう活用するかについても、これまで様々なことに取り組んできました。例えば今年度ではWEB動画を使ったアプリ「スタディサプリ」を活用することによって、個別最適な学びができる環境を作っています。また、学校の授業でもタブレットを積極的に使っています。タブレットを使うには電子黒板が必要になるわけですが、電子黒板は10年ほど前に導入して機能も古くなってきたので、今年度から順番に画面を大きく、子どもたちのタブレットと電子黒板が連動していって、そこに考えを書き込むことができる最新の電子黒板になるようリニューアルを進めています。子どもたちの学びの中でGIGAスクールをどう充実させていくかが大事だと思っています。

―― 学校と保護者をつなぐ連絡アプリの導入についてお聞かせください。

柴橋市長 学校業務改革の中では、大きな一歩として今回は二つの大きな事業を始めました。一つは保護者の皆さんに連絡アプリを導入していただきました。従来、お子さんの体調が悪いとき、朝、学校に「今日は欠席します」と電話連絡をしてもらっていました。ただ、風邪が流行る時期は複数のお子さんが風邪をひきますから電話も集中します。保護者の皆さんも電話がつながりにくいし、先生も電話の対応に忙殺されて、朝の忙しい時間帯、お互い負担がありましたので、アプリを使って解決しようということでスタートしました。このアプリを使うと、前日の夜、明らかに体調が悪いときはアプリで入力できますし、朝も都合のいい時間に欠席する、あるいは体温を入力してもらえます。メモ書きもできますので、「明日も休ませます」というように連絡したいことを入力できます。保護者の皆さんは、わざわざ電話する必要がありませんし、先生も電話対応する必要がありません。さらに大事なことは、これまで先生は欠席の連絡をもらうと手入力していましたが、今回のアプリは校務支援システムと連動していて、データは瞬時にシステムに入りますから、先生が手入力する必要がないというシステムを導入しました。昨年度実験したわけですが、先生は朝の時間帯に負担の7割が軽減できたという結果が出ましたので、6月から、すべての小中学校、特別支援学校、公立幼稚園も含めて導入し、保護者の皆様、先生方に大変喜んでいただいています。

―― ICTを活用した子どもの健康サポートについてもお聞かせください。

柴橋市長 いじめ、不登校という問題が教育の現場で課題になっています。子どもたちの様々な心の健康を、システムを使って健康サポートしようということで、今年度は実証実験をスタートしたところです。朝の会と帰りの会で、子どもたちは「大変元気だ」「元気がない」といったことを段階に応じてボタンを押してもらって、子どもたちの状況を把握します。また、先生に話を聞いてほしいことがあれば、聞いてほしいというボタンを押すとデータで届きますから、「どうしたの?」「話を聞くよ」という具合に、すぐに対応ができます。これまでのように、「実は先生に相談がありまして」と職員室へ行くことは、必ずしもすべての子どもたちが表現できるとは限りません。その点、子どもたちはGIGAスクールでタブレットを使い慣れていますので、ボタンを押すことは、先生に直接面と向かって「話したいことがあります」というより、はるかに相談というアクションが起こしやすいのではないかということで、実証実験をスタートしました。実証校で効果検証の上、今後全面展開していきたいと考えています。

多様な働き方を実現するためのワークダイバーシティを推進

―― 話題は変わりまして、ワークダイバーシティの取り組みについて教えてください。

柴橋市長 私の人生理念は人々の幸せに貢献することです。市民の皆さんに幸せであってほしいと強く思っています。幸せを考えたとき、一つは一人ひとりの居場所や出番があることだと思います。孤独、孤立しているようでは、幸せは感じられないと思います。居場所や出番があるという中で大きな要素を占めるのが働くことだと思います。働くことを通じて、居場所や出番があり、幸せを感じられると思います。一方で、働きたいけれど働けない方が一定数います。そうした方々が働ける環境・社会をどう作るかということで、今年度三つの新しい施策に取り組んでいます。

―― 一つ目について教えてください。

柴橋市長 一つ目が、超短時間雇用創出事業です。すべての方が18時間フルタイムで週5日間働けるわけではないです。例えば障がいのある方や難病のある方、引きこもりを経験した方など、まずは自分の体調や生活リズム、障がい特性などによって、例えば週に1回、1時間など短い時間でも働ける機会を作っていこうということで、超短時間雇用創出事業を始めました。超短時間ワーク応援センターを県の施設の中に作って、現在、実際に超短時間雇用に対応できるという企業が11社、手を挙げてくれました。同時に超短時間で働きたい方も募集しています。6月末時点ですが、3社で雇用が始まり、大変ありがたいと思っています。このような事業は大都市部ではうまくいっているのですが、当市のような地方都市ではまだまだこれからということで、当市が岐阜市モデルとして、地方都市でも超短時間の働き方ができて、幸せを実現させたいと思っています。スタートしたばかりですが、もっとできるのではないかと私自身は思っています。

―― 二つ目について教えてください。

柴橋市長 二つ目は、テレワークを使ったショートタイムワーク事業です。これは子育てや介護をしないといけない方で、本当は働きたいけれど、外へ働きに行けない方にテレワークを使って働いていただくというものです。働くことで社会とつながりたい、積み上げてきたキャリアを活かしたい方の働く機会を作ろうということで、ソフトバンクと連携して取り組んでいます。

 まずは実施事業者を10者募集しました。出版、広告、建設、教育関連など様々な業種から応募があり、現在、テレワークで働きたい方を募集しています。10者の皆様が面接をして10月から雇用が始まるわけですが、現在はその準備をしているところです。今年度は10者でスタートしましたが、非常に成果があって、多くの方が働きたいということになれば、さらに来年度以降は事業を拡大したいと思っています。

―― 三つ目について教えてください。

柴橋市長 三つ目のアプローチは、働きたいけれど、いきなりは働けないという方もいます。現在、障がいがある方は、障害者総合支援法によって、まずは就労支援の訓練を受けてから、一般就労を目指したり、障がい者雇用枠を目指すなど、その方の特性に応じて就労していきます。一方、働きづらさ、生きづらさを感じている方は障がいがある方だけではありません。引きこもりの方などが、訓練を受けてから社会に出たいと思った場合、法律も制度も予算も十分ではありません。ですから今回、岐阜市ワークダイバーシティ推進事業ということで、そうした方々が働きたいと思った時に、障がいのある方の訓練の枠組みを活用して、同じように訓練を受けて就職するというモデル事業を日本財団とともにやっていこうという取り組みです。これは、世の中でどこもやっていない事業です。今年度いくつかの自治体で始まっていきますが、当市も1番手として、地方都市でもできることを実証していきたいと思っています。

シビックプライドをキーワードに積極的な活用を目指す

―― 最後に、史跡岐阜城跡整備事業の具体的な取り組み内容について教えてください。

柴橋市長 岐阜城については市長に就任して1期目から、特に山上部の発掘調査を進めてきました。これまで岐阜城というと、天守閣だけが岐阜城だという意識が非常に強かったですが、調査結果を踏まえると、山中に様々な遺構が残っていて、金華山全体が岐阜城として機能していたことがわかってきました。特に山上部の調査では斎藤家3代、織田家3代という斎藤期と織田期の様々な遺構が発掘調査で確認できています。そうした遺構の保存と活用を理念とした「史跡岐阜城跡整備基本計画」を令和312月に策定し、いよいよ今年度から整備に入っていくことになりました。

 岐阜城の遺構の保存と活用について、活用には二つのポイントがあって、一つは市民の皆さんに自分たちの財産としてきちんと理解していただくということ。もう一つは市外の皆さんに観光という観点で見ていただくということが大事だと思っています。

 遺構の保存については、私が市長に就任するまでは、山上部の発掘調査は実施していませんでした。調査をすると新しい発見がどんどん出てきます。天守、一の門、二の門、上台所など、まさに岐阜城の中核は、調査をすれば、新しい発見が毎年ありますので、今後もしっかりと調査を続けていきます。その次に、皆さんに本物を見ていただくことが大事で、そのためには、二つのアプローチがあると思います。まずは、山上部での城郭の景観を復元します。建物は何も遺跡が残っていないため復元することができませんが、当時の人々が造り上げた本物の石垣や曲輪などを見ていただきます。そのために、木が生い茂って遺構の保存に影響している部分について、木を管理することで当時の城郭景観を見ていただける環境を作ります。歴代の城主が見ていた山上部からの眺めも確保しますが、大事なことは、織田信長公は自分の城を見せることを意識していました。そのため大きな石を使った石垣を造り上げたわけですから、山麓から岐阜城を見上げたとき、信長公の石垣が見えるような城郭の景観を復元していきたいと考えています。

 もう一つのアプローチは登山道の整備です。現在の登山道だけではすべてを見ることができないです。防衛ラインとして石垣が築かれていたり、登山道がついていないところに砦などの遺構があります。そうしたところには通路をつけて見ていただけるようにします。整備事業は10年以上かかる計画になっていますが、1年ずつ確実に進めていくことになると思います。

 また、山麓の城主居館跡については調査が終わっていますので、成果に基づいて信長公の庭園を復元整備しようと考えています。ただ、建物については痕跡がほとんど残っていないので居館そのものを復元することは難しいです。ただし、ここに池や滝があったことはわかっていますので、そうした庭園を中心に復元を行います。また岐阜城の価値を知っていただくガイダンス施設を合わせて整備していきます。

 キーワードはシビックプライドだと思います。若い世代の方が高校、大学を卒業して、県外の友達から「岐阜はどんなまちなの?」と聞かれたとき、「岐阜城がある」「岐阜城はこうだ」という具合にふるさと自慢ができることは、とても大事だと思います。今まで岐阜城の価値は金華山の上の天守閣だけで語られてきましたが、そうではなく、金華山すべてが岐阜城で、こんな城郭景観だったというような、スケールの大きな、ふるさと自慢をしてもらいたいという思いです。

 

岐阜市の情報

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人口:402,736人(令和4年12月1日)
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