飛騨市役所

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都竹 淳也 市長

種まきをしていた取り組みが、今、芽を出し始めています

飛騨市の鮎が有名シェフから好評を得ている「食の大使による食の総合プロデュース」

-- 飛騨市は現在、「食」に力を入れられていますが、「食の大使による食の総合プロデュース」について教えてください。

都竹市長 3年前から飛騨市の食材を売り込む取り組みを始め、昨年、「食のまちづくり推進課」を立ち上げました。飛騨の食材にストーリーと付加価値をつけ、首都圏をはじめ料理界において評判を高めていくことをビジョンとしています。その中で、工藤英良さんを「食の大使」に委嘱し、有名料理人への橋渡しや飛騨の食材のPRなどをお願いしています。工藤英良さんは、公邸料理人として10年に渡り、パリ、カナダ、北京などで、外交を「食」の面から支えてこられた方で、当時から飛騨の食材を使って頂いていたことから飛騨市に関わりが深いということで協力していただいています。

また、食のまちづくり推進課の営業力を高めようと、地方創生人材派遣制度を活用し、サントリーで洋酒のマーケティングに携わっている上田俊二さんにプロジェクトに入っていただき、工藤さんと一緒にさまざまな取り組みを進めているところです。

-- 成果に繋がった取り組みはありますか。

都竹市長 旬の食材が豊富な7月に、首都圏で活躍中の日本料理の巨匠ら4名に飛騨市へお越しいただき、23日の農家体験ツアーを行いました。市内の各農家を巡り、生産者のこだわりや思いを体感してもらい、「飛騨市の食材は何故こんなに美味しいのか」についてその理由や背景を知っていただきました。その中でも最も好評を得られたのが「飛騨清流みやがわ鮎」です。現地では鮎釣り界のレジェンドと言われる室田名人が目利きした鮎を塩焼きにし、シェフたちに試食していただきました。室田名人と言えば、日本全国津々浦々とにかく色んな所で鮎を釣ってきた鮎釣り界の巨匠です。そんな室田名人が日本中どの鮎よりも「ここのあゆが一番活きが良くて美味い」と絶賛し移住を決めるほどのクオリティです。鮎を試食したシェフたちからは、「もっと早くに出会いたかった」と称賛の声があがるなど印象は上々で、その場で早速取引が始まり、現在は首都圏の超有名店に毎週、150匹~200匹を届けています。

このツアー以前にも飛騨市の鮎を継続的に購入されている料理人もいて、今後、一気に広がり始めるのではないかと期待をしています。

宮川の鮎釣りの様子

農家ツアーの様子

農家ツアーの様子

農家ツアーの様子

薬草、日本みつばちのハチミツ、食べられる薔薇など、飛騨市独自の資源でまちづくり

-- 「薬草を活用した拠点や商品づくり」の概要と取り組み内容について教えてください。

都竹市長 健康につながる取り組みをしようと、飛騨市に自生している薬草に目をつけ、旧古川町・河合村時代から薬草のまちづくりを継続しています。2014年に飛騨市で初めて「全国薬草シンポジウム」が開催されたことをきっかけに、盛り上がりをみせ始めました。薬草の普及に力を入れている岡本文さんが飛騨市の地域おこし協力隊の活動を経て、現在は飛騨市薬草ビレッジ構想推進プロジェクトマネージャーとして活躍しています。2019年には古川町の民家を改装した薬草体験施設「ひだ森のめぐみ」をオープンしており、ここがプロジェクトの拠点となっています。

-- 薬草体験施設「ひだの森のめぐみ」はどのような施設でしょうか。

都竹市長 薬草関連の商品を販売しているほか、薬草の七味や自分でブレンドするオリジナル薬草茶、入浴剤などが作れるワークショップを行っています。また、自分で採取した薬草を乾燥、粉末、圧搾する有料加工サービスも行っています。

薬草体験施設「ひだの森のめぐみ」

薬草体験施設「ひだの森のめぐみ」

-- 飛騨市で推進している薬草があれば教えてください。

都竹市長 メナモミとクズの花です。メナモミは抗酸化成分が多く含まれる品種が、河合町月ケ瀬地区に多く自生しており、なにか活用できないかと「飛騨のメナモミ 月ケ瀬」の名前をつけて、試験場で栽培をしています。葛根湯で有名なクズも豊富に自生しており、その花は、夏の短い期間しか採れないのですが、肝臓の働きを高め、悪酔い、二日酔いをしない薬草と言われ、私も毎日活用し、その素晴らしさを体感しています。

飛騨市では、薬草のまちづくりの推進を目的にした「飛騨市薬草商品登録制度」に取り組み、例えば、メナモミを使ったワッフル、飴、味噌せんべい、パンなどさまざまな商品が開発されています。

薬草の試験場

-- 飛騨市はまちづくりにつながる資源が豊富ですね。

都竹市長 飛騨地域で養蜂をしている方々を中心に結成されている飛騨日本みつばちの会さんは日本古来の在来種である日本みつばちの飼育、保護を行っており、情報交換や勉強会を通じて良質なはちみつを採取しています。その他には、食用バラの栽培もしています。河合村時代に始まった食用バラの栽培を本市の元職員が長年、続けていたところを現在、名古屋市にある食べるバラの専門店玖島ローズさんに引き継いでいただいています。栽培だけでなく、市民の方と「バラモリ実行委員会」を立ち上げ、食べるバラと飛騨の森をテーマとした「バラモリ」イベントの開催や「バラと森のツアー」を企画され、飛騨市の魅力を発信していただいています。

飛騨日本みつばちの会のハチミツ

食用バラの栽培風景

食べるバラと飛騨の森をテーマにした「バラと森のツアー」

道の駅アルプ飛騨古川で飛騨市の新鮮野菜が購入可能に

-- 202272日にオープンされた、道の駅アルプ飛騨古川内の「飛騨産直市そやな」について教えてください。

都竹市長 以前は旧朝開町にあった製糸工場を活用した農産物直売所で地元の生産者による野菜を販売していましたが、戦時中に建てられた建物の老朽化が課題になっていたところ、今回、道の駅アルプ飛騨古川内に敷地を確保することができ、オープンすることになりました。

直売所は専業農家や自給的農家の方々の受け皿として大変重要な施設なのですが、特に農業を生きがいとしている高齢者の方々のやりがいに繋げる意味でも大切な場所です。道の駅にオープンしたことにより、広い駐車場もあって団体さんが立ち寄りやすく、オープン当初から、多くのお客さんを迎えることができ、大変、好評を得ています。また、店舗運営には店長の役割も重要だということで、「トマト店長」こと、販売促進インストラクターの牧ヶ野芳男さんを迎え、PRや商品のディスプレイなどをお任せしています。野菜の収穫が難しい冬でも、トマト店長が持つネットワークをいかして東北やお隣り富山県の海産物を目玉商品としながら交流販売もできるようになりましたし、市内事業者との連携も少しずつ増えていますので、地元の特産加工品などの販売も徐々に広げているなど、通年営業で頑張ってもらっています。

-- えごまのコーナーもあるそうですね。

都竹市長 私が市長に就任した折りに「えごまのまちづくり」を提唱しており、今回、「飛騨産直市そやな」でえごまを使った商品を購入していただける拠点ができました。飛騨市のえごまは他とは少し違い、各ご家庭で代々受け継がれてきた在来品種のえごまを中山間農業研究所が何種類も調べた結果、その中から飛び抜けて抗酸化作用が高い品種が見つかり、それを「飛系アルプス1号」として種苗登録しています。「えごま工房」では、地元企業の株式会社飛騨企画販売さんが、農薬不使用のえごまを使い五平餅、えごまアイス、コロッケなどの商品を開発・販売しています。

飛騨産直市そやな

飛騨産直市そやな

飛騨産直市そやな内にあるえごま工房

鉱山資料館や神岡城のリニューアル、人気観光スポットの「レールマウンテンバイク Gattan Go!!」で楽しい滞在が可能

-- 「神岡町鉱山資料館」のリニューアルについて教えてください。

都竹市長 鉱山資料館は1967年(昭和42年)、神岡鉱山を手がけていた三井金属が寄付された建物です。50年以上経っており、一度も手が加えられていません。そこで、神岡で近代鉱山の発掘が始まってから150年の節目となる2024年に向けて、リニューアルを決めました。近代鉱山は2001年まで採掘が行われ、現在、鉱山の地下にスーパーカミオカンデやバッテリーリサイクルに活用されています。今回のリニューアルには、神岡の歴史、文化、技術を子どもたちへ語り継いでいきたい、という思いも込めています。現在、基本方針を作成しており、リニューアルにはふるさと納税と企業版ふるさと納税を活用していく予定です。

鉱山資料館

-- 神岡城のリニューアルや「レールマウンテンバイク Gattan Go!!」についても教えてください。

都竹市長 神岡城は現在、展示リニューアルを行っているところです。神岡城も三井金属さんから寄付していただいた建物で、市の史跡「東町城跡」に建っています。江馬氏の居城であったと言われているにもかかわらず江馬氏に関連した展示がなかったため、リニューアル後は近年集中的に行っている江馬氏の館や山城の研究成果を中心に展示する予定です。

また、「レールマウンテンバイク Gattan Go!!」はコロナ以前より利用客が増えるほど、人気を得ています。富山と奥飛騨温泉を結ぶ動線上にあり、ほかにはない個性的な施設が多く、楽しい時間を費やしていただける場所となっています。

神岡城

「レールマウンテンバイク Gattan Go!!」

コツコツと取り組むことで、将来へ向けたまちづくりの土台となり、将来への期待が高まる

-- そのほか、動き出している事業や今後の展開が期待できそうな事業があれば教えてください。

都竹市長 8年ほど前、アウトドアの総合企業である「モンベル」のフレンドタウンに加わって以降、毎年のモンベル本社訪問、協賛店舗の積極誘致、各地で行うイベント用としてのガッタンゴー体験レールの寄付、コロナの感染対策として市民病院に防護服やレインウェアを寄贈いただくなど、相互に様々な連携・協力をしてきました。それらを踏まえて2022年(令和4年)8月にモンベルと包括連携協定を結びました。協定を結んだことにより、住民に向けた防災教室の開催や、市内へのツアー企画などを一緒に取り組んでいく予定です。

国内外で行う、飛騨市のイベントの準備も始めています。一つは、東京の結婚式場「八芳園」さんと縁があり、岐阜県内にある関連施設の活用から連携を進めています。今後は東京白金台にあるポップアップイベントスペース「MuSuBu」で飛騨の魅力を紹介するイベントを開催する予定です。

もう一つは富山の南砺市、高岡市、氷見市、石川県小松市と飛騨市が広域連携してアメリカへ様々な特産品などを輸出しながらエリアを紹介していく取り組みするエリアでクラフトバレーと名付け、具体的な取り組みとしてサンフランシスコでポップアップストアを開催する取り組みを2022年(令和4年)10月に実施します。

音楽にも力を入れています。およそ20年前から若手音楽家の合宿・セミナーの誘致や会場提供を行っています。また、「飛騨河合音楽コンクール」もこれまでに22回開催されています。運営はふるさと納税を活用しており、飛騨市が若手音楽家の腕を磨く場所として成長しています。

-- 豊富な飛騨市の地域資源が今後のまちづくりにいかされていますね。

都竹市長 鮎の評価もあゆ釣り名人との出会いがあったからこそ。薬草、食用バラなどもコツコツと続けてきたからこそ良いタイミングで盛り上がることができています。種をまいた取り組みに芽が出始めている状態で、今後のブレイクの期待をして引き続き、飛騨市の資源を知っていただく取り組みをしていきます。

飛騨河合音楽コンクール

 

 

飛騨市の情報

面積:792.31km2
人口:22,649人(令和4年12月1日)
市の木:ブナ
市の花:ミズバショウ

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