INTERVIEW
Leader's Voice
ぎふ木遊館サテライト施設がリニューアルオープン
木とのふれあいを通じて森林とのつながりを体験
Interview
田中 明 市長
高山市らしさを生かした小水力発電で脱炭素地域づくり
―― 「観光施設のバリアフリーモニターツアーを実施」の概要と取り組み内容について教えてください。
田中市長 観光施設のバリアフリーモニターツアー自体は、以前にも実施したことがあり、物理的なバリア以外にも言葉の問題など社会的障壁を取り除くまちづくりを進めています。ここ数年は実施していなかったのですが、コロナが明けて、たくさんの人が来るようになりましたので、歩きやすくするまちづくりという意味で、今年度改めて実施しました。
視覚や聴覚、歩行に障がいのある方に、バスに乗ってもらったり、観光施設に行ってもらったり、市内のホテルに宿泊していただいて、いろいろな意見を伺いました。その意見を元に、どこを改善していくか検討していきたいと思います。
―― 「脱炭素先行地域づくり事業の推進」の概要と取り組み内容について教えてください。
田中市長 当市は国の二酸化炭素削減の先進的なモデル地域(脱炭素先行地域)に選ばれました。2050年までにゼロカーボンシティを目指すため、当市の地形の特徴として、豊富な水量と急峻な地形を利用した小水力発電、また森林資源も豊富ですので木質バイオマス発電や熱利用に取り組みます。高根地域や朝日地域、久々野地域をはじめ市内各地に発電施設をつくり、飛騨高山電力株式会社という新電力会社を通じて、エネルギーの地産地消を目指します。
市内ではすでに地熱発電や太陽光発電施設もあるのですが、太陽光発電に関しては平坦な土地が必要になりますし、景観上の配慮も必要になります。その点、小水力発電は環境負荷が少ない発電施設になりますので、当市らしい取り組みではないかと考えています。
高山市の礎を築いた金森長近の生誕500年記念事業を開催
―― 「金森長近生誕500年記念事業の実施」の概要と取り組み内容について教えてください。
田中市長 金森長近(以下、「長近」)は当市になくてはならない存在です。長近が当市に関わった期間はそれほど長くはありませんが、城下町をつくってくれました。全国的な知名度はそれほど高くないかもしれませんが、三英傑に仕え、当市の礎を築きました。町並みもそうですし、当時の産業の中心だった木材や鉱山を活用して、地域の生業(なりわい)に貢献されました。
今年、長近が生まれて500年を迎えるということで、様々な記念事業を開催しています。市として最初に手掛けたのは「マンガふるさとの偉人金森長近」です。加筆増刷して小4から中3に配布し、長近について学んでもらいました。
どこかで聞いたフレーズだと思いますが(笑)、「どうした長近」と題した講演会を開催したり、特別展も開催しました。民間の動きとしても、長近を顕彰する団体は昔からあったのですが、生誕500年ということで改めて新たな委員会が立ち上がって、扇子やハンカチ、キーホルダーなど長近にまつわるグッズを作ってアンテナショップで販売してくれました。ほかにも城巡りのツアーが開催されました。
―― 城巡りはどこが中心になるのですか?
田中市長 高山城跡です。幕府の命を受けた加賀藩によって天守は破壊されましたが、石垣は残っています。現在は城山公園になっていて、長近の銅像もある市民にとって憩いの場所です。私も子どもの頃、何度も行きました。高山駅からも近くて、車で5分ほどで行くことができますので、ぜひ一度ご覧になっていただければと思います。
家族が物語を紡ぐ“場”を提供
―― 「木育・森林環境教育の推進」の概要と取り組み内容について教えてください。
田中市長 以前は森のエコハウスという名称でしたが、令和6年11月に、木育に力を入れている団体や森林組合などが共同して立ち上げた協議会が運営主体となり、「ぎふ木遊館サテライト施設」としてリニューアルオープンしました。木育体験の機能を持ち、地域の特性もふんだんに盛り込まれている施設で、実際に、木にふれたり、木のおもちゃで遊ぶことを通じて森林とのつながりを体験することができます。場所は「飛騨の里」のすぐ近くにありますから、市民はもちろん観光客の方にも利用していただきたい施設です。
―― 高山市といえば、市民は木とふれあう機会は多いのではないですか?
田中市長 はい。市自体が山に囲まれていて、約92.5%が森林です。各学校でも地域の団体と一緒になって、間伐や植林などを体験する授業が行われています。家具、一位一刀彫、春慶塗りなど、木にまつわる飛騨の匠も広く知られていると思います。
ただ、活用という意味においては面積が広すぎることもあって、全体をやろうとすると、相当力を入れないとできないと思います。でも市長になって改めて思うのですが、当市の面積がいかに広いか。当市の面積は東京都とほぼ同じで、約2,200k㎡です。行政面では効率が悪い部分も出てきますが、逆に言うと、広大な森林があることは強みにもなります。先ほど述べた脱炭素地域づくりは、小さな面積の自治体ではなかなかできません。森林が豊富で自然豊かな当市だからできる取り組みだと思います。まずは全体ではなく、できるところから取り組みたいと思っています。川上から川下までと、よく言われますが、木を伐って、製材して、活用していただく一連の流れがうまくいっていない部分がありますので、できるところから、その流れを作って森林の価値を高めることで、森林の仕事に携わる方や、森林を持つ方が価値を見出せるよう持続可能なものにしていきたいと思います。
―― 「原山市民公園への大型複合遊具などの整備」の概要と取り組み内容について教えてください。
田中市長 当市で子育てをしている方にとって、遊具を使って楽しく遊べる場所が、大きい施設としてはありませんでした。スポーツをしたい、子どもを遊ばせたいというニーズがある中で、当市にはそうした施設が少ないのではないかという声がありましたので、その一つとして原山市民公園に大型複合遊具を整備することにしました。
遊具を整備して、遊んでもらえる公園にするというだけではなく、その“場”で、家族が物語を紡いでいける公園にしたいと考えています。“場”を提供するわけですから、ハードの整備ではなくソフトの整備だと思っています。完成は来年春を予定しています。
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人口:82,550人(令和6年12月1日)
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