羽島市 松井 聡 市長

Leader's Voice

市民病院の経営改善、公共施設の維持・更新など
「選択と集中」の施策を実行

羽島市松井聡市長
市民病院の経営改善、公共施設の維持・更新など<br/>「選択と集中」の施策を実行 | 市町村長

Interview

羽島市

松井 聡 市長

―― 市民病院の経営改善について教えてください。

松井市長 平成24年に市長に就任し、直後から病院経営改善特別対策委員会を立ち上げ、診療科別の財務状況などの課題を取りまとめて一定の成果は得ました。ただ、公立病院は利益に直結しない医療を担当しなければなりません。そのため、一定の財政支援が義務付けられています。しかし、それ以上に当市の場合はコロナ禍の影響が大きかったです。コロナが始まってから、電話による診療を開始したことで来院頻度が下がりました。

羽島市松井聡市長との対談風景

また、当市は岐阜市に近く、岐阜市には大学病院、県総合医療センター、岐阜市民病院という先進医療を行う大型病院があります。隣の笠松町には松波総合病院もあります。そのような環境の中で、当市民病院は主に二次救急と回復期の医療を提供しているため、診療報酬単価が上がりません。これが徐々に経営に影響を与えています。

当市民病院が昭和30年に発足した一番の理由は、羽島郡南部でベッドのある病院が必要だという1町9村の願いでした。その流れの中で作られた病院ですが、現在、大型の財政支援が必要な状況にあります。地域主体で提供できる医療を確保しつつ、経営改善にも注力していきます。

当市の財政状況については、3年ほど前に東海財務局から「きわめて健全財政であり、この状況が続けば問題ない」というお墨付きをいただいています。しかし、病院経営については厳しさを増していますので、外部機関による経営診断を実施し、医業収益の拡大や医業費用の削減に取り組んでいきます。

―― 公共施設の老朽化に伴う維持・更新への対応について教えてください。

松井市長 人口減少に備えた公共施設のスクラップ化は喫緊の課題であるという国の方針を受け、当市も公共施設等総合管理計画を策定し、推進しています。老朽化し、再建の可能性がない施設については計画を立て、情報公開や利用者説明、議会説明を行っています。

例えば、老人福祉センターが2カ所ありますが、本当に2カ所が必要か検討した結果、市の中心部にあるセンターは利用者が限られているため、スクラップ化する。また、新庁舎が完成したことに伴い、分散していた旧教育センターは耐震性に問題があるため、来年度より取り壊しに向けた手続きを始める予定です。このように利活用の可能性がなく、修復してもメリットのない施設については、適切に対応していきたいと考えています。

当市の場合、岐阜羽島駅周辺の福寿町と舟橋町では人口が増加しており、旧集落の地域では減少傾向にあるという特徴があります。福寿小学校では2年ほど前に増築校舎を建設しましたが、逆に小規模な教育現場での継続が難しい部分もあるため、統合と利活用の方法を検討していきたいと考えています。

インター周辺の企業誘致を促進し、さらなる活性化を

―― インター南部地区の開発について教えてください。

松井市長 インター南部地区の開発については、市長に就任してすぐ積極的に取り組んできた課題です。当市は南部地域が市街化調整区域となっており、広大な農地が広がっています。その農地に相続税の納税猶予があり、多くの農家がこれを利用していました。これは農業経営を20年続けると相続税の納税が免除されるというルールです。インター周辺にも多くの相続税納税猶予地が存在し、土地の確保が非常に難しい状況でした。さらに、これらの土地は第一種農地とされ、農地転用許可が極めて難しいという規制もありました。開発のハードルは非常に高かったのです。

そこで、市長就任後すぐの議会で法人市民税の減税を発表しました。それまで当市の法人市民税は岐阜県で一番高い税率であり、企業が当市に進出しない要因となっていたからです。また、企業立地促進条例を制定し、新規雇用者を確保すれば補助金を支給することにしました。その後、職員の努力もあり、最大の成果としてコストコの誘致を実現することができました。

その結果、昭和40年代に都市計画を定めて以降、初めて企業誘致を目的とした市街化区域の拡大を実現。それには実に50年以上かかりました。最近は、市駅周辺の地価公示価格が上昇率で県内のベスト10に入り、宅地の需要も高まっています。開発については規制が厳しく、ハードルは依然として高いですが、さらなる活性化のため今後も継続して取り組んでいきます。

歴史・文化を生かして「まちなか」の魅力を継続発展

―― 竹鼻まつり山車会館や観光交流センターなど「まちなか」の魅力について教えてください。

松井市長 当市は北の足近町から南へ下ると、たくさんの寺があり、三河路の浄土真宗の布教ルートとなっていました。市内には多くの寺があり、その多くが浄土真宗です。伝統のある中で、旦那衆の文化も盛んで、美濃の聖人永田佐吉翁によって建立された「佐吉仏」もあります。また、祭り文化も盛んであり、「竹鼻まつりの山車」は13輌が現存しており、小ぶりながら西陣織のようなきらびやかな幕をまとっています。これらの山車は極めて価値が高く、県の重要有形民俗文化財にも指定されています。

さらに、「竹鼻別院」は樹齢300年以上の一本フジで有名であり、「本覚寺」の「絵天井」は県の有形文化財に指定されています。こうした資源がある中、市長に就任してからは、歴史民俗資料館の隣に「はしま観光交流センター ぐるっと羽島」を設置し、界隈筋に不二竹鼻町屋ギャラリーを開設しました。また、佐吉仏の隣には篤志家によって広場「青山スクエア」を作っていただき、全13輌のうち2輌を交代で展示する「竹鼻まつり山車会館」も寄贈していただきました。

こうした資源や施設が揃うことで、市役所前駅、竹鼻駅のどちらからでも散策できるコースが整いました。このルートを活かし、起業を考えている方々に民間店舗などを設けてもらうことで、さらに地域が盛り上がると考えています。民間の力も活用しながら、今後も「まちなか」の魅力を継続的に発展させていきたいと考えています。

 

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人口:66,246人(令和7年4月1日)
市の木:貝塚伊吹
市の花:美濃菊

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