下呂市 山内 登 市長

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昨年開催したアートプロジェクトが大成功。アートを新たな切り口として交流人口の増加につなげる

下呂市山内登市長
昨年開催したアートプロジェクトが大成功。アートを新たな切り口として交流人口の増加につなげる | 市町村長

Interview

下呂市

山内 登 市長

リピーターを大事にしながらインバウンド誘致に力を入れる

―― 下呂市の新しい動きについて教えてください。

山内市長 宿泊税の導入を10月から予定しています。200円を予定していますが、それでも1年間で2億円になりますので、大きな自主財源になります。それを活用してまちづくりを進めていきたいと思います。

下呂市山内登市長との対談風景

―― それだけ多くのお客様が訪れているというわけですね。

山内市長 はい。昨年も概ね100万人です。入り込み客数としては、令和元年のコロナ前にほぼ戻っています。あとは、今後インバウンドの方をどれだけ誘致するかによって、伸びしろは変化すると思います。昭和40年代から50年代にかけては、団体のお客様が多くて150万人ほどの方が訪れました。ただ現在は、客層はまったく変わって、個人客の若い方が中心で、清潔感のある町並みを求めて訪れます。これからは当市の規模からしても130万人ぐらいが最大の受け入れ人数ではないかと考えています。

インバウンドについては現在、入り込み客数に占める割合は10%程度です。隣の高山市は70%がインバウンド客です。その意味では観光施策がまったく違います。当市は日本人のリピーター客が圧倒的に多いです。固定客をしっかりおさえながら、もう少しインバウンド客も増やしていきたいと思います。

治療、医療、健康など、温泉にプラスの価値を加える

―― 話題は変わりまして、昨年7月にはドイツのクアオルト(療養地)の視察に行かれたそうですね。

山内市長 はい。下呂温泉は元々、湯治場です。リハビリにも活用されていますし、健康維持の観点からも様々な効果が期待できます。ドイツのクアオルトは、温泉治療をしたり、病院との連携事業も行っています。当市は温泉、病院、行政が一体になって取り組むことができる環境が整っていますから、視察に伺いました。下呂温泉は十分な知名度がありますが、今後もただ、温泉をアピールしているだけでは進化は望めません。治療や医療、保養、健康など付加価値をつけることで、新しいお客様の獲得にもつなげていきたいと思います。すでに下呂地域と萩原地域の2カ所に認定コースもつくって、市民の方が利用してくれています。

下呂温泉のイメージ

下呂温泉

下呂温泉街の冬の夜風景

下呂温泉街の冬の風景

―― 台湾も訪れたようですね。

山内市長 はい。昨年10月にインバウンド客の増加に向けたプロモーションで、トップセールスとして台湾を訪問しました。これまでは観光協会だけで行っていましたが、今年度からは行政から旅館、ホテルの方々に声をかけて実施し、総勢21名で訪問しました。商談会も数回実施し、新しい旅行代理店との契約にもつながりましたので、今後も定期的に行っていきたいと思います。

これまで観光協会同士で、台湾の台中市、韓国の儒城区と交流がありました。今年度からは、行政も相互交流をすることになりました。今後も関係を深めながら、温泉観光の発展とさらなる交流人口の拡大に取り組んでいきます。

ドイツでの視察の様子

ドイツ視察

台湾での視察風景

台湾視察

地域とのつながりも強く意識したアートイベント

―― 最後になりますが、昨年行われた「清流の国 文化探訪『南飛騨Art Discovery』」は大盛況だったようですね。

山内市長 はい。おかげさまで大変多くの方に来ていただきました。岐阜県では初のアートプロジェクトなのですが、香川県を中心にした「瀬戸内国際芸術祭」は年間100万人が訪れます。新潟県の「越後妻有アートトリエンナーレ」は9回目の開催ですが、1回の開催で50万人が訪れます。長野県の「北アルプス国際芸術祭」は3回目の開催ですが、期間内に10万人が訪れます。コアなファンが多くて、国内はもちろん海外からも多くの方が訪れます。これらの芸術イベントを手がけたのと同じ北川フラムさんが、今回プロデュースしてくれました。「下呂市は初めての開催だから5千人来ればいいでしょう」と言われました。

しかし、実際には約1万2千人の方に訪れていただきました。大変好評だったことから、北川さんからは、「今度は下呂温泉、小坂の滝周辺、馬瀬、金山などにもオブジェを並べて広いエリアでやりましょう」という提案をいただきました。トリエンナーレとして、3年に一度開催してオブジェが少しずつ増えていけば、まち全体が美術館になります。温泉にプラスしてアートは興味を持っているインバウンドの方も非常に多いですから観光面にも大きなインパクトを与えることになると思います。

 
―― ただ開催するにしても大きな費用がかかると思いますが、その辺りはいかがですか?

山内市長 今回は「『清流の国ぎふ』文化祭2024」の一環として開催されましたが、県が7割の費用を負担して、当市は3割の負担でした。次回開催するとなれば、それが逆の割合になるかもしれませんが、国の補助金、企業からの寄付金、あるいはクラウドファンディングなども活用しながら、資金を確保していきたいと思います。

―― 地域の方の反応はいかがでしたか?

山内市長 開催地は萩原地域でしたが、地域住民の方々はとても喜ばれていました。訪れた方も市民が非常に多かったです。森の中にたくさんのオブジェがあります。クアオルトの認定コースにもなっている場所でしたから、家族連れで訪れて健康増進にも役立ったと思います。これまで現代アートにふれることのなかった人が多かったと思いますが、市民の中にはすっかり魅了されて、「3回以上通いました」という人もいたほどで、市民にとっても大きな刺激を受けることができたイベントだったと思います。温泉、アート、健康増進など様々な要素が含まれていますから、非常に魅力的なイベントだと思います。

地域という意味では、作家の方から「泊まり込んで制作したい」という申し出があって、空き家になっている民家を貸し出したことがありました。風景などを見てアイデアを出すことはもちろんですが、地域の方から歴史や伝説を聞いて作品に生かすこともあったようです。その意味では地域の人々にとっても、「自分たちの歴史や伝説が、アートとしてこういう形になるのか」という楽しさ、驚きも感じられたようです。地域とのつながりを大切にしたイベントという意味でも非常に素晴らしいものだったと思います。当市の新しい伝統文化になるかもしれないという期待も持っています。

―― 市長も作品を実際にご覧になりましたか?

山内市長 はい。何度も足を運びました。10月19日から11月24日までの開催でしたが、途中で紅葉が始まりました。キレイに色づいた森の中に置かれた作品はとてもよかったです。自然がキャンバスですから、いつ訪れても変化があることも素晴らしかったです。

南飛騨アートディスカバリーの開会式の様子

清流の国 文化探訪『南飛騨Art Discovery』の開会式

南飛騨アートディスカバリーのマルシェ風景

清流の国 文化探訪『南飛騨Art Discovery』のマルシェ

南飛騨アートディスカバリーのライブ風景

清流の国 文化探訪『南飛騨Art Discovery』のライブ

南飛騨アートディスカバリーの楽市楽座の様子

清流の国 文化探訪『南飛騨Art Discovery』の楽市楽座

 

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面積:851.06km2
人口:28,906人人(令和7年11日)
市の木:もみじ
市の花:岩つつじ

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