INTERVIEW

Leader's Voice
Interview
横川 真澄 市長
横川市長 市政施行20周年ということで、当市がこれからも元気に、にぎやかに、活力あるまちになるよう、一過性のイベントで終わるのではなく、記念事業を通じて新たなまちの魅力、価値、市民とのつながり、市民協働など新たな当市をつくる契機にしたいと考え、「生涯繁盛」を合言葉にしました。これは千代保稲荷神社の商売繁盛にちなんでつけたものです。子どもからお年寄りまで、すべての年代が楽しく暮らしていける、そして歳を重ねても一生涯元気で暮らせるまちを目指したいと思います。
海津市制施行20周年記念サイト
https://20th.city.kaizu.lg.jp/
横川市長 今年1年間、様々な記念事業を開催しますが、7月には「水辺で乾杯&スカイランタン」を開催しました。国土交通省がミズベリング・プロジェクトを展開し、例年7月7日午後7時7分に水辺で乾杯する運動を推奨し、全国各地で行われてきました。当市は、これだけ水辺がありながら、そのような取り組みをしてこなかったのですが、今年はやってみようということで、ミズベリングイベントを開催しました。250個のスカイランタンを用意したのですが、すぐに予約でいっぱいになってしまい、予想を上回る約1200人の方が参加してくれました。願い事を書いたスカイランタンが夜空に浮かぶ風景はとても美しく、多くの市民がそれを見ている姿はとても印象的でした。皆さんが帰宅する際は、全員をお見送りしていたところ、多くの方から「来年もぜひやってほしい」という声をいただいたことも本当にうれしくて、ぜひ続けていきたいと思います。
水辺で乾杯&スカイランタン
水辺で乾杯&スカイランタン
横川市長 はい。1月には海津市公式ファンクラブ「かいづふぁん」を設立しました。当市に関心を持ってもらい、魅力を感じて当市を訪ねてもらいたいという思いの中で、ファンクラブを設立しました。その応援リーダーに当市出身のシンガーソングライター、足立佳奈さんに就任していただき、合わせて「かいづシティアンバサダー」にもなっていただきました。足立さんの発信力を借りながら、当市の魅力を発信していきたいと思っています。「かいづファン」加入をきっかけに、「海津のために何か取り組みたい」という方が出てきたら、地域活動などもファンクラブの中で実施していきたいと考えています。飛騨市ですでに、その取り組みがスタートしていますが、将来的には、あのような取り組みへ発展させることができたらと思っています。
横川市長 はい。これについては、4年前の公約には書きませんでしたが、ぜひ実施したいと思っていました。当市の豊かな自然資源を活用したイベントを開催したいという思いは以前から強く持っていました。河川敷でやりたいという思いもあるのですが、増水時の心配なども考慮して、「木曽三川公園センター」で開催します。
音楽には特別な力があります。世代を超えて感動を共有できる力がありますので、音楽を通じた市民交流をするとともに、市外の方にも来ていただいて、当市の魅力を感じていただけるフェスティバルにしたいと思います。当日はPRブースも設けて、グルメや特産品などにもふれていただくことで、市民には当市の魅力を再認識していただく機会にするとともに、市外の方には、新しく当市の魅力を感じてほしいと思います。音楽をきっかけに来られた方も、「海津にはこんないいものがあるのか」ということを感じていただけるイベントにしたいと思います。
野外音楽フェスティバル「福フェス海津」
横川市長 この地域においては、宝暦治水、薩摩義士は特別な存在です。当市は、木曽三川が合流する場所でした。水の恩恵を受けて農業などが発展しましたが、一方で水害の苦しみと闘わなければならない地域でした。そこに薩摩藩から1000名近い藩士が訪れ、大きな犠牲を払い、藩の財政が傾くほどの大きな支出も重ねながら、この地を水害から救ってくれました。このことはしっかりと伝えていく必要があります。強固な堤防ができたことによって、水害のリスクは格段に下がりました。そんな中で、過去の水害と向き合うことも少なくなりました。だからこそ次世代に伝えていかなければならないという思いを強く持っています。
そこで3月には、これまでの海津市歴史民俗資料館を木曽三川輪中ミュージアムへとリニューアルオープンさせました。宝暦治水はもちろん、三川分流の歴史、水との戦いを後世にしっかりと伝えるとともに、薩摩義士や明治の大改修のおかげで治水安全度が飛躍的に高まったという歴史、文化、伝統を内外にしっかり伝えることができる施設を目指したいと考えています。その先にはシビックプライド、まちへの愛着を育んでいかなければならないという思いを持っています。
宝暦治水については、どこでどんなことが起きたのか、明治の大改修、三川分流とはどのようにして行われたかがプロジェクションマッピングによって一目でわかるような展示も追加しました。すでに多くの方から「非常にわかりやすかった」という声もいただいて、とてもうれしく思っています。
「木曽三川輪中ミュージアム」
「木曽三川輪中ミュージアム」のプロジェクションマッピング
「木曽三川輪中ミュージアム」のウェルカムアート
横川市長 はい。付け加えて言うと、全国の7割の小学校において小5社会「低い土地の暮らし」という単元で、当市の輪中、低い土地の暮らしが学ばれています。輪中と呼ばれる地域は、いろいろあるとしても、その単元で写真が出されて、まちの名称が出ているのは当市です。小学5年生の、低い土地の暮らしという単元においては、当市は非常に有名です。授業で題材になるわけですから、全国から社会見学などで来てもらえるよう、学習プログラムもしっかり整えて、子どもたちが教科書で勉強したことを、デジタルコンテンツなどを使って体験できる施設として生まれ変わらせたいという思いもある中で、リニューアルを行いました。
横川市長 はい。新たなミュージアムには、薩摩義士をモチーフにした大きなウェルカムアートを当市出身のグラフィックアーティストである左右田薫さんに描いてもらいました。オープン当日は、左右田さんに筆を入れてもらうライブペインティングも行い、市民と一緒にウェルカムアートをつくりました。
ミュージアムのエントランスで、まず目に入るのがウェルカムアートです。薩摩義士を率いた薩摩藩の家老である平田靱負(ひらたゆきえ)の鬼気迫る表情が描かれ、とても素晴らしい作品を手がけてくれました。これからもミュージアムの顔になり続けて、ミュージアムの存在を広く知らせてくれるウェルカムアートになったと思います。
横川市長 保育園留学等事業は、都会で暮らす小さなお子さんが自然とふれあい、都会の保育園では体験しにくい貴重な経験をする機会を提供するもので、都会に住む親御さんを対象に実施します。養老山地の山すそに位置して、小川が近くを流れ、山の自然もすぐそばという環境の保育園があります。そうしたところを活用して、お子さんに体験してもらいます。大切なのは、それと合わせて、親御さんを対象に田舎暮らしの体験事業を実施するということです。農業も含めて体験いただくようなプログラムをたくさん用意して、当市にしばらく滞在してもらうという、保育園留学事業と田舎暮らし体験事業を合わせて実施していこうと考えています。
住まいについては、空き家をリノベーションした宿泊施設をオープンする民間の方がいますので、そこに滞在していただきながら、田舎暮らしを体験していただきます。保育園留学事業や田舎暮らし体験事業が終わった後は、「ここに、こんな住まいがあります」といったことも紹介しながらサポートを続けて、将来的な移住につなげていきたいと考えています。宿泊施設は年内にはオープンする予定になっていますので、そのオープンに合わせてスタートしたいと考えています。
横川市長 市民や地域コミュニティだけでなく民間事業者との協働・共創もしっかりやっていく必要があります。産官学金との連携の中で、新たなまちの魅力の創出のほか、地域課題の解消に取り組んでいきたいと思っています。その中で、教育機関との連携もしっかりやっていきます。今一番進めているのは、地元の高校である海津明誠高校との連携で、2月には包括連携協定を結びました。当市と学校が一緒になって、まちの魅力を生み出す取り組みを行うことで学校の魅力を高めて、同時に地域の活性化も一緒にやっていきたいと考えています。
当市の根本である総合計画は第二次が終わろうとしていて、第三次の策定に動いているところです。その中で、生徒たちには「どんなまちになったら生涯繁盛といえるのか」「生涯繁盛をキーワードとして海津市が今後目指すべき将来像は何か」「それを実現するための取り組みは何か」といったことを高校生目線で考えてもらい、発表してもらうワークショップを開催しました。
生涯繁盛
さらに言えば、行政と学校だけでなく、地域と学校の連携、協働も生み出したいと思っています。これに関しては、すでに取り組みが始まっています。海津明誠高校はヨットで有名です。ヨットのセールは定期的に替えていく必要がありますが、セールは水に強くて丈夫な素材ですので、それを活用して新たな価値を生み出すアップサイクルができないかということで、地元事業者と一緒になって新たな製品づくりに取り組んでいます。昨年は南濃みかんを使った「全力みかんの海明ティラミス」も生まれました。当市の特産品だけでつくった「ロコモコ海津バーガー」もそうです。漬物がピクルスの代わりとして入っています。千代保稲荷神社は漬物が有名で、そこからアイデアが出ていると思うのですが、大人はなかなか考えつきません。ハンバーガーの中にシャリシャリという食感が入っているのはおもしろくて、さすが高校生目線だと感じるところです。こうしたものを、もっと発信していくことができたらと考えています。
全力みかんの海明ティラミス
ロコモコ海津バーガー
〒503-0695 岐阜県海津市海津町高須515番地
TEL.0584-53-1111 FAX.0584-53-2170
海津市のホームページはこちら
面積:112.03km2
人口:31,255人(令和7年4月1日)
市の木:松
市の花:みかんの花
市の魚:なまず
市のマスコットキャラクター:かいずっち
国営木曽三川公園
千本松原
千代保稲荷神社
治水神社
今尾神社
南濃温泉「水晶の湯」 海津温泉
平田公園
海津市歴史民俗資料館
行基寺
月見の森
羽根谷だんだん公園
円満寺山古墳
アクワワールド水郷パークセンター
長良川サービスセンター
平田リバーサイドプラザ
羽島市|養老町|輪之内町
海津市商工会のホームページはこちら
INTERVIEW
INTERVIEW
INTERVIEW