高山市役所

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田中 明 市長

観光の手法を用い、人々の暮らしをなりわいの一部にして地域を活性化

観光の手法とDMOの強化に取り組んだ持続可能な地域づくり

-- 持続可能な地域づくりのための観光振興について、どのような取り組みをされていく予定でしょうか。

田中市長 高山市には観光資源がどっさりあり、厚みがあります。それも、1970年(昭和45年)のディスカバージャパンキャンペーンや1986年(昭和61年)の国際観光都市宣言によって、先人が築いてこられた大きな礎があるからこそ。国内外から観光客が訪れるまちになっています。かつては交通の便が今ほど良くありませんでしたが、不便なところへ来ていただけるということで、地域の方が「おもてなし」をしてくださっていました。そのおもてなしに観光客が喜び、その喜びに対して地元の方も喜んで次につなげていくという、良い循環を生むDNAが高山市民には備わっているのだと感じています。

観光は高山市の柱です。コロナの影響で観光客が減りましたが、さまざまなことを考えるきっかけにもなりました。私が市長に就任して一番に考えたことは、観光の手法を活用した地域の活性化です。観光の手法を活用しながら、持続可能な地域づくりにつなげていくということです。

-- 観光の手法を活用した地域活性化について、詳しく教えてください。

田中市長 現在、中心市街地と奥飛騨地域が観光の中心になっているところを、それ以外の地域にも注目し、もともとある地域の魅力を活かす方法です。例えば、中心市街地から少し離れた高山市国府町は果樹、田畑、自然、日本遺産構成文化財に指定されている史跡、寺院、そして人の生活がある、小さな高山のようなまちです。これまで観光の視点はなかったのですが、今、民間の団体が高山の中心市街地から少しでも国府町に流れていくような取り組みをされています。電動アシスト付き自転車を使ってゆっくり国府町内を回ってもらうことで、地元のパン屋さんとか、はさがけがある田んぼの様子とか、日常の風景を観光客に見ていただく観光の手法に取り組まれています。この手法によって地元の方には自分が住む地域に誇りをもつことができ、地域を磨いていこうという想いにつなげていくことができます。小さい成功例を作ることで、プライドにつなげていく手法です。

観光や持続可能な地域づくりに真正面から取り組んでいくと、力が入りすぎて地域が疲れてしまいます。大きなプラットフォームをいきなり作るのではなくて、スライムのような柔軟で小さなプラットフォームが波打つような地域を作っていけたら、と考えています。

地域の方がそこに住み、なりわいをしていることが地域振興の一番の根幹です。できることをしっかり、着実に取り組んでいくことが大切。そのために、観光の手法を使って活性化させていくことを大きな柱にしています。

-- DMOの組織強化についてはいかがでしょうか。

田中市長 行政がしっかり財源を確保して下支えをすることで、経済行為である観光の部分に関しては、民間にお任せします。お任せと言っても丸投げするのではなく、将来の高山像をしっかり共有したうえで取り組んでいただきます。もっと言えば、観光だけでなく、教育関係者や障がいのある方、高齢者など、さまざまな方がステークホルダーに関わっていただくイメージです。DMOには科学的な分析をしていただき、それに基づいた戦略をたてて、みんなで共有しながら強化していきたいと思います。

飛騨高山古い町並み

飛騨高山古い町並

奥飛騨温泉郷 新穂高の湯

奥飛騨温泉郷 新穂高の湯

国府サイクリングモニターツアー

国府サイクリングモニターツアー

高山市に住む人々の技術、経験に価値を見出す

-- インバウンドの観光についてはいかがでしょうか。

田中市長 高山市役所での職員時代、海外戦略部でインバウンドに携わっていた時に感じたことは「海外の方は高山の普段の暮らしや景色で、日本を体感している」ということです。ある時、アメリカから来られた方を飛騨春慶の塗師さんの工房へお連れし、40年の経験がある塗り師さんになぜその仕事に就かれたのか、今、どのような暮らしをしているのかをお話しいただきました。その方の経験や技術、バックグラウンドにアメリカの方は感激されており、「これだ!」と感じました。地域に受け継がれているもの、根付いているもの、人々の暮らしなど、すでにあるものをしっかり見せることで価値につなげることができるのです。物価は変化しますが、人の価値は不変です。むしろ、年を経るごとに価値は上がっていきます。

高山で暮らしている方に、無形の価値や経験に対価を求めていただき、なりわいの一部にしていただくことが大切だと考えています。高山には、工芸品、農業、家具などさまざまな資源とそこに携わる方がいます。不思議なことに、会って、見聞きしたことに対価を見いだすことで、さらにその方が手がけた物も売れていくのです。インバウンドだけでなく、国内の方に向けても体感していただき、住民がやりがいもって暮らせるまち、持続可能な地域づくりの実現を目指しています。

飛騨春慶塗

飛騨春慶

高山市に住む若者支援で「楽しそう!」と思われるまちに

-- 若者支援に関する取り組みについて教えてください。

田中市長 他の中山間地域が抱える課題と同じように、高山市も全世代の人口のうち、10代後半から20代が最も少ない状況です。人口が少ないがゆえに、しっかり支援できていなかったこともあり、高山市に住んでいる若者に目を向けて欲しいという声が多くありました。そのため、若者がチャレンジしたいこと、特に、音楽やその他の活動に関する若者文化に対して、積極的にバックアップしたいと考えています。また、家業の代を継がれる方や起業をされる方向けに、ビジネスコンテストを開催し、良質な事業については100%支援することも考えています。また、個人事業主を支援することで、例えば、ITやデザインといったクリエイティブ産業を高山市内で賄うことができるようになります。子育て支援についても同じ。住んでいる方に向けて手厚い支援を実施していきます。

-- 先ほどの観光の手法と同じように、地域振興にもつながりますね。

田中市長 高山市に住んでいる若者を支援することで、高山市に根付いていただき、やりがいや充実感を得ながら暮らしていただきたいと考えています。高山市職員時代に地域振興の担当をしていた時期があり、たくさんの方にお会いする中で、みなさんがさまざまな想いをもちながら地域に貢献していることを見てきました。その時に、この地でなりわいを続けながら「今日も良かった」と思っていただけることが地域振興だと学び、このような地域振興が私のバックボーンになっています。市外の方が高山市に住む方を見て「楽しそう!」と思っていただけるようなまちを目指していきます。

高山市の情報

面積:2,177.67km2 
人口:84,440人(令和4121日)
市の木:いちい
市の花:こばのみつばつつじ

名所・旧跡・観光

高山市三町伝統的建造物群保存地区
宮川朝市・陣屋朝市
国指定天然記念物「臥龍桜」
平湯大滝
高山陣屋
高山祭
奥飛騨温泉郷
飛騨大鍾乳洞
御母衣ダム
飛騨せせらぎ街道
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