INTERVIEW
![安八スマートIC周辺の企業誘致を軸に賑わいを作り出す | 市町村長](/wp/wp-content/uploads/2023/07/IMG_0686-400x301.jpg)
Leader's Voice
Interview
山内 登 市長
山内市長 はい。おかげさまで以前、認定を受けた「岐阜の宝もの」のバージョンアップのような形で再び選んでいただけました。狙いとしては、新たな観光資源の発掘というか、第三の観光地を作り出すということです。高山と下呂温泉があって、飛騨小坂は、どちらからも約30分のアクセスです。そこに滝めぐりを中心にシャワークライミングや氷瀑巡りなど自然を活かした第三の観光地を作ることによって、高山、あるいは下呂温泉郷と連携して宿泊滞在型観光を強化していこうというものです。
シャワークライミング
山内市長 そういうことではありません。例えば滝めぐりであればコースの整備など、どちらかというとインフラ整備です。小坂には5m以上の落差のある滝が216あるのですが、そのすべてを見に行くことができるほどのルートはできていません。「がんだて公園」を出発して、「三ッ滝」など10個ぐらいの滝までは遊歩道も整備されていて軽装でも見に行くことができます。でも、その先を見に行こうと思ったら登山用の装備が必要になってきます。自然をいかに壊さずに開発するかもサスティナブルの重要なテーマですから、自然を活かしたまま、一般の観光客がもう少し奥まで行くことができるような開発を進めていきたいと考えています。同時に林道整備も進めています。これによって、自動車でもう少し奥まで入ることができるようにもしたいと考えています。自然を壊すことなく、自然体験ができる観光地化を目指していきます。
がんだて公園
小坂コースの三ッ滝
山内市長 はい、ありがとうございます。馬瀬川上流の鮎がグランプリで、小坂川の鮎も準グランプリを受賞することができて、本当に良かったです。
馬瀬川上流鮎、小坂川鮎
馬瀬鮎友釣
山内市長 苔の質がいいそうです。やはり水がきれいだし、おいしい証なのだと思います。食べるものによって鮎の香りが変わってくるし、身の締まり具合も違ってくるそうです。ちなみに馬瀬川については、「火ぶり漁」という伝統漁法が伝わっています。暗闇の中、松明の炎と音で鮎を網に追い込む古くからあった漁法ですが、一時途絶えていました。それを有志の方が復活してくれて、2012年から実演しています。現在は、幻想的な漁の光景が人気を呼び、多くの観光客が訪れるようになっています。
火ぶり漁
山内市長 下呂温泉は、温泉全体を評価するエレメントの中で泉質、食事、おもてなしなどについては、だいたいトップ5以内に入っています。また、業界新聞が投票で決める温泉地ランキングで下呂温泉は2年連続で2位です。ところが草津温泉は20年連続1位です。有馬温泉、別府八湯温泉、道後温泉、下呂温泉などが毎年2位を争っているという状況です。では、評価する要素の中で下呂温泉は何が足りないのかというと「街並みの雰囲気」「見どころ・体験」という要素です。その2つの要素については低ランクです。それ以外は草津温泉とそん色ないわけですが、雰囲気と見どころの評価が低いために2位争いになっているというわけです。
下呂温泉街
下呂温泉街
ですから石畳を整備したり、景観をよくするなどの事業に取り組んでいきたいと考えています。ちょうど下呂温泉の真ん中を飛騨街道が通っています。簡単に言うと、「歩道を石畳に変えましょう」「街路灯を歴史的な趣のあるものにしましょう」「植栽も景観をよくしましょう」「派手な色はやめましょう」などといったことを、市民も巻き込んで協力しながらまちづくりを進めていきたいと考えています。
下呂駅前にある下呂温泉病院の跡地についても一カ所は活用方法が決まっていません。一方は駐車場にすることに決まりましたが、もう一方は決まっていませんので、そこをランドマーク化して、下呂の新たな見どころとなるものを作ろうといったことを考えています。
山内市長 ほぼ国道41号です。ただ現在は川沿いですが、昔は、川沿いは危なくて通れませんから高台や山中です。下呂地区でいえば市役所の前の道も飛騨街道になるわけですが、この辺りも整備を進めようということです。そして将来的には「天領朝市」を開催している萩原地区も、「筋骨巡り」が楽しめる金山地区も飛騨街道を通っているわけですから、市全域を順次整備していこうと考えています。観光地として整備を進めるわけですが、その先には街並みの整備によって空き家になっているところにお店を経営する方などに入っていただいて、コンパクトなまちづくりにしていきたいと考えています。
天領朝市
筋骨巡り
山内市長 当市には、ほかの市にあるような文化財保護課のようなものがありません。ですから来年度からは文化振興課のようなものを新設することに決めました。ようやく今年、学芸員を1名採用しましたが、最低でも3名ぐらいにしたいと考えています。これも観光にも資すると思いますし、人口減少対策にもつながると思っているわけですが、元々、当市が持っていた歴史や文化、芸能などをもう一度掘り起こしたいと考えています。
久津八幡宮本殿(正面側)
久津八幡宮本殿については、屋根の保存修理工事を進めているわけですが、職人たちが竹釘を口に含んでポンポンと板を打ち付けていく作業風景を小学生に見学してもらいました。当市には、それぞれの旧町村に資料館のようなものがありますが、ほとんど活用されていません。それらも集めてきちんと整理して、伝統文化をしっかり見つめなおしていくことに力を入れていきたいと考えています。子どもたちに、自分たちが住んでいる地域に、こんな素晴らしいものがあるということを体験させれば、必ず脳裏に焼きつきます。将来、何十年後でもいいですから「下呂に帰ってみよう」と考えるきっかけにつなげていきたいと思っています。地域に受け継がれてきたお祭りを大切にすることもそうですし、“ふるさと”が子どもたちの記憶に残る体験をさせていきたいと思っています。それが一つの人口減少対策につながると考えています。
久津八幡宮本殿工事見学風景
久津八幡宮本殿工事見学風景
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