飛騨市 都竹 淳也 市長

Leader's Voice

ファンづくり、広葉樹、薬草・・・。 課題を解決することで大きな成果を引き出す

ファンづくり、広葉樹、薬草・・・。 課題を解決することで大きな成果を引き出す | 市町村長
ファンづくり、広葉樹、薬草・・・。 課題を解決することで大きな成果を引き出す | 市町村長

Interview

飛騨市

都竹 淳也 市長

たくさんの成功事例に相次ぐ行政視察

―― 最近の飛騨市の動きについて教えてください。

都竹市長 最近は行政視察の件数が非常に多いです。昨年の行政視察の件数は96件でしたが、今年は8月末まで、すでに60件です。去年の8月末対比では倍近くになっています。これだけ行政視察の件数が多いと職員の仕事が圧迫されるぐらいです。一番多いのがヒダスケと飛騨市ファンクラブなどの関係人口を増やす取り組みで、昨年も今年も約半数を占めています。ほかには広葉樹のまちづくりを進めていますが、その行政視察も件数が多いです。職員は大変ですが、それだけ注目していただけることは大変ありがたいことだと思っています。

飛騨市市長対談
―― それだけ行政視察が多いということは、それぞれの取り組みに対する成果が出ているということですね。

都竹市長 はい。広葉樹のまちづくりは、空いていた製材所を借りて稼働を始めたのですが、現在では製材所が足りなくなるほどです。要望があっても対応しきれないという、うれしい状況になっています。令和2年に林業者、木工業者、建築業者などで構成されるコンソーシアムを立ち上げてスタートした取り組みなのですが、広葉樹を買ってくれる先が見つかるようになっています。

一例では、3月にコンソーシアムの構成員である飛騨産業が、市内の山林から伐り出した広葉樹を使ったテーブルや椅子のセットを新しく開院した聖マリアンナ医科大学病院入院棟のデイコーナーへ納入しました。かつてはチップとして燃やしていた広葉樹なのに、今では需要がたくさんありすぎて、製材所をもう一つ稼働させないといけないほどの状況に変わり、大きな成果になっています。同じ3月には林野庁の方々にも視察に来ていただきました。これまで林野庁では広葉樹に関する取り組みはほとんどなかったのですが、林野庁が広葉樹に対して目を向けてくれたのも大変画期的なことだと思っています。

聖マリアンナ医科大学病院へ納入したテーブルや椅子のセット

聖マリアンナ医科大学病院へ納入したテーブルや椅子のセット

市内の山林から伐り出した広葉樹をふんだんに使った応接室

市内の山林から伐り出した広葉樹をふんだんに使った応接室

―― それだけ広葉樹に対する取り組みは、ほとんどされてこなかったということですね。

都竹市長 はい。広葉樹に対する施策はほとんどなかったと思います。全国に815の市がありますが、当市は森林率93.5%で第1位です。そしてさらに際立った特徴があって、当市の森林は7割が広葉樹です。

―― 植林されてこなかったということですか?

都竹市長 その通りです。戦後の植林の波が来る前に止まり、天然更新される広葉樹が増えたのです。ところが広葉樹は樹種が様々ですし、曲がっていて加工もしにくいので、柱や梁に使いにくいです。しかも細いので、伐採されてもチップにして燃やす、あるいは安価で取引されるという状態がずっと続いていました。それになんとか価値をつけたいということで8年前からプロジェクトをスタートしたのです。

これまでチップにしかならなかった広葉樹を一時的に貯め、国産材需要とのマッチングを行うストックヤードを設けることで売上も伸びてきました。売上が伸びることで山主さんにお返しすることもできます。そのようにして少しずつ価値を高めています。

楽しみながら理解を深める「飛騨市ファンクラブ」

―― 飛騨市ファンクラブについてはいかがですか?

都竹市長 取り組み始めて6年を経過しましたが、会員数は12,000人を超えています。現在、ファンクラブの解析を進めながら、どんなサービスが提供できるのかを研究しています。その中では、例えば、ファンクラブに参加した人がふるさと納税を申し込んでいるのかどうかといったクロス分析もしており、昨年1年間のファンクラブの方によるふるさと納税が約1億3千万円でした。これも大きな数字になっています。

ファンの集いをたくさん開催してくると、いろいろなことがわかってきました。こちらから一方通行で情報提供するより、ファン同士が交流すると満足度が高まるのです。先日も東京でファンの集いを開催したのですが、まずそれぞれのテーブルで自己紹介をしてもらい、次に、「私は古川に行ったことがあります」「とんちゃんを食べたことがあります」など当市に関する共通項をたくさん書きだしてもらって、一番多く書き出したところに賞品を出すというゲームから始めました。こうすることで、ファン同士の交流が図れるんですね。その上で、集いでは、最近定番になっている飛騨市クイズや飛騨市ビンゴを行っています。飛騨市ビンゴは職員が開発してくれたもので、9マスのビンゴカードを配って、それぞれのマスには「ガッタンゴー」「飛騨牛」「古川祭」などのキーワードをランダムに書き入れてもらいます。それに対して私がキーワードを発表すると同時に解説を加えることで、ゲーム形式で楽しみながら当市に対する理解を深めてもらえるようになっています。

飛騨市ファンの集い

飛騨市ファンの集い

飛騨市ファンの集い

飛騨市ファンの集い

―― おでかけファンクラブというものもあるようですね。

都竹市長 はい。市としてファンクラブの集いを開催するのは、実はかなり大変です。知らない土地で会場を探して、物を送る準備をして発注して、集客をかけて…というのはなかなか大変で、全国で開催するというわけにはいきません。ところがファンは全国各地にいます。これをクリアできる方法はないだろうかと考えました。「単純に考えたら、ただの飲み会だから、飲み会をセットしてもらって、それを当市のファンの集いにしてもらえばいい」と考えて、おでかけファンクラブとして始めました。岐阜県・富山県内では10人以上、それ以外は20人以上集まってもらえれば、市長が飛騨牛と地酒を持って出かけますという仕組みです。昨年8月に静岡大学、9月には北海道の釧路新聞社、その後も大正大学、東京都中野区という具合に、それぞれの皆さんが企画してくれて、現在も各地から申し込みが来ています。

攻めの姿勢を貫く“ドSな市役所”

―― 薬草を活用したまちおこしにも取り組んでいますが、どのような状況ですか?

都竹市長 9月に「全国薬草シンポジウム」と「飛騨市薬草フェスティバル」を同時開催しましたが、お客さんがとても多くて手ごたえがありました。“薬草のまち 飛騨市”もついにここまで来たかという感じで、本当に反応が大きかったです。薬草に関する拠点施設である「ひだ森のめぐみ」を訪れるお客様も着実に増えています。観光系の雑誌などにも必ず飛騨市の薬草の紹介がされるようになり、大きく変わったと実感しています。

飛騨市薬草フェスティバル

飛騨市薬草フェスティバル

飛騨市薬草フェスティバル

飛騨市薬草フェスティバル

薬草に関する拠点施設「ひだ森のめぐみ」

薬草に関する拠点施設「ひだ森のめぐみ」

薬草に関する拠点施設「ひだ森のめぐみ」

薬草に関する拠点施設「ひだ森のめぐみ」

―― 市長が就任当初から一丁目一番地と位置づけて、力を入れて取り組んできた障がい者への支援対策についても教えてください

都竹市長 これは到達点にかなり近づいてきたと感じています。就任当初に比べると、いろいろなサービスを年々開設し、6月には多機能型障がい者支援センター「古川いこい」もオープンしました。先日も当時の自見はなこ内閣府大臣政務官(現:地方創生担当大臣)が、こども家庭庁や厚生労働省、文部科学省の課長さんらを連れて視察に来られ、飛騨市のこどもの発達支援の取り組みについて大変高いご評価をいただきました。特に作業療法については、学校に保健室の先生がいるように、学校に作業療法士がいるべきだと考え、実際に授業の中に入って、こどもの強みを見つけ、見立てを変え、環境を整えることで、こどもが伸びていくという実践を重ねてきたことが、国の皆さんの評価につながったと思います。

多機能型障がい者支援センター「古川いこい」

多機能型障がい者支援センター「古川いこい」

―― 市内にも、それだけ障がいを抱える子どもがいるというわけですね。

都竹市長 はい。手帳をもらうほどではない、診断名がつくほどではないけれど対人コミュニケーションに課題がある子どもはたくさんいます。ただ、診断名をつけることが目的でやっているわけではなく、また子どもを変えるというより周囲を変えるという考え方です。ですから親の精神的な状況からの子どもへの関わり方に問題がある場合には、市直営の児童精神科診療所である「飛騨市こどものこころクリニック」で親の治療をまず先に進めていくというケースもあります。

―― 文化関連についてはいかがですか?

都竹市長 当市では山城に光を当てる取り組みを続けてきましたが、姉小路城館群がこの秋にも国の史跡指定を受けられる見通しとなってきました。これが決まると歴史をどう活用するかという取り組みもスタートしますので今後が楽しみです。

―― 最後になりますが、インターンシップでの学生の応募数がすごかったようですね。

都竹市長 はい。当市では実践型でやってみようということで、勤務代と交通費も出すという条件で募集したところ、全国から応募が66名あり、中でも学芸員は1名の枠に28名もの応募がありました。参加者募集の“ドSな市役所”というチラシも評判を呼んだと思います。ドSのSは「スピード感」「攻めの姿勢」「誠実」の3つのSでしたが、インパクトがあったようで遠方からの応募者も本当に多かったです。

“ドSな市役所”チラシ

“ドSな市役所”チラシ

 

飛騨市役所

〒509-4292 岐阜県飛騨市古川町本町2番22号
TEL.0577-73-2111 FAX.0577-73-6373
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飛騨市の情報

面積:792.31km2
人口:22,649人(令和4年12月1日)
市の木:ブナ
市の花:ミズバショウ

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