白川村役場
〒501-5692 岐阜県大野郡白川村鳩谷517
TEL.05769-6-1311 FAX.05769-6-1709
成原 茂 村長
発想や意識を大転換
村全体で新しい観光のあり方を構築する
コロナの影響が大きい観光産業
―― まだまだ新型コロナウイルスの影響が大きいと思いますが、観光への影響はいかがですか?
成原村長 これは本当に大変で、影響が大きいです。昨年8月末までの集計結
―― 全国的に観光産業や飲食業は大きな影響を受けているわけですが、やはり白川村も厳しい状況が続いているというわけですね。
成原村長 はい。新型コロナウイルスの影響で、昨年までの村の姿とは大きく変わっています。ただ、これをきっかけに大転換を図らなければいけないと考えています。観光産業は、どうしても、「今だけ」「お金だけ」「私だけ」になりやすい側面があります。しかし、この厳しい状況下にあって、事業者の皆さんの意識も変わってきています。官民が手を携えて、共通認識をもって新しい観光のあり方を考える大きなきっかけになると考えています。
村の中にお金が回る仕組みづくり
―― 村の観光においては、どのような課題があるのですか?
成原村長 例えば、一昨年に関していえば入り込み客数が約215万人で観光消費額が約80億円です。しかし、その大半が村外へ流れているという問題があります。あるいは宿の食事です。朝は朴葉味噌、夕食は川魚の塩焼き、山菜という、いつ訪れても変わらないメニューではお客様に飽きられてしまいます。全国に数ある観光地の中で埋もれないようにするためには特色ある観光にしていく必要があります。
―― 課題解決のための具体的な方策についてはどのような考えがありますか?
成原村長 例えば、世界遺産である荻町合掌造り集落への一極集中ではなく、ロングトレイル、河川下り、キャンプなどのアクティビィティを活用して観光を多極化させる必要があります。村内には、「白山ブナの森キャンプ場」や「さくら街道白川郷ひらせ温泉キャンプサイト」という2つのキャンプ場がありますが、利活用があまり進んでいません。そうした地域資源を掘り起こす必要があります。あるいは、食事で提供するお米は村内産があまり使われていません。白川郷米としてPRし、地域食材として積極的に使うことも必要です。観光はすそ野が広い産業ですから、村内の埋もれた資源をうまく活用して、村の中にお金が回る仕組みを作らなければなりません。
滞在時間を長くして観光消費の増加につなげたい
―― 現在はコロナ禍で厳しい状況ですが、一昨年215万人ものお客様が訪れたわけですから、マーケットとしては非常に魅力的ですね。
成原村長 はい。このピンチに対しては、発想を変えて取り組んでいく必要があると思います。観光地としての魅力を高めることで滞在時間を延ばし、立ち寄り地から目的地へと変えていかなければなりません。一昨年訪れた215万人のお客様に対して、宿泊客は約12万人です。以前は約8万人の時期もあり、少しずつですが増加傾向にあります。ただ、世界遺産になる以前は、約60万人の入り込み客数でしたが、現在と変わらない約12万人の宿泊客数がありました。これについては、東海北陸自動車道が開通する以前は、当村への交通の利便性が低く、3時頃に大型バスが来ると、今日はどこに泊まるのだろうかと心配したほどで、冬は富山方面へ抜けることもできませんでした。現在は、東海北陸自動車道が整備され、高山市や富山方面など、ほぼ1時間圏内になった影響が大きいわけですが、やはり目的地化して、宿泊客数をさらに伸ばしていく必要があります。
その一方で、「昔は民宿へ帰ると『お帰り』と声をかけてくれました。土産物店に立ち寄ると、以前来たことを覚えていてくれて『今年もまた来てくれましたね』と言ってくれました。でも、今は『いらっしゃいませ』『ありがとうございました』。一見の客扱いです。昔の白川が恋しい」という声も聞かれます。60万人だった入り込み客数が215万人まで増えたことで、顔を見て対応するのが難しい時代になったという一面はあります。しかし、そうした部分も改善する必要があると思います。一人ひとりを大切に、おもてなしをする。発想や意識を変えて、村全体として新しい観光づくりに取り組んでいきたいと思います。
白川村の情報
面積:356.55km2
人口:1,549人(令和3年6月1日)
村の木:ブナ
村の花:白山シャクナゲ
名所・旧跡・観光
白川郷(荻町集落)
御母衣ダム、御母衣湖
飛騨トンネル
白山スーパー林道
どぶろく祭り
隣接する自治体
高山市|飛騨市
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