笠松町 古田 聖人 町長

Leader's Voice

アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』とコラボ企画
“馬のいるまち”の魅力を大きくアピール

笠松町の古田聖人町長
アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』とコラボ企画<br>“馬のいるまち”の魅力を大きくアピール | 市町村長

Interview

笠松町

古田 聖人 町長

コラボイベントには普段の10倍以上のファンが来場

――笠松町の新しい動きについて教えてください。

古田町長 アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』の効果がとても大きいです。春からコラボイベントとして、トレーディングカードを配布したり、アニメに登場する場所のモデルとなった地点を記した「カサマツ篇舞台探訪MAP」を配りました。ゴールデンウィークには、競馬組合主催でイベントを開催しましたが、当町もブースを出しました。約1万人の来場者があり、普段の10倍以上のお客様に訪れていただきました。アニメファンに多く来ていただいて、その後も、全国はもとより台湾、韓国、タイ、スペインなど海外からも来ていただいて、町政始まって以来、多くの外国の方に来ていただいています。

笠松町の古田聖人町長との対談風景

ウマ娘 シンデレラグレイと笠松町のコラボイベントで配布したトレーディングカード

『ウマ娘 シンデレラグレイ』トレーディングカード

ウマ娘 シンデレラグレイで登場したモデル地を記載したカサマツ篇舞台探訪MAP

カサマツ篇舞台探訪MAP

先ほどのトレーディングカードについては、該当店舗での買い物1,000円以上を1会計として 1枚 渡していますが、こちらも好調で、間もなく3万枚の配布を終了します。岐阜県も、県庁1階の「GALLERY GIFU」で、当町を取り上げていただき、その企画展も1万人超える方が来たということで知事をはじめ広報担当者にも喜んでいただきました。引き続き、笠松町のウマ娘から岐阜県のウマ娘ということで、今まで競馬に関心がなかった方や、岐阜県を訪れたことのなかった方たちにも、これを機会に来ていただけるということで、PR効果、宣伝効果があったと思います。名鉄もラッピング電車を走らせてくれましたし、 官民一体となって取り組んでいるところです。

岐阜県庁1階「GALLERY GIFU」の 企画展「笠松町×アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』」の入り口

岐阜県庁1階「GALLERY GIFU」の 企画展「笠松町×アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』」

岐阜県庁1階「GALLERY GIFU」の 企画展「笠松町×アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』」の制服展示

岐阜県庁1階「GALLERY GIFU」の 企画展「笠松町×アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』」

――イベントでは、普段の10倍以上の人が訪れたということで、すごいことですね。

古田町長 はい。地元でも「お客さんが増えたよ」と言って喜んでいただいているお店もありますので、よい年になったと思います。サブカルチャーのコアなファンは購買力と行動力と発信力がとても大きいですから大切にしていかないといけないと思います。当町は、県内で唯一、競馬場があるまち、馬のいるまちです。原点に帰って PR することが必要だと思います。

Dr.コパさんが馬主だったラブミーチャンの銅像も寄付していただき、庁舎の横に新しいシンボルとして飾られています。今後も新しいファンを開拓していくことは大切です。知名度を上げたり、イメージをよくすることで、競馬場で働いていただける方も増やしていかなければなりません。知名度が上がり、イメージがよくなって、若い方たちに働き続けていただくことが、この先の持続可能にもつながると思います。

笠松町庁舎横に飾られているラブミーチャン銅像

ラブミーチャン号の銅像

――舞台探訪が目的の方は、どういった場所を巡るのですか?

古田町長 「笠松競馬場」はもちろん、舞台になった「笠松みなと公園」、庁舎の1階には、サイン色紙やポスターなども展示していますので、庁舎を訪れる方もいます。ほかには、地元グルメということで、競馬場内の店舗はもちろんですが、駅前の中華料理店はコスプレーヤーの集いの場になっています。その意味では、去年までとは状況が大きく変わったと思います。これまでは、ほぼ地元の方中心のお店でしたが、全国各地からファンの方が訪れるお店になったということで、「お客さんがすごく増えたよ」という声を聞けて、とてもうれしく思っています。

笠松みなと公園の桜

笠松みなと公園

笠松町の役場庁舎1階の展示コーナー

笠松町役場庁舎1階の特設コーナー

DX化で、住民の満足度向上につなげる

――DX化の推進についても教えてください。

古田町長 2月からコンビニ交付サービスを始めましたが、書かない窓口に向けた検討も進めているところです。私や副町長が来庁者の立場になって、窓口体験調査を行いました。 例えば、引っ越してきて転入届けをする、あるいはお子さんのいる家庭だったら保育所の手続きなど、普段通りのことをやってみたら何度も名前を書かないといけない、住所も書かないといけない、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりということもあるということで、面倒ですし、時間もかかりました。今後、もっと来庁者の立場になって、もう少し使いやすいものにしていきたいと考えています。職員もそれだけの時間がかかると、他の業務の負担にもなりますので、住民サービスの向上と働き方改革を含めて、調査研究したいと考えています。また、デジタル機器を導入することも大事なのですが、窓口のレイアウトを変える、応対時のスキルを向上させるといったことも、総合的な視点で捉えながら住民の満足度のさらなる向上につなげていきたいと思います。

――DX化によって、役場内の仕事も変わっていきそうですね。

古田町長 はい。これまでは、どちらかというと与えられた仕事を淡々とこなしたり、自分たちの部署だけで仕事を進めていたと思いますが、人材不足の中で、魅力ある職場にしていくことも大事です。自分の可能性を高めたいという若い人が集まる職場にしないと、よい人材は来てくれません。

DX化によって、仕事がラクになるということではありません。開庁時間の短縮も検討していますが、それはこれまでの業務の負担を減らす代わりに専門的な知識やスキル、さらに自分で学びたいもの、身につけたいものを見つける時間にするということです。かえって、これまで以上に周囲の目は厳しくなるということを職員に言っています。今まで以上に自分で積極的に学んで、自分から地域の方たちに溶け込んで、いろんな意見を聞きながら、まちづくり進めていく人材が求められてくるということを言っています。職員自身が意識改革をして、積極的に仕事にも取り組もうと思えるきっかけにしていきたいと考えています。

――町長に就任してから、職員の仕事への取り組み方に変化を感じていますか?

古田町長 私自身、民間出身ですし、行政はサービス業だと思っています。住民ニーズが増えてくる中で、体質は少しずつ変わっていると思います。「こういう企画を考えています」「こんなコラボの話が来ていますが、どうしましょうか」といった具合に、提案や報告をしてくれる職員は増えていると思います。民間とのコラボ事業も増えてきて、刺激を受けている職員は多いと思います。民間からコラボの話が来たときに、「いや、うちはやったことないですから」「検討してみます」」という答えばかりでは、「あのまちは時間がかかるから、話をするのはやめよう」ということになってしまいます。その意味では民間との業務提携も進めていますし、積極性は上がってきていると思います。そのように民間と一緒に事業を進めることで、知名度も上がりますし、まちのブランディングにもつながると考えています。

若い世代をきっかけに地域の絆の結び直し

――そのほかの話題についてはいかがですか?

古田町長 空き家問題について次のステージに行きたいと考えています。これまで空き家があると、本人やご家族に相談して、民間団体や専門家と連携して一定の成果は上げていましたが、やや停滞気味になっています。そこで、次のステップとして未然防止の取り組みを進めたいと考えています。今はお元気ですが、将来的に施設などに入られるかもしれないような方に対して、事前に今後のことを考えていただく働きかけをしていきたいと考えています。身体が弱ってから、あるいは施設に入ってから考えるのではなく、お元気なうちに、本人 やご家族が一緒になって考えて、いざという時は どうするのかという手立てをあらかじめ考えるような相談会、あるいは地域の不動産屋につなげる取組みを進めたいと考えています。年齢を重ねると判断力も低下しますし、相続の問題も出てきて、放置されてしまうケースもありますので、お元気なうちに将来のことを考えていただくことを促したいと考えています。

――万が一に備えて早めに備えをしていくということですね。

古田町長 はい。特に駅周辺の土地は、利便性も高いですし、うまく活用すれば財産になります。賃貸をする、駐車場にする、売却するなど、それなりの利益が見込めます。おかげさまで、当町は、ふるさと愛の強い方が多いです。今は、ここに住んでいなくても、子どもの頃にはこういうことがあったなという思い出を持っている方もいます。しっかり情報発信することで、改めてふるさとを思う方もいると思います。「いずれ定年になったら戻ってもいいかな」というように、離れていても心がつながっているという思いを守ってきたいと思っています。

――その意味では、大みこしが15年ぶりに復活したそうですね。

古田町長 はい。本来は「笠松春まつり」で披露する予定でしたが、残念ながら雨で中止になりました。ただ、地域の結びつきということで、中学生が非常に頑張ってくれています。担ぎ手不足で、なかなか披露できなかったのですが、伝統を引き継ごうという思いから、別の日に学校のグラウンドで披露してくれました。それを見た地域の方や保護者からも「やっぱり、いいよね」という声がたくさんありましたし、担いだ中学生たちも、とても感動したようです。

笠松中学校のグウランドで披露した大みこし

大みこし

ウマ娘のアニメの中で「新笠松音頭」がブームになって、子どもたちも当然知っていて、新笠松音頭を復活させようということで、10月に開催した「リバーサイドカーニバル」では、やぐらを組んで中学生が大人と一緒になって、みんなで盛り上げてくれました。まちづくりに関心を持つ子どもたちが、とても増えています。子どもたちが頑張っている姿を見ることで、まちづくりを盛り上げようという大人たちの機運が高まることにもつながると思いますので、若い世代から、まちの絆の結び直しをする取り組みを進めています。コロナ禍もあって、様々なイベントがなくなって、つながりが希薄化する中で、大みこしの姿も、もう見ることができないと思っていた矢先に、若い世代の協力で15年ぶりに披露できたという物語は、町民にとって大きな刺激になったと思いますし、まちづくり、地域の絆を改めて考えてもらう、よいきっかけになったと思っています。

リバーサイドカーニバル

リバーサイドカーニバル

 

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笠松町の情報

面積:10.36km2
人口:21,863人(令和7年11月1日)
町の木:松
町の花:さくら

名所・旧跡・観光

八幡神社
笠松陣屋跡
笠松別院
米野の戦い跡(関ヶ原の戦いの前哨戦)
笠松競馬場
トンボ天国(岐阜県の名水)
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